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エレクトロニコス・ファンタスティコス体験会にてブラウン管ガムラン、扇風機ギターetcをPLAYした!

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"Ei WADA" performance show in the Ibaraki-ken north area Part1 ブラウン管ガムラン


"Ei WADA" performance show in the Ibaraki-ken north area Part2 ボーダーシャツァイザー


"Ei WADA" performance show in the Ibaraki-ken north area Part3 扇風琴


エレクトロニコス・ファンタスティコス! ~日立通電編~


六本木アーク森タワー、Tech Shopにて開かれたニコス体験会へ行ってきました!

このエレクトロニコス・ファンタスティコスOPEN REEL ENSEMBLEとしても活躍する和田永さんを中心とするメンバーが役割を終えた古い家電を楽器化(妖怪化)させることを目的としたプロジェクト。

KENPOKU芸術祭で知ってTwitterをフォローしていてニコス体験会を知ったのでした。

実際に会場にあったブラウン管ガムランやボーダーシャツァイアイザー、そして扇風琴。その仕組みも説明してもらえて。

ブラウン管ガムランは静電気を身体を通して流す(ホットタッチの原理)ことで音を出す仕組み。ブラウン管の縞模様の本数で音の高さが変わるとのこと。最初は足でピックアップを踏んでいたそうですが、最終的にコイルを巻いたピックアップを身体に触れさせることで音を鳴らす形に。

映像ではコイルが巻かれた撥でブラウン管TVを大太鼓として演奏するパフォーマンスもみれました。

実際に今回集まった数十人で手をつないでガムランの「通電の儀」を行ったのですが、面白いのが皆が片足を上げると音が大きくなること!足から地面へ流れてしまう分の電気が割り増しされるから。電気に身体性をもたらしたみたいでコンピューターの中のエレクトロミュージックで収まりきらないところがすっごく魅力的でした。

この「走査線の縞の本数で音の高低が変わる」ことから作られたのがボーダーシャツをビデオカメラで読み取って音を出すボーダーシャツァイザー。これ、実際にボーダーシャツ着て私も"演奏"したのですが、カメラに近づく離れることで音の高低が変わり、ボーダーを揺らすとヴィブラートが効いて面白かったです!

そして「ジミヘンが扇風機を弾いたらどうなるのだろう?」という発想からクリエイトされた扇風琴。

扇風機の羽に穴をあけて、裏から電球で照らし、外から光学センサーのピックをかざして、羽根で遮られたり穴を通ったりする光量の変化で音を出す仕組み。

何でも最初は4音だったのが、こうしたプレゼン会で知り合ったオジサンが仕事ほっぽり出す位に嵌って参加してくれて8音出せるようになったとか。やーばいw

和田さんがすっごいいいキャラしていて、さらにニコスの活動を通して集まって来る楽器製作者・演奏者の面子も濃ゆくて濃ゆくてw今回もハンドスピナーやコーヒーメイカーの楽器を持ってきている兵の方々がいらっしゃいました。またいい音なるんだこれがw

この扇風琴、実際に弾いてみると本当に「来るゥうううWRYYYYYYYYYYY!!!!!」といった感じにディストーションヴィブラートがバリガン効いて!すっげー弾いてて楽しかった!自分は音楽好きな癖に楽器全然出来ないのですが楽しくて仕方ない!"これ嵌るかも!"と想ってしまいました。

会ではニコスの卵として参加者からアイディアを聴く時間もあって。ブラウン管ガムラン、手で叩くしミャンマーのサインワインみたいに円形に配置しても面白いかも。あと黒電話のダイヤルを楽器化出来たら楽しそうだなぁ!

和田さんの現在の目標は<古電楽器の祭ばやしで踊る!『電磁盆踊り大会』を開催したい!>というもの!Nicos Orhest-Labとして楽器製作者、楽器演奏者、そしてクラウドファンディングも募集しているとのことでした。

<旧くなった家電を楽器にして妖怪化させる>ってコンセプト、トリニダード・トバゴでドラム缶から作られたスティールパンみたいでいいなぁと想って。

そんな”役割を終えた最大の家電”である東京タワーで開かれるという電磁盆踊り、めっさ興味出ました。エレクトロニコス・ファンタスティコス、今後も追いかけていきたいナイス・プロジェクトでした。

cf.
スライムシンセサイザーはゲルVersionのテルミンなポテンシャルを秘めるか

東京音大附属民族音楽研究所 2016年度ガムラン講座 発表会に行ってきた!
芸能山城組ケチャ祭り2015レポ
大浦天主堂と伸びていく日に捧ぐ、常在夏場な楽曲群
by wavesll | 2017-07-03 06:25 | Sound Gem | Trackback | Comments(0)

Renault Alpine A110

Alpine A110 1800VA East African Safari Rallye 1975 (Full HD)


cf.
秋梅の愛知 名古屋一泊二日旅 第三篇 トヨタ博物館 日本の名車編

秋梅の愛知 名古屋一泊二日旅 第四篇 トヨタ博物館 ルネ・ラリック カーマスコット編
秋梅の愛知 名古屋一泊二日旅 第五篇 トヨタ博物館 海外のクラシックカー編
Tokyo Motor Show 2015 Snap Shots
Nissan IDx Freeflow at Cars & Coffee (with engine start & driving)
ロールスロイスat六本木ヒルズ
by wavesll | 2017-07-02 12:26 | 小ネタ | Trackback | Comments(0)

スライムシンセサイザーはゲルVersionのテルミンなポテンシャルを秘めるか

ササノマリイ 『透明なコメット with Slime Synthesizer』Live


シンセサイザースライム @第18回文化庁メディア芸術祭


私自身もメ芸で触ったスライムシンセサイザー、これを楽曲に使用する人が現れるとは!?

鍵盤以外のシンセサイザーというと肉音でROLLYが披露したギターシンセサイザーなんかも印象的ですが、こちらはヴィジュアルがまた凄い。

正直音色はまだ独自性を感じる域にはないのですが、LIVEパフォーマンスとしては面白いし、この感触から演奏・作曲に独自なノリ/味が生まれたりしたらいいなぁと想います。

個人的にはさらに改良を重ねて、ゲルverのテルミンのような飛び道具な存在になったら面白いと想います。スライムシンセで弾き語りする電子系SSWとか生まれたら愉快だなぁ。
by wavesll | 2017-06-28 22:49 | Sound Gem | Trackback | Comments(0)

ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル「バベルの塔」展 16世紀ネーデルラントの至宝ーボスを超えてー@都美

東京都美術館のバベル展へ行ってきました。
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ネーデルラント絵画のヒエロニムス・ボスからピーテル・ブリューゲル1世への流れが明示されていてストーリーを味わえました。こんなに白黒の版画に興奮しながら見入った展覧会は初めて。この展覧会の裏の主役はボスですな。そして≪バベルの塔≫。“何万画素なんだ?”といいたくなるような、遠目だとブレてみえるような、人の目を越えた細密さ。これは人類の宝。

展覧会に入るとまず「16世紀ネーデルラントの彫刻」群が。
アルント・ファン・ズヴォレ? ≪四大ラテン教父:聖アウグスティヌス、聖アンブロシウス、聖ヒエロニムス、聖グレゴリウス≫等の木彫像。西洋の彫刻で木というのはちょっと不思議な感覚もあって、初めにいいサプライズでした。

そして宗教画のエリア。トリコロールの効果が効いているマナの拾集の画家≪ユダヤ人の供犠≫、構図と建物の曲線の妙が光る作者不詳≪庭園に座る聖母子≫も良かった。

枝葉の刺繍の画家≪聖カタリナ≫と≪聖バルバラ≫に描かれた剣を持った殉教の聖人、アレクサンドリアのカタリナは他にもヤーコブ・コルネリスゾーン・ファン・オーストザーネン≪聖カタリナ≫にもその勇姿が描かれています。ヤーコブは≪聖母子と奏楽天使たち≫でも鈴・ハーディガーディ・リコーダー・ハープ・ヴィオールを奏でる天使とそれに嬉喜とする幼子のキリストを描いていて、この絵、とても好きでした。

マールテン・ファン・ヘームスケルク≪オリュンポスの神々≫の、ローマの古代遺跡に着想を得た水浴の楽園画も素晴らしかったし、顔はリアルで神経質そうな人柄が伝わるのに体は不釣り合いに雑な王家の肖像の画家≪フォンセカ家の若い男の肖像≫ヤン・ファン・スコーレル≪学生の肖像≫の聡明な顔も良かった。

ヘリ・メット・デ・ブレス≪聖クリストフォロスのいる風景≫で描かれたキリストを背負う巨人クリストフォロスという題材は他にも展示されていて、水色が美しい逸名のドイツ人版画家≪聖クリストフォロス≫や、ヒエロニムス・ボス≪聖クリストフォロス≫は木の中の小人や奇想が弾ける本展覧会の目玉の一つでした。これと並ぶ≪放浪者≫も意味深な画でした。

ボスの魔界のようなファンタジックな画風はネーデルラントで大流行し、そのスタイルは敷衍しました。

ヒエロニムス・ボスに基づく≪聖アントニウスの誘惑≫はこの展覧会の白眉にもなるような悪魔や魔物、頭人間が出てくる奇想の風景画。画家J・コック≪聖アントニウスの誘惑≫には空飛ぶ獣が描かれていました。

ヒエロニムス・ボス≪樹木人間≫の卵のような木の殻も面白いしヒエロニムス・ボスの模倣の≪様々な幻想的な者たち≫はボス版北斎漫画な趣。

ヒエロニムス・ボスの模倣で彫版:ピーテル・ファン・デル・ヘイデン≪最後の審判≫は剣のサイドの地獄と百合のサイドの天国双方に怪物が闊歩しているのが面白く、ヒエロニムス・ボスの模倣で彫版:コルネリス・コルト≪最後の審判≫は壮麗な天国と貧困な地獄が描かれていました。

同じくヒエロニムス・ボスの模倣で彫版:ヨアネスおよびルカス・ファン・ドゥーテクム≪象の包囲≫は『イノセンス』のパレードを想起させられ、ヒエロニムス・ボスの模倣で同じく彫版:ヨアネスおよびルカス・ファン・ドゥーテクム≪聖クリストフォロスの誘惑≫は魚のモンスター戦車な山車が。

ヒエロニムス・ボスの模倣で彫版:ピーテル・ファン・デル・ヘイデン≪ムール貝≫は女性器を暗喩する貝に男たちが入る不思議な味の作品。同じくヒエロニムス・ボスの模倣で彫版:ピーテル・ファン・デル・ヘイデン≪陽気な仲間たち≫も愉しい作品でした。

そして愈々ブリューゲルのエリア。やはり版画で、ボスの奇想の影響を模しているのが分かります。

ピーテル・ブリューゲル1世 彫版:ピーテル・ファン・デル・ヘイデン≪聖アントニウスの誘惑≫の人形的な怖み。ピーテル・ブリューゲル1世 彫版:ピーテル・ファン・デル・ヘイデン≪大きな魚は小さな魚を食う≫は弱肉強食を顕わした脚付きのサカナの絵。

ピーテル・ブリューゲル1世 彫版ピーテル・ファン・デル・ヘイデンの連作『七つの大罪』では顔風車が不気味な≪大食≫、魔欲が描かれた≪邪淫≫も素晴らしい。なんだか富樫が描く禍々しい世界をもっとヨーロッパなリアルな画風にしたような感じ。

ピーテル・ブリューゲル1世 彫版:フィリップ・ハレ≪希望≫は海原から陸地へ上がる姿がシリア難民を想わせました。希望、か。

ピーテル・ブリューゲル1世 彫版:ピーテル・ファン・デル・ヘイデン≪忍耐≫には木の卵殻が。同じく二人による≪最後の審判≫は魚が不気味。

ピーテル・ブリューゲル1世 彫版:フランス・ハイス≪アントウェルペンのシント・ヨーリス門前のスケート滑り≫では"農民の画家"としてのブリューゲルの顔が見れます。スケートに興じる農民のおどけた表情が良かった。

ピーテル・ブリューゲル1世本人が彫った≪野ウサギ狩り≫は淡い味わいが素晴らしかったです。

ピーテル・ブリューゲル1世 彫版:ピーテル・ファン・デル・ヘイデン≪冥府に下るキリスト≫の黄泉の風景。同じく2人で制作した≪使徒大ヤコブと魔術師ヘルモゲネス≫の魔物や≪魔術師ヘルモゲネスの転落≫の魔界な雰囲気も良かった。

ピーテル・ブリューゲル1世 彫版師不肖≪野生人≫はサイケロッカーというかヒッピーでしたw他にもピーテル・ブリューゲル1世 彫版:ピーテル・ファン・デル・ヘイデン≪金銭の戦い≫も金貨が入ったパンパンの鎧で闘うユーモラスな作品。またピーテル・ブリューゲル1世 彫版:ピーテル・ファン・ヘイデン≪石の切除≫は石が生えてくる奇病が描かれていました。

そしてついに「バベルの塔」エリアへ。

ブリューゲルの版元だったヒエロニムス・コックの≪コロッセウムの眺め≫。ブリューゲル自身もイタリア旅行し、コロッセオが『BABEL』のモデルとありました。

そして…ピーテル・ブリューゲル1世≪バベルの塔≫。
展覧会を観る前、"EUの崩壊やトランプ大統領の誕生など、世界は統合から亀裂へ向かっている中で≪バベルの塔≫をみる味わいはまた異なるかもしれない"とか"バブルの頃なら東京バベルタワーだけど今だったら軌道エレベータがバベルの塔だな、あれもテロの格好の標的になりそうだ"とバベルの塔の赤黒さに考えていたのですが、実際に本作品をみると、建設途中の塔の中でなんともか細く小さな人々が、暮らしを営みながら見果てぬ理想を打ち立てようと活動し、巨大な建築が伸びていく姿が鮮やかで。塔が届いた叢雲の描写も美事。

欲望の民主主義 世界の景色が変わる時で「民主主義は決して完成しない理想だ」とどこかの教授が言っていましたが、たとえ神の逆鱗に触れたとしても、雷を落されても、それでも積み上げていく歴史の努めを、階層ごと建築様式が変わり建設にかかる年輪を感じさせるブリューゲルのバベルの塔に感じました。

展示会場の外では大友克洋さんが描いた≪INSIDE BABEL≫が。水路が中に入っているのが古代人の工夫がみられて"ほう"と想い、そしてやっぱりその細密振りに驚嘆。
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その足で藝大でやってる立体バベルの塔「Study of BABEL」展へ。ここまで巨大にしても人が豆粒のよう。なんでも人の身長を170cmとするとバベルの塔は510mにもなるとか。ムハの≪スラヴ叙事詩≫を凝縮したようなものかと空恐ろしくなりました。この展示、音楽科の方でやってるのでスルーご注意を。中の映像展示も光の営みの映写が面白かった。都美、藝大共に7/2迄。
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Bonus track2
上野駅で先月撮ったレゴバベル。塔を上から見れたのが面白かったです。
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cf.
ブリューゲルの魅力とブリューゲルの世界観・人間観(dezire_photo & art)

ジッグラト(Wikipedia)
by wavesll | 2017-06-27 19:22 | 展覧会 | Trackback | Comments(2)

龍神バハムート、襲来

プロジェクションマッピング横浜 FF14 ファイナルファンタジー30周年 インターコンチネンタルホテル


cf.
琳派400年記念 プロジェクションマッピング 21世紀の風神・雷神 伝説

京旅行・弐 <京都の人も行列する二条城アートアクアリウム・高台寺ライトアップ、大阪・潜水艦バー 深化>
by wavesll | 2017-06-22 06:03 | 小ネタ | Trackback | Comments(0)

アドルフ・ヴェルフリ展@東京ステーションギャラリーにみる暗部と光辺

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B'z「LOVE PHANTOM」Live Gym PLEASURE95


Lostprophets - Rooftops (A Liberation Broadcast)


アドルフ・ヴェルフリ 二萬五千頁の王国展を東京ステーションギャラリーにみに行きました。

初見ではその禍々しさに心理主義とは想いながらも、”この人は相当鬱屈した状態で描いたのでは?それにしてもこの絵、誰にも似ていない、敢えて言うならば綿密に描き込まれた小学生のノートの落書きだ…タペストリーや聖堂的な文様構造体が絵に落とし込まれている…みているだけで鬱の気持ちに巻き込まれてしまうようだ…”と想っていました。

精神病院に入れられ、治療の一環として絵を描き始めたヴェルフリ。彼の妄想の世界は幾つかの物語を産み、「聖アドルフ巨大創造物」を作り地球の土地を買い上げ近代化させるという話では彼は聖アドルフII世として世に君臨しました。

そして明かされる真実、幼くして母と父を亡くし、貧困の中で育った彼が精神病院へ入れられたのは、何度かの女性との交際と破局の後で、14才、7才、3才半の少女を強姦したことからでした。「作品と作家は別」と言われても、これは…というレベル。

と、同時にどうしても"あぁ、この画家はどうしようもない疎外感の中で、『俺を理解してくれ、俺を理解してくれ』と尽きることのない思考の海沼に生涯沈み続けたのではないか…"とも思ったのでした。

己と他者を区別できない幼稚さ、他人が気分を害することを平気でやってしまう押し付け、相手のことに究極的には敬意を払わない甘え、精神年齢の低さと対照的な煮えたぎるリビドー。

私自身が昔、周りの人間から愛想をつかされた頃、そんな状態に陥っていたなと。その頃は半ば精神が過剰になりすぎて、出雲において超常現象の妄幻を旅したりした、危うい時期がありました。

この頃の記述は私にとっては黒歴史なのですが、先日記事を整理したときに眺めると、自分自身のことながら「こいつ薬でもやってるんじゃないか」という精神の異常な火花が異形を顕わしていて、ちょっとした見ものではありました。

ただ、それ以上にショックだったのは、大学の頃の自分の書いたものが何にも面白くないものが多くて…。当時は"なんで内容があるのに評価されないんだ"と想っていたものですが、引用している歌詞・音楽を抜くとスッカスカで。剽窃を消したら、血肉になっていない等身大の自分の小ささを認識せざるを得ませんでした。

10年経つと自分自身も他人になるのか、他人の視点で私自身の文章を眺めると、"これでは伝わらないな…"と想ったものでした。音楽に酔って、そのカオスのままゲロったような文章、しかも自力で考え出したものでもない…それでは評価のしようもないなと。

と、同時に私自身も周りの人間をどこか見下していたというか、"全然面白くない、もっと刺激のあることを書かないと伝わらない"と想いながら”普通”に"つき合ってやっていた意識"があって、”こちらは理解されない”犠牲感が精神を削っていたところもあったように思います。

今、己の興味の小ささを認識できるのは、あの頃よりも少しは自分の脚で立って、興味が広がり、身体性を得たからかもしれません。同時に今興味のないものは興味がないと付き合わない強かさも学びました。

昔は自分のことを読解力と需要の幅が広い、面白さを拾う能力が高いと想っていて、周りの人間は受容体が狭い上、閾値が高い。なんて思っていたのですが、とんだ井の中の蛙。分からないものはわんさかあると認識し「分からないと罪悪感も感じない」と知ると、周囲に無駄に期待しなくなるし、同時に寛容になれます。

同じ目線を共有することも出来るパートナーや他山の石となる自分と似た失敗してる人、自分が理解できない才気あふれる若者、尊敬できる先達との交わり、そして己の未熟さを認識できたのは僥倖という他ありません。

そしてあの頃世界を飲み込むかの如く欲望していた愛情と共感は、案外少量でも十分満たされることを知って。この6年は、幽界から身体を生成してきた時季だったのではないか、俺はヴェルフリには良い意味でも悪い意味でもならず、世界の片隅に庵を持てたのだなと想ったのでした。

そうして2周目の観覧をしました。すると、初見ではカオスの複雑性に噎せかえりみえずらかったヴェルフリの"新しいカタチを生み出す能力、色彩感覚、そして画面構成の妙"といった才を視ることができました。

『グニッペ(折りたたみナイフ)の主題』のシダのような造形。『ニーツォルン=ヴェスト〔西〕トラクター=トンネル=ハル〔響き〕』の小学生さ。『チンパンジー=ツォルン〔怒り〕=タール〔谷〕』『グランド=ホテル, ソルト=レイク=シティ』『氷湖の=ハル〔響き〕, 巨大=都市』『事故=転落, ドゥフィ, =27,386フィートの深さ, ローゼン〔バラ〕=ツォルン〔怒り〕=南壁にて. 北=西=インド, アジア. "35頁" 』の大聖堂のイコンやタペストリーのような聖性。

『ネゲルハル〔黒人の響き〕』の道路・山・楽譜・円・螺旋のデザイン構成、『南=ロンドン』の都市形成性・新しい紋様、『北=アマゾンの大聖堂=ヘルヴェチア〔スイスの擬人像〕=ハル〔響き〕』のシステムとして動いている世界の機械性、『アリバイ』の尽きることのない思考によって描かれ続ける色彩とシステム。『利子計算=最終, 1912年6月1日, 11頁』などといった現実と数字のある作品も。

『林務官の=家, ヴィラディンク, 大-大=ガイザッハ〔ヤギ農園〕=チャッハ, 聖アドルフ=森:帝=国, 中国:アージア』のカオスに酔い『ぶどう酒. フェニン. オリアンダー〔セイヨウキョウチクトウ〕. カロリナ=ケラー〔貯蔵庫〕:精神疾患患者の=施設 』にもシステムを。『神聖なる医大にして=父なる=神の=天使ヴィドンナ』には小学生を。『巨大な=都市, 聖アドルフの=ハル〔響き〕』にはシンプルを。『クリノリン, ギーガー=リナ. 糸つむぎ=リナ. 安楽椅子=リナ. おとぎ話=安楽椅子=リナ. 大=大=女神』にはノートの落書きの至高を。

『象による取るに足らない私の救済』にこの人の色の感覚は矢張り凄いなと。『パリの=美術=展覧会にて』『ロング・アイランドの実験室』ではコラージュも。美術的技術を補うのにコラージュは使われたのかな?『アーレ川沿いの聖アンナの=家の中にいる神聖なる聖アドルフ:ベルン』の水色黒と『気高き伯爵夫人, タマレナ・フォン・ティーガー〔虎〕=ヴァント〔壁〕』の緑黒の清冽な美しさ。『全能なるガラスの=響き』の凝縮さ。『小鳥=揺りかご. 田舎の=警察官. 聖アドルフII世. , 1866年, 不幸な災=難』のカラフルさ、『テーディ:東スイスの:氷河. 標高1,986,000時間, 聖アドルフ, 運搬人, ベルン』の寓話性。

『オイメスの死. 事故.』にみる想念、『父なる=神=聖アドルフの=ハープ』の流水的、『フリードリッヒ大王の揺りかごの側で』の構成力、『テクラ-真珠』のキレイ、『聖アドルフ=墓=泉=城』をみるとこの人はコラージュも良いけどやっぱりこの人自身の鉛筆・色鉛筆がいい、と。『偉大な東の=海にある聖アドルフの=船』の曼殊沙華、『芸者-お茶と小笛〔小煙管〕』なんて写真に色付けも。

遺作となった『葬送行進曲』1929-30シリーズでは『無題(キャンベル・トマト・スープ)』『無題(エスキモー/潜水夫)』『無題(フーバー〔掃除機のブランド名〕)』『無題(恐竜)』『無題(円形の中のアジア人)』と、大分憑き物が落ちてきた気がしました。

やはり1917年あたりの『聖アドルフ=リング, 全能なる, =巨大な=汽船』あたりが一番脂がのっていた狂い具合な気がしました。

アウトサイダーアートというと、原美術館でみたヘンリー・ダーガーの透明な狂気が印象深いですが、ヴェルフリの文字で埋め尽くされたカオスの複雑系には、ヴェルフリ自身の心理をさぐるというより、私の暗部を抉り出される思いをしました。今みれたのは良い機会でした。

東京ステーションギャラリー自体も昔のままのレンガがみれる場もあり、良かったです。日曜迄。特殊な体験が味わえると想います。
by wavesll | 2017-06-17 04:05 | 展覧会 | Trackback | Comments(0)

N.S.ハルシャ展 チャーミングな旅

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「ここに演説をしに来て」
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「1,000の手と空」
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「時間の蜜のまわりを走って」
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「私たちは来て、私たちは食べ、私たちは眠る」
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「ヴィシュヴァルーパーアーディ・ナーラーヤナ」
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「ネイションズ(国家)」
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「消費の連鎖の中で」
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「さかりがついて」
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「人間的な未来」
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「無題」
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「罪なき市民を探せ」
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「不条理な花ばな」
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「神がみの創造」
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「ここでは皆がむさぼり食う」
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「未来」
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N・S・ハルシャ、ジョーン・グラウンズ『夢見るバングル』
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「宇宙の小枝の向こうに消えた料理人」
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「ふたたび生まれ、ふたたび死ぬ」
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「宇宙情報処理センターでの名優」
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「探し求める者たちの楽園」
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「乳搾りの道が唯一の道だ」
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「宇宙のマサラを探して」
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「ピーチクパーチク」
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「この世でモー」
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「未知を示してくれる人たちはいた、いまもいる、この先もいるだろう」
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「タマシャ」
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返される眼差し
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森美術館で開かれたN.S.ハルシャ展 チャーミングな旅へ行ってきました。

現代人を描いた曼陀羅万葉といった趣。無料のオーディオガイドは細野晴臣さん。解説によると曼陀羅というよりインドの彫刻の反復からインスピレーションを受けたとのことでした。

森美術館は22時まで開いているのがいいですね(火曜は17:00まで)。
一人プレフラきめることができました◎このあっさりしつつもおいしい南インドの絵画たちは生でみるとまた一味違ったものがありました。森美術館で明日まで。このチケットで展望台&マーベル展もみれる。夜景お薦めです。
by wavesll | 2017-06-10 06:33 | 展覧会 | Trackback | Comments(0)

特別展 茶の湯@東博 シンプルの内に複雑な玄妙さを見出す感性の列史

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東博で開かれている特別展 茶の湯へ行ってきました。

中国・龍泉窯『青磁輪花茶碗 銘 馬蝗絆』が目当てだったのですが、吸い込まれるような青磁の白青、覗き込んだ時に見える割れの罅が現代的にも想えて、そして鉄の鎹がまたいい遊びになっていて。とても良かった。

青磁だと国宝の南宋の『青磁下蕪花入』の罅がないすっとした艶のある水色。取っ手が美しい龍泉窯『青磁鳳凰耳花入』も良かった。龍泉窯だとすっくと伸びる筒形の『青磁筒花入』も良かったです。

そして今回の展示で印象的だったのが『白』。
中国・定窯『白磁金彩雲鶴唐草文碗』の綺麗な白の中に金が揺蕩う様の美しさ。瀬戸・美濃『白天目』の黄色みがあった白の美。朝鮮の『三島茶碗 二徳三島』、『御所丸茶碗 古田高麗』の驚くような鮮やかな白。数々の白の銘品に目を見張りました。

またその他の茶碗も名品目白押しで。
序盤では中国・定窯『柿釉金彩蝶牡丹文碗』の紅茶色の深い色。"禾天目"、中国では”兎毫盞”と呼ばれるウサギの毛並みのような線が入った中国建窯『建盞』、鸞が描かれた中国・吉州窯『玳玻盞 鸞天目』が好きな人は東洋館にも展示してあって写真も撮れるのでお薦め。金色の木の葉が美しい吉州窯『木葉天目』も、豊臣秀次所持の建窯『油滴天目』も素晴らしかった。

入ってすぐの伝牧谿筆『布袋図』に淡く柔らかく癒されて。国宝の梁楷筆『出山釈迦図』伝梁楷筆『雪景山水図』 梁楷筆『雪景山水図』の黒靄に心惹かれました。

朱漆、黒漆を塗り重ねた『犀皮水注』の朱の凸凹の美、『花鳥堆朱重香合』も凹凸が美しかった。『物かは蒔絵伽羅箱』は黄金の銀河で。『釜石 銘 末の松山』は盆の上で山水を顕わすために置く石という逸品で。インドの『南蛮毛織水指』も綺麗でした。

茶の湯というとどうしても利休・織部がクローズアップされますが、この展覧会では総体的な歴史の流れが描かれていて。侘茶の始祖、珠光や利休の師、武野紹鷗ゆかりの一品も揃っていました。

元~明の『灰被天目 銘 夕陽』の渋い夕空、『灰被天目 銘 虹』は月虹のよう。南宋~元の『唐物肩衝茶入 北野肩衝』のマーブルなブラウン。『唐物茄子茶入 銘 富士』のなんとぷっくりと可愛らしいことか。元~明の『黄天目 珠光天目』の灰から黄へのグラデーション。

武野紹鴎筆『書状 十月二十日』のエメラルドブルーで流麗な筆遣い。室町時代の『烏図真形釜 銘 濡烏』の角いフォルム。『備前水指 銘 青梅』はずっくりとした味わい。秀次作『黒塗大棗 紹鷗棗』の漆のツヤ、シンプルなカタチはイデアを感じさせます。

この展覧会では様々な茶道具が展示されていましたが、今回新規開拓できたのが釜。『芦屋無地真形釜』のナマズ肌、『芦屋浜松地歌入真形釜』の表面に彫られた浜松図。『天明筋釜』はバリ島な感じで、与次郎作『湯の釜』はじっくりとした時間を与えてくれました。

重文『雨漏茶碗』の朱白に黒、『蕎麦茶碗 銘 花曇』のゆがみ薄さはフォークトロニカでした。

そして千利休の時代へ。
利休筆『書状 飄庵宛(法語 璋禅人宛 添状)』は丸っこい字。古渓宗陳筆『落慶偈』の美筆。朝鮮の『井戸香炉 銘 此世』の塩筒形。南宋~元の『唐物尻膨茶入 利休尻膨』の水信玄餅みらいなぷくらみ。美濃『黄瀬戸立鼓花入 銘 旅枕』の緑がかった白の砂時計形のカタチが最高で。

『瀬戸雁口花入』の白緑のしゃらりとユーモラスな形。光の残像のような『黄天目 沼田天目』と千利休筆『書状 七月十六日 松新宛(黄天目 沼田天目 添状)』。『書状 六月二十日 古織宛(武蔵鎧の文)』にも流麗さを感じました。

利休好みの『唐銅皆具 釜・風炉』の魔人ブウな感じ。瓢箪のくびれをそのまま口にした『瓢花入 銘 顔回』の自然な形の面白さ。魚籠にみたてた『耳付き籠花入』も面白味がありました。そして『黒塗手桶水指』の漆の美しさとフォルム・大きさの丁度いい感じが本当に丁度いい、ディレクションが光りました。

樂家の始祖、長次郎の作品群にも茶碗の中の宇宙 樂家一子相伝の芸術展振りに出逢って。長次郎唯一の香炉である『黒楽口寄香炉』や『黒楽茶碗 銘 ムキ栗』に無の宇宙を感じました。

この展覧会ですっかり棗が好きになってしまったのですが、盛阿弥作『黒塗尻張棗』のPinoな台形球フォルムもまた素晴らしく好みで。

利休が死を覚悟して書いた『書状 二月十四日 松佐宛』には勇壮さも感じて。『山上宗二記』も素晴らしかった。

ここから古田織部の時代へ移っていくのですが、茶の湯の美の流れの中でも織部はひょうげてるというか異彩を放っていて。狙っているというかwでもこの織部好みのへうげた美のダイナミズムは太古には縄文文化、後世には もの派として隔世遺伝していく日本のマッシヴな美意識を感じました。

『伊賀花入 銘 生爪』のモノとしての存在感、家康所持の『天明釜 銘 梶』も良かった。そして大きな割れ目が入った『伊賀耳付水指 銘 破袋』の現代的な味。ヴェトナムの『南蛮締切水指』も狙ってんなぁとw『備前肩衝茶入 銘 さび助』のクシャっとした凹みの良さ。

信長の弟、織田有楽斎の『大井戸茶碗 有楽井戸』や武将好みのソリッドなフォルムの『古瀬戸肩衝茶入 出雲肩衝』もほんとぴしっとしていて好きで。『備前筒花入 銘 八重葎』や『備前三角花入』、『備前耳付水指 銘 巌松』、『信楽一重口水指 銘 柴庵』、『伊賀耳付花入 銘 岩かど』も現代的なくしゃっとしたフォルムを堪能できました。

美濃の『瀬戸黒茶碗 銘 小原女』や『瀬戸黒茶碗 銘 小原木』も良かったし、『志野矢筈口水指 銘 古岸』もズドンとくる感じで良かった。『志野矢筈口水指』の夕景も見事で。『志野茶碗 銘 羽衣』もまた良し。『鼠志野茶碗 銘 山の端』も古代のモノクロ山林で良かったし、国宝の『志野茶碗 銘 卯花墻』もヌエバ・スタンダードの感覚。

黒というと利休ですが、織部も黒い茶碗をつくらせていて。『黒織部百合文沓茶碗』なんかよかったなぁ。そして『黄瀬戸根太香合』『志野重香合』『織部さげ髪香合』もマカロンのようなちょこんとした可愛らしさに個性が詰まっていてとても好きでした。

樂家関連では本阿弥光悦の『赤楽茶碗 銘 毘沙門堂』・『黒楽茶碗 銘 時雨』もツヤツヤで薄くて綺麗で。道入の『黒楽茶碗 銘 残雪』ものっぺりして美しかったです。

そしてここから織部の弟子、小堀遠州と松江藩主・松平不昧の茶の湯の章。
無準師範筆『山門疏』の文字のソリッドさはかなり好みで、無準師範筆『尺牘 円爾宛(板渡しの墨跡)』も端正な美学に貫かれていました。明の『古銅象耳花入 銘 キネナリ』は竹のような節があって。『青磁中蕪花入』も形が最高でグラスのようでした。『高取面取茶碗』も黒の垂れ具合がよくて。

『瀬戸茶入 銘 廣澤 本歌』も端正で細身の武家好み。どうも自分、武家好みや武将好みが好みでした。また『丹波耳付茶入 銘 生野』の四角い楕円や『紅葉呉茶碗 銘 菊月』の白朱も好きでした。『御本立鶴茶碗 銘 千歳』も優美で。

中国・景徳鎮の『古染付高砂花入』は取っ手が魚で面白く、同じく景徳鎮の『祥瑞蜜柑水指』はコバルトブルーが美しかった。ヴェトナムの『安南染付龍文花入』もリンガな感じで生命力ざわついてました。

景徳鎮の『祥瑞蜜柑香合』も青い空間が凝縮した美で、中国・漳州窯の『交趾台牛香合』のエメラルド、同じく漳州窯の『白呉州台牛香合』の白美もみごとでした。

仁清『色絵若松図茶壷』の黒に鮮やかな若松、同じく仁清『色絵鱗波文茶碗』の朱桃色に碧波の美しさ。仁清の『色絵玄猪香合』はエメラルドグリーンの銀杏の葉が紐で結ばれている面白き一品で、乾山の『錆絵染付鎗梅文香合』はエレクトロニカでした。

建窯『油滴天目』は銀の粒子に宇宙のオールーが透けていました。『瀬戸茶入 銘 潮路庵』もピシッとした円柱形で。原羊遊斎作『大菊蒔絵棗』もすっきりとした出来。

まだ茶杓はどれも違いがそこまでわからなかったのですが、松平不昧『竹茶杓 銘 柳緑花紅』はなんかいいなって想いました。

伝藤原の行成筆『古今和歌集 巻一断簡(関戸本)』はグレーブルーの紙にしたためられた逸品。『伊賀耳付花入 銘 業平』は"東五人男"に選ばれたという現代的な魅力ある花入でした。

最後の章は近代数寄者の眼。第八期は三渓園の原三渓の品々が展示してありました。慶滋保胤筆のたおやかな『書状 六月十四日』や尾形光琳筆のソリッドな『波上飛燕図』、『唐津茶碗 銘 入相』や伝本阿弥光悦の金蒔絵に青貝の螺鈿をつかって銀鹿が描かれた『沃懸地青貝金具蒔絵群鹿文笛筒』なんかが良かったです。

12世紀に中国から伝わった抹茶の文化が、珠光、紹鷗、利休、織部、遠州、不昧、そして近代の数寄者たちへ連なっていった歴史の道が展覧されていたこの茶の湯展。

その根底にあるのは、自然を究め、シンプルの内に複雑な玄妙さを見出す感性にあるのではないかと想いました。そしてミニマムとダイナミズムを抱く懐の広さも日本の美意識にはあるのだなと。見応えのある展示でした。

常設展もぱしゃりしてきました。

みみずく土偶
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香炉形土器
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石人
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銀象嵌銘大刀
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金銅製冠
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木製 蓋
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埴輪 子持家
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五塔
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経筒
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板碑(阿弥陀種子)
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線刻蔵王権現鏡像
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葵形禁制品
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赤藍地孔雀花束文様印金パティック
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田中利七 / 刺繍孔雀図屏風
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ヴィンチェンツォ・ラグーザ / 日本の婦人像
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七代錦光山宗兵衛 / 色絵金襴手双鳳文飾壺
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加納夏雄 / 群鷺図額
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竹内忠兵衛 / 七宝竹雀文大瓶
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歌川豊国(国定)/ 御誂織薩摩雛形 勝間源五兵衛
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勝川春章 / 東扇・初代中村仲蔵
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諸尊集会図
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埴輪 猿
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須恵器 子持高坏
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注口土器
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阿字曼荼羅図
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伝後京極良経 / 仮名観無量寿経切
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伝藤原公任 / 石山切 伊勢集「おほそらに」
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日蓮 / 消息
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豇豆蒔絵矢筒
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尾形光琳筆 / 風神雷神図屏風
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新井白石 / 詠詩三首
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小島宗真 / 高松賦
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振袖 萌黄縮緬地松紅葉牡丹流水孔雀模様
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山本梅逸 / 倣董源山水図
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灌頂幡
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光背
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観音菩薩立像
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観音菩薩立像
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観音菩薩立像・勢至菩薩立像
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観音菩薩立像
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摩耶夫人および天人像
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菩薩半跏像
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菩薩半跏像
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菩薩半跏像・菩薩半跏像
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銀釵
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竜首水瓶
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鵤寺倉印・法隆寺印
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銀釵
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三鈷杵
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五大明王鈴
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細字法華経
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梵網経
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経帙
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鵲尾形柄香炉
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紅牙撥鏤針筒・緑牙撥鏤針筒・緑牙撥鏤針筒・紺牙撥鏤針筒蓋
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勢至菩薩立像
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如来倚像
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観音菩薩立像
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菩薩交脚像
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如来坐像
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菩薩交脚像
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彩文土器 水差
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彩陶双口壺
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三彩鎮墓獣
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黒釉兎毫斑碗
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玳玻釉碗
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寒梅鶴図軸
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皇甫誕碑
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雁塔聖教序
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山水人物堆朱桃形合子
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瑪瑙石榴
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緑釉博山炉
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細環式耳飾
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鳥翼形冠飾
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透彫冠帽
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毘盧遮那仏立像
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獅子
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宝冠如来及び両脇侍坐像
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ナーガ形飾り金具, 飾り金具
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ヴィシュヌとガルダ像
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藍地花格子結び文様更紗
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アウラングゼーブ立像
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ジャハーンギール立像
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タオ族の甲冑
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by wavesll | 2017-06-03 10:51 | 展覧会 | Trackback | Comments(0)

モノの情報密度 柳本浩市展「アーキヴィスト - 柳本さんが残してくれたもの」@自由が丘six factory

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柳本浩市展「アーキヴィスト - 柳本さんが残してくれたもの」を視に自由が丘six factoryへ行きました。

一桁代にして音楽の自由研究を出し、11歳でジーンズのコレクションが二万本を超える等、早熟のコレクションの達人だった柳本さん。彼の夥しいモノの貯蔵とキュレート。e=mc^2で情報が光ならば、モノは極大な情報体ではないだろうか、梅棹忠夫『知的生産の技術』外山滋比古『思考の整理学』を読んだ直後でもありそんなことを想わされました。

トリヴィアルなモノの収集は、本当に憧れる畢生のシゴトだと感じました。究極の道楽が公共性を持つ、そんな世界をモノの集積に浸った時間でした。

six factoryは自由が丘駅からそこそこ歩いた学校の向かいの倉庫。夥しいファイル展示があるので時間かけようと思えばいくらでもみれそう。日曜まで。
by wavesll | 2017-06-02 22:53 | 展覧会 | Trackback | Comments(0)

坂本龍一 設置音楽展 ryuichi sakamoto async @ワタリウム美術館

坂本龍一 設置音楽展 ryuichi sakamoto async - ワタリウム美術館へ行ってきました。

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坂本教授自身が「あまりに好きすぎて、 誰にも聴かせたくない」という8年ぶりとなるニューアルバム『async』。本展の目玉はこれを5.1ch サラウンドで坂本龍一が最も信頼するムジークエレクトロニクガイサイン製スピーカーにて再生するインスタレーション空間。

『async』5.1chはムジークの音の良さもあり魅力全開。特に弦の打音が凄い「async」とトライアングルが天空的な音を響かせる「tri」が素晴らしく、自然採音モノでは木立を踏みしめる曲と雨音に三味線の曲も良くて、音響空間に浸れました。

実は『async』はSpotifyで聴いたとき1曲目のピアノがイマイチに感じて聴き込んでなかったのですが、信頼のおける耳の人が複数薦めていたし、今日が最終日と知ってこのアルバムの真価を味わっておきたくて。この音響で聴くと幽玄な迫力に一曲目にも魅了されました。

「andata」も例えば内部奏法にしたりチェンバロを使っていたらもっと惹きのある面白味があったのかもしれませんがそこをシンプルにしたことでスルメと成るディレクションなのでしょう。

そして音響/音質も真に音楽にとって本質的なものなのだと改めて感じ入りました。

今回は5.1chでしたが、あいちトリエンナーレでのChris Watsonの20chフィールドレコーディング作品東京藝大音環 卒展・修了展 2016での蓮尾美沙希さんによる22.2ch録音作品『My Kingdom』を聴いた際もサラウンド音響は録音作品にコト消費としての魅力をもたらすなと想って。

ビートルズの時代のイノベーションが再び起きたかのように、ライヴを越えた録音でしかあり得ない音響体験を創れるサラウンド音響作品は映画館でいう3D、4DXのような付加価値に近いものがあって。

その内ジャズ喫茶や名曲喫茶ライオン特殊音楽バーSciviasのような感じでサラウンド・バーが開かれたり、美術館の展示スペースに常設のサラウンド音響空間が出来るかも。その生業、自分も一枚噛みたいw

こうした試みに未来の萌芽を感じて。とても良い気分で神宮前の空の下帰路に着きました。
by wavesll | 2017-05-29 05:01 | Sound Gem | Trackback | Comments(0)