tUnE-yArDs Live @WWWX 超自然的な電子生音の聖性・最高のDance Floorであり魂放ったライヴ空間

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tUnE-yArDs - Full Performance (Live on KEXP)


tUnE-yArDsのライヴを渋谷WWWXでみてきました!
昨年のFujirockの中継で”なんだこのバンドスゲー!”となり、ぜひ観てみたいと思っていたところにワンマンの報が入りめっちゃ楽しみにしていたのですが、その期待に大いに応えてくれる凄いライヴ・パフォーマンス!

超自然的とも言えるような電子と生演奏の鳴りのシャーマニックな聖性さはGang Gang Danceにも通じるUSインディーの素晴らしい流儀ですね。この興奮はneutralnation以来かも。

ウクレレと電子ドラムとシンセとサンプラー?足元の機材もめっちゃみたかった!ベースとドラムの方々も素晴らしくて夢幻空間が広がってました。中盤過ぎまでMCなしのノンストップでの演奏も凄くアゲられて。序盤で縦横無尽に水泡が弾けるような音が駆けた時はもう”これこそ最高のクラブフロアだぜ”なんて思いました。後半では「アリガトウー」と言ってくれていました。そして歌唱がまた魂放ってて!ENでのドラムの炸裂連打もあがったなぁ、なんとWアンコールも!

これはホントいいものみたなぁ。まさにツボを突かれる素晴らしい夜になりました。ありがとうメリル★そしてこんなバンドに出逢わせてくれたFujirock中継に感謝!また今年もやって欲しい◎

Setlist

1. GANGSTA
2. COLONIZER
3. HOME
4. HANDS
5. ABC123
6. WATER / REAL THING
7. COAST TO COAST
8. POWA
9. HONESTRY
10. BIZNESS
11. HEART ATTACK

EN
12. ES_SO
13. YYY

EN2
14. FREE?

# by wavesll | 2019-02-22 05:54 | Sound Gem | Comments(0)

顔真卿ー王羲之を超えた名筆展@東博 書の初心者にとっての名筆世界への接続・眼を開く

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東博にて特別展「顔真卿ー王義之を超えた名筆ー」をみてきました。
今まで石川九楊展などの例外もありながら、書のみのがっつりとした展示というのは自分にとっては新領域の世界で。東博の国宝展で仏画に目覚めたように、あるいは京博の京のかたな展で刀剣に目覚めたような体験ができたらいいなと思って赴いたのでした。

展覧会を見終わり、正直まだ個々の具体的な違いを述べるレベルではないけれど、書の面白さには眼が開かれたと感じました。春節が終わっても中国人客が全体の1/2くらいで会場は物凄い混んでいて≪祭姪文稿≫は70分待ちでみれるのは一瞬でした。ただでさえ書の展示はみるのが遅々として進まず時間がかかるのですが、中国の人は漢文を読める分さらに鑑賞列が進まず、これから行かれる方は朝一一択かも。

展覧会場に入るとまず甲骨文から楷書への書の遷移の部。≪説文木部残巻≫は唐時代につくられた最古の字典で篆書を解説。殷時代の≪甲骨文≫は亀の腹甲や牛の肩胛骨からつくられるそう。そこから霊妙な篆書が続きます。篆書だけの展覧会とかも会場規模によっては縄文展のような感覚で成功できるかもなんて思いました。重りに描かれた≪銅権≫なんてのも。

そして早くも王羲之の登場。≪楽毅論ー越州石氏本ー≫や≪定武蘭亭所ー犬養本ー≫。最初王羲之の書の魅力や凄味がすぐにわからず”なんか鋭さの欠けた感じがするなぁ”なんて思ったのですが、書道の旅を一旦終え二周目にこの端正な流麗さが目に見えて、王羲之のオリジナリティを強く感じることができました。

そしてそこから虞世南≪孔子廟堂碑≫のようにするっとした筆、そして楷書の最高傑作ともいわれる欧陽詢≪九成宮醴泉銘≫のより躰を纏った字体に心くすぐられて。『とめはね!』にも出ましたよね。「以」の字なんかほんといいカタチしてる。

数は少ないですが絵画も展示されていて。仇英款≪九成宮図巻≫の日本にない山景の緑に玄宗と楊貴妃の別荘を描いた郭忠恕款≪明皇避暑宮図≫の建築画も素晴らしかったです。

そして褚遂良。彼の書はPCのフォントを見なれてる私にも素直に響く現代性を感じて。≪雁塔聖教序≫が素晴らしく、この「之」とかまじでカッコよくて。そして王義之と褚遂良の≪黄絹本蘭亭序≫なんかも凄いWネーム。さらに乾隆帝の跋と印まであってトリプルネームでした。

そこから髪の毛レベルに細かく再現した王羲之の≪妹至帖≫と≪大報帖≫の流れるように麗しい筆致の再現。そして息子の王献之≪地黄湯帖≫は軽やかなれど勇ましさも感じて。

そしてここから皇帝たちの筆が。唐太宗≪晋祠銘≫や則天武后≪昇仙太子碑≫の達筆さ。唐玄宗の書は写真撮影OKな巨大な≪紀泰山銘≫や≪石台孝経≫の美しさ。

そして宮中で記された≪大般涅槃経巻第四≫、≪妙法蓮華経巻第二≫、≪妙法蓮華経巻第三≫、≪金剛般若波羅蜜経残巻 ≫は美文字の極致。国が圀で表示される則天文字が使われる≪大方広仏華厳経巻第八≫に、これまた美麗な≪世説新書巻第六残巻 ─豪爽 ─ ≫に『詩経』が画かれた≪毛詩並毛詩正義大雅残巻≫は天上的な綺麗さ。

欧陽通≪道因法師碑≫も良かった◎石への書の彫りは内容を考える人と書を書く人、そして彫るヒトと浮世絵のような構造がありますね。

そしてここから愈々真打、顔真卿。彼の生みだした顔法という書法は最初の≪王琳墓誌≫からして、王羲之のクールな書と比べて熱血の血潮があって。本展をみながら”プロフェッショナル仕事の流儀でみた書体デザイナーの藤田氏がこの展示みてたらフォントハンティングしまくりだろうなー”と想っていたら明朝体は顔真卿の書からつくられたそう。今ならばディープラーニングで名筆から新フォントをつくったりもできそうですよね。

そして≪祭姪文稿≫。若くして戦で死んだ顔季明を祭る文は、あれほどの書の達人の文字が千々に乱れ、書き直され、繰り返される「嗚呼悲哉」の最後にある2度目は慟哭の後のかすれきった息のようでした。急かされ流されて「嗚呼悲哉」を確認するので精いっぱいで、乾隆帝の冒頭の文や詩、その他の跋もきちんとみたかった。

待ち時間の間にみれる映像では筆の運びが写されていて。石川九楊展で「書は文字をみるのではなくそれを描く人の筆運びや身体をみるのだ」と聴き、アニメ的・そして立体的に想像することで脳を駆動するのは音楽を聴いて演奏を思念の中に立ち上げるのに近いのかも、なんて考えて。

そして顔真卿の”三稿”といわれる残りの≪祭伯文稿≫と≪争坐位稿≫も展示され、特に≪祭伯文稿≫は壮麗で流れるような美がありました。

乾隆帝の冒頭の文もやはり美しい顔真卿≪自書告身帖≫に、楷書の傑作≪裴将軍詩≫も素晴らしかったなぁ。

そしてある意味顔真卿以上の衝撃があったのが懐素≪自叙帖≫の穏やかから狂草にエクスプロージョンする勢いの凄さ。張旭≪肚痛帖≫も良かった。

そして次の間は日本における唐時代の書の受容で、三筆などが展示されて。

欧陽詢に影響を受けた≪金剛場陀羅尼経巻第一≫に伝聖武天皇≪賢愚経残巻≫、そして王羲之を内に秘め炸裂させる空海≪崔子玉座右銘≫にしゃらりとした伝嵯峨天皇≪李嶠雑詠断簡≫に伝橘逸勢≪伊都内親王願文≫、如泥人といわれた藤原佐理の≪詩懐紙≫と≪国申文帖≫、伝藤原行成≪臨王義之尺牘≫と日本の書も充実していました。

現代書道をみたとき、”グルーヴとリズムと音圧でHIPHOPのようだ”それも洋楽的だと感じたのですが、今回中国書と日本の書が展示されることで自分の中での書のイメージがさらにHIPHOPになりました。”黒さ”なんかも相似と言うか、本場を如何に会得しそしてオリジナリティを出すか。本場のノリが時を経て移り変わるとこも似てたり、女性が仮名文字を使った様に自由な空気は先端で共鳴したりするなぁと。

そして宋代の書。黄庭堅≪草書李太白憶旧遊詩巻≫の自由闊達さ。そして米芾≪行書虹県詩巻≫は焼町土器のような魅力が突き抜けていました。

そして最後の間、狂草を筆動する董其昌≪行草書羅漢賛等書巻≫に加え董其昌≪臨懐素自叙帖巻≫はさらに懐素をリスペクトしていました。王鐸≪臨顔真卿帖軸≫はこの時代にも顔真卿が息づいていたのを感じ、傅山≪草書五言律詩軸≫はジョージア文字の様。そして顔真卿の書法を過去のものにしたという趙之謙の≪行書五言聯≫などの作品で展覧会は〆られました。

そして二周目、最後にもう一度見た≪祭姪文稿≫、やっぱりみれたのは一瞬で「嗚呼悲哉」をみるので精一杯でしたが、その劇文の鼓動に触れて、”亡くす”というのはその人の、そしてその人との未来の可能性を喪失することなのだろうなと想いました。そして、本当に悲しい気持ちはぽっかり空いた喪失からじわじわと、でも急激に味わうもの、表出するものなのかもしれないと感じた書体験でした。

# by wavesll | 2019-02-21 02:16 | 展覧会 | Comments(0)

下四川~中国民歌、源流への入り口

【民歌中国 HQ】下四川 / 回族民歌


たまたまみたNHKBSPのチベット鉄道開通前の陸路でのチベット旅の中で聴いた「青海民歌」というものの響きが本当に素晴らしくて。番組の中ではアカペラで口ずさむ形でとても良かったので、それに近いテイストの中国民歌の動画を探して上の物をみつけました。

こぶしの回し方や節の自由闊達さ、ヤン・リーピンのシャングリラにも感動させられましたが今回の歌は寧ろ日本民謡の源流を感じると言うか俚謡山脈民謡クルセイダーズを経過した耳に大陸に繰り出すさらなる冒険として鳴り響いたと言うか。いいコンピレーションとかあるものなのかなぁ。でも逆に掘り甲斐があるか。

ワールドワイドな民謡世界でいうと、Soi48がDigりつづけているモーラムやルークトゥンなどのタイ音楽の世界もあるし、イルマ・オスノが体現するアンデス・アヤクーチョの響きも。この種の音の波動にはなんか自分の體の奥から魂が揺らされる気がして。自分自身もこれから時をかけながら音楽の冒険を続けたい、そんな気にさせられる鳴響となりました。

この頁では気に入った中国民歌を発見したらその都度追加していけたらと思います。



# by wavesll | 2019-02-20 00:18 | Sound Gem | Comments(0)

マニアフェスタに行ってきた!

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タカアシガニをディジュリドゥにしてるという驚異の謎映像をTwitterで見掛けて”こりゃ面白そうだぞ”と3331で開かれているマニアフェスタに日曜日に行ってきました。

タカアシガニディジュリドゥは土曜日のオープニングアクトでやっていなかったのですが、コミケの評論島オンリーみたいな最高にピンポイントな即売会でかなり楽しめました。

仏像ピクトの人が小物を売って居たり、電気風呂レヴューでは都内の電気風呂が入り方とともに網羅的に紹介、シャッターオンリーの写真集はグルスキーのようだし碁盤でミッシェルガンエレファントといい歩行者の標識のサコッシュといいバリかっこええ。花札マニアさんのブースでは千と千尋の神隠し花札もみれたりテトラポットぬいぐるみは乾いたバージョンと濡れバージョンも。タモリ倶楽部にもでたというマンボウマニアの方や、鉄道マニアの人には切符を切る鋏でチケット切ってもらったりwゴムホースマニアの人のクリアファイルも良かったなぁ。etcetc超楽しめました。

お話を聞かせていただいたケバブマニアの方の話だと、秋葉原のスターケバブはソース無しでも美味いというトルコ本式の味でレベル高いらしい。確かにトルコ旅行で食べた🥙にはソースかかってなかった。今度アキバに行った時喰ってみたい。

また食べ物系だとケバブマニアの隣のブースのみはしのあんみつマニアの方との話も面白くて。店舗ごとの限定トッピングやメニューに載ってない裏トッピングなど奥が深い。今度パルコヤとかで食べてみようかな、みはしのあんみつ。

マニアフェスタで購入したのがミクロネシア連邦の日本人だけが泊まれる小さな島ジープ島への旅行記と、東京で食べれるサイババの教やユダヤ教などの宗教飯ZINE。ジープ島で海に潜ると零戦が沈んでいるのだとか◎また著者さんは他にも数々の離島に行かれている方で、 南大東はそこまで飛行機で行っても北大東との連絡船でクレーンによる上陸の醍醐味を味わえるという特ダネも得られて。宗教飯の方は数々の秘密結社にも入って飯取材をされてられる方で、ZINEにはインドにあるシーク教やジャイナ教の聖地、アムリトサルのゴールデンテンプルやシャトルンジャヤ山、ギルナール山、ソムナート、ラナクプルなども書いてあってかなり良かったです。

こういうイヴェントに参加すると自分でもZINEが作りたくなりますね◎鴎庵の記事を編んでさらに深堀して面白いやつとかつくって私もZINEデヴュー目指そうかな◎

# by wavesll | 2019-02-19 01:45 | 小ネタ | Comments(0)

PhotoLog of 旧博物館動物公園駅「アナウサギを追いかけて」

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過日、期間限定で公開されている旧博物館動物公園駅へいってきました。
この駅は2004年まで実際に使われていて、今回その構内を使ってのArt展示でリファインしての2/24までの金・土・日での公開となっています。

Twitterで整理券の並びの情報を得て10時に整理券配布のところを9時過ぎには到着したのですが、もう午後の券に成ってしまって。みんなみたいんだなぁ。

駅構内は思ったよりもこじんまりとした空間での公開。石造りな感じがいい雰囲気で、中では動物の骨格標本の展示が。何気にそれぞれの動物にあわせたフンまでつくられていて藝が細かいwパンダのファンファンの頭部の骨は本物だそうです。

落書きがそのまま残されていたり、東京芸大が関わっているだけあって日本では軽視されがちな近代建築の保存・活用のモデルケースとなりそう。今でも京成の列車はこの駅を通過しているらしく、走行音が聞こえたりとなかなか愉しい体験となりました。

# by wavesll | 2019-02-18 03:40 | 展覧会 | Comments(0)

Francesco Tristano live in VENT

Francesco Tristano Schlimé  "Strings Of Life" original by Derrick May


ルクセンブルク出身の気鋭の音楽家であるフランチェスコ・トリスターノを知ったのはいつかの夜半にWeb Streamingでみたこのオーケストラとのライヴでした。ジュリアード大学院での経験を積みながら、デトロイトテクノと交錯しクラシックと電子音楽の垣根を超える彼のライヴがみれると聴き、表参道VENTへ足を運びました。

感想は、ちょっとクラシック的な深みを求めすぎてしまったかな…。もっと高次元へ連れて行ってくれるかと期待していたのだけれども…。始まりの獣の鳴き声のようなノイズからの東欧の器楽のようなクラブMIXに重低音は”みたことない世界をみせてくれるかも”と期待させられ、この流れのまま行って欲しかったけれどありがちなビートになり中盤だれたところがあって。

ただそこからキーボードを弾き持ち直し最後はビートを効かせた『戦場のメリークリスマス』Club verで盛り上がって〆。坂本龍一氏ともコラボしたことがあるそうです。

やっぱり鍵盤を弾き始めると物凄い高揚させられるので、次はぜひグランドピアノありな際々の演奏を期待したい!

# by wavesll | 2019-02-17 01:46 | Sound Gem | Comments(0)

ETV特集 こころの時代 ECD 「個」を貫いた生きかた

ECD−マス対コア


MASS対CORE (LIVE AT TOWER RECORDS)ECD,YTR


逝去してこの1月で1年が経ったECD。彼の思想を取り上げたETV特集をみました。

『夫婦の前に、家族である前に、人は「個」である。』

ECDの「個」の信念はさんぴんキャンプを取りまとめ、日本語ラップが世間に認知され人気が出たまさにその時にラップシーンから離れたところに最も鮮やかに生まれます。

『まともな世界の仲間入りは耐え難いものだった。』

彼の「個」のルーツは中野での幼少時代に。6畳一間に4人。そこは元は車庫で、まるで路上。「おやすみなさい」も「ありがとう」も「ごめんなさい」も口に出さない家族。4人の自他が未分化で、蛙の卵のように繋がりお互いを個と看做さない環境で石田少年は過ごしました。

ECDはこの家庭環境の原因を戦争にみています。育ち盛りにろくにモノを食べれず、夢や理想と無縁で飢えへの恐怖を生きる原動力とする父親。母親の「人に迷惑をかけるな」は戦時教育からだと。両親は子ども時代の戦争体験から自分を個として尊重できない被害者だと。

そんな少年時代最大の出来事はデヴィッド・ボウイとの出会い。TVでボウイの番組がやっていたときに父が「何だこのバケモノ」と言った時、父に「ざまぁみろ」と言ってやりたかったそう。分かり合えないものが生まれたのが嬉しかった。断絶こそ欲しかった。

そこから彼は自分の個を探して。高校中退し家出。劇団では芽が出なかったが23才のときヒップホップ映画『ワイルド・スタイル』をみてこの”恐ろしく原始的な音楽”、まだ日本では知られていなかったラップで個を表現して。

そしてラップ音楽から決別。第一人者が独り道を違え、さらなる個をあらわす変化へ。アルバム『MELTING POT』はそれまでのメッセージ性の高い歌詞とは異なる歌詞が聴き取れないポエトリーリーディングな盤。

彼は「レコード会社が求めること、人の期待に応え、シーンを盛り上げるためにポップにやること」に違和感を持って周りから期待される音楽と表現したいものが違っていたことに悩んで。売り上げは落ち契約は解除、そこからECDは激情の裏方の仕事をしながら自主制作を続けます。

上手くいかない中、酒を飲み続けアルコール依存症に。

『死は遠ざけることは出来ないが引き寄せることはできる』

『結婚して家庭を持ち子供をつくることを平穏で安易な選択だと馬鹿にしていた。子どもと言う存在を許せなかった』

「個」を表現するには普通の幸せはいらないと考えていた。

或る日、病を持った猫に懐かれ。家に持ち帰ると子猫を産んで。死産も。『生命そのものに対する恐怖は自分に対する底知れない不信の種になった』。

その後妻となり亡くなるまで十年間を過ごす植本一子さんは「猫がいたから何とか生活を保てた。飼い猫が死んだときくらいしか凄い泣いてない」と話します。

日々を綴ったアル中日記には『やりきれないことばっかりだからレコードレコードレコードレコード』。世間に認められず破滅的な状況の中で個の表現を模索していた。

アルコール依存症から復帰し、劇場の仕事で生計を立てながら、かつての社会を斬るラップから自分の身の回りなどありのままを素直に歌うラップをしながたECDは自主製作を続けます。

そして猛アタックを受け、48才の時に24才下の一子さんと結婚。娘も授かります。

家族の繋がりに疑問を持ち個を追求したECD、家庭を持つことに矛盾はなかったのか。
映像作品『頑張れECD』には家族を持っても個を貫いたECDがいました。がん入院から自宅に帰り、一子さんの反対を押し切りラップを録音、大声を上げたためレコーディングが完成した時には体は限界、再び病院へ。

自分が自分であるために必要なことはラップでお金をもらう事。体を大事にすることを蔑ろにしても『君(=音楽)といられて幸せ』と歌います。

著書『他人の始まり因果の終わり』にて『どこまで行っても人は個である、一人である。誰もが地球に落ちてきた頼りない存在である』と。

個と言うかリアリストであり、徹底してリアルを歌うと「人間って一人だよね」と。同時に相手の個性も尊重、長屋的に忖度なしに手を貸すことも。

『父親と言う役割から離れた無力な肉塊として理解を求めたい。(~)他人の始まりなのかもしれない。偽善の快楽と安らぎをもたらしてくれる「一家団欒」は死後の世界にすら存在しない。それを自由と想いたい』とECDは語る。

彼との日々を振り返って一子さんは「個として生きて個として死ぬ。「他人」という表現は優しさ。許してくれていた。人に期待することなく自立していて、期待されたことは何もなかった」と語っていました。

ヒトはオランウータンと異なり社会性の中で生きる動物、特に近年はSNSなどで「共感」を求め承認欲求を肥大させる人間は私を含め多くいます。そんな中でECDのアティテュードは、その原因に機能不全家族があったとしても、清冽で余計な贅肉をそぎ落としてくれます。

つるむことは安定を産むけれど、自由を失う。実業としては需要は難しくなるけれど、本当に「個」としての表現を追求することの真摯さ。また変に相手に期待するから裏切られたなんて憎悪に駆られたりする。「他人」という意識が甘えから抜けることに繋がる。人に好かれること・ウケることに依存しない本質的な独立自尊が今の時代に鮮烈な風を吹き込んでくれる。他者に阿らず、期待せず、しかしだからこその優しさがあるハードボイルドなアティチュードに感銘を受けた視聴となりました。

# by wavesll | 2019-02-15 00:22 | 私信 | Comments(0)

食品まつり a.k.a foodman個展 ARU OTOKO NO TENJI @渋谷UPLINK

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2018年の食品まつりさんの傑作『ARU OTOKO NO DENSETSU』の 展示が名古屋だけでなく東京でも開かれていると聴き、渋谷UPLINKへ馳せ参じました。

本展の目玉ともいえるキャンパスノートに描かれた全9ページのマンガ『TOARU OTOKO NO DENSETSU』。これがめっちゃ面白くて。未完なと衣生成りって感じで寧ろ良かった。不可思議だけどもきちんと読ませる漫画となってました。

そしてSpotifyで改めて聴く『ARU OTOKO NO DENSETSU』。これ、音の仕掛けがばっちり決まりながら、シンプルな強さを持った遊び心とソリッドさが双立した良き作品だなぁと。私自身も年間ベストには載せてなかったけど、2018年の裏名盤と言うよりばりばり表名盤だなぁと改めて思いました。

展覧会は18日まで。入場フリー。是非『ARU OTOKO NO DENSETSU』の世界を生で御体験ください。

# by wavesll | 2019-02-14 00:45 | 展覧会 | Comments(0)

『DAOKO×SHINKAI BABA 気づき EXHIBITION「Enlightening my world」』@KATA

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『DAOKO×SHINKAI BABA 気づき EXHIBITION「Enlightening my world」』をLiquidroomのKATAでみきました。画と写真。

みながら作品群に女の子の本質な印象を受けるというか、個人的には情念の湿度と野性・神秘に女性性を強く感ぜるところがありました。特に砂絵のような写真などが印象に残りました。

10日にはアコースティックミニライヴもあったそうで。瞬殺でチケットがはけたとか。みたかったなぁ。ギター弾き語りとかまた新たな展開が音楽的に伸びやかになったそう、これからの彼女の表現も着目していきたいです。

# by wavesll | 2019-02-13 01:00 | 展覧会 | Comments(0)

【tofubeats × 西野七瀬】ふめつのこころ−天野アイver. 電子とNEWTOWNのラヴソング

【tofubeats × 西野七瀬】ふめつのこころ−天野アイver. 【歌詞付きFull ver.】


こうしてBlogを描いているのは私自身が”こういう記事があればいいな”と想って野帖のように認めている故で、けれど技量や時間が足りなくて満足のいくものが描けないこともしばしば。ついつい完成度より弾数を優先してしまったりするので、他の方々が私の狙いの線で私より遥かに美味い文章を書いているのを読むと感心と共に何とも言えない気持ちになります。

私自身のアイディアは稀有なわけではなく、やらない内に他の誰かが実現してしまうことが多くて。例えば以前から『大和絵を街中視点で金色の空を見上げるのを現代の都市風景で描いたら面白そう』なんて思っていたのですが、先日切り絵作家の方が丁度イメージに近いのを上げていて。

音楽レヴューに関しても”プロ的に楽理分析するより自分語り上等で青臭いレヴュー最近読めてないな、よし俺が書くか”と想っていたらrockin' onが音楽文という読者投稿プラットフォームを立ち上げていて。極めてロキノン的な本質的な企画だし、うわーやられてたか。。と。

そんな中、音楽コラムを読んでいる中でみつけた好レヴューがこのdaizu (35歳) ゴールなき時代の「こころ」の行方 tofubeats 『RUN』に寄せてという文章。

閉塞感と未来への挑戦をニュータウンの人々に関連させての解き明かしは個人的には響きました。神聖かまってちゃんが団地文化から生まれたとしたら、同じくネットネイティヴのtofubeatsはニュータウン文化にあったのか。そして彼らが生まれおちて育った平成の時代も終わるのか、と。

さて、それでSpotifyで『RUN』を聴きつつ、”そういえば「ふめつのこころ」が主題歌だったドラマ『電影少女』でヒロインを演じた西野七瀬が歌ったヴァージョンあったな”と。正式リリースはされてないのですがYoutubeでFull編集verを聴いていたのでした。

そしてこれがとても良かった。劇伴として書かれた楽曲だから歌詞が直結しているし、[Tofubeats] 水星 feat,仮谷せいら (Young & Fresh mix)にも匹敵する様なうってつけを魅せた歌となっていました。

今CDが売れず、90年代を伝聞で聴く平成生まれ世代にはどうしても”時代が…”と思わざるを得ないだろうなとも、同時にデジタルネイティヴなボーダーレス化には旧時代にはない夢もあるような、そんな幻霧を昭和生まれ平成育ちの84年世代としては想像します。

その上で、ニュータウンという旧新文化での手作りのリファインにtofu君が感銘を受けるように、パラダイムを維新しながら、”やられた…”なんて言わないようにアーバンブルースへの貢献をやることやらなきゃなぁと。そこにあるのはLOVEの意思なのかもなぁ、大人だって大人としてのふめつのこころはあるものだろう。そんな想いに駈られる聴験となりました。

cf.

追記
このインタヴューでtofuさんは『ニュータウンの社会史』の他『中動態の世界』等を今回のアルバム制作に関してインスピレーションを受けたといっていて。電子音楽って音そのものへの嗜好性が強いかと思っていたので意外で興味深かったです。

しいて言えば思想面と同じ強度で音づくり・トラック作りの話も聴けたらとも想ったのですが、そこはブラックボックスにしていた方が神秘性が高まる…?は置いておいても、言語というものが意味と音が不可分であり、素晴らしい楽曲はその言葉の最も美しい音像、一種のイデア・真言を捉えているとも言え、こうしてアルバムに込めたメッセージを知れたのは嬉しかったです。

またSpotifyやApple Musicにより音楽業界が海外では再び成長しているというのも興味深かった。先般日本ではDL違法化の案が通り時代に逆行する警察国家の強化が行われつつありますが、音楽と言うのは社会に一歩先の未来をみせる存在であると信じているし、その視座は今でも有効なのだと少し嬉しくなりました。

# by wavesll | 2019-02-12 22:15 | Sound Gem | Comments(0)