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携帯電話の将来-ポストバブルの方向性-part2

2 現状分析Ⅱ:海外の携帯電話事情

2.1 世界の携帯電話方式別加入者比率

・「1G(アナログ)1.1%」 アナログ1,650万1.1%
・「2G(デジタル)92.7% 」GSM10億4,680万(71.7%)/ cdmaOne1億1,580万(7.9%)/TDMA1億1,120万(7.6%)/PDC6,140万(4.2%)/cdma20008,620万(5.9%)
・「3G(デジタル)6.2%」UMTS W-CDMA430万(0.29%)
・「その他デジタル1.3%」PHS、iDEN等 1,850万(1.3%)
※2004年3月末加入者数割合(総加入数:14億6,070万

 このように、海外では2G、特にGSM方式が主流です。米国や欧州の一部のキャリアが3Gを本格的に開始していますが、まだ主流ではありません。アジアでも日本に先駆けて3G方式を導入した韓国以外はほとんど2Gです。今後も、当分は世界的な主流は2Gのままになるでしょう。

2.2 欧州の携帯電話事情
 世界最大の携帯電話メーカーであるフィンランドのNokiaと、世界最大のキャリアである英国のvodafoneがある欧州は世界の携帯電話事業のトレンドの発信地です。
 基本的には海外ではインセンティブ制はないため、メーカー主導で端末開発が行われています。ただ、vodafoneは事業規模が格段に大きいので、独自モデルをメーカーに作らせたりもしています。
 主な使い方は通話とメールです。iモードのようなサービスや、メガピクセルカメラを搭載した機種も出ていますが、前述したようにインセンティブが無い海外では端末の価格が高く、十万弱ぐらいかかってしまうので多くの人はローエンドモデルやプリペイド端末を使っています。
 またGSMモデルにはSIMカードというものが使われていて、これを抜き差しすることで簡単に端末を使い分けることができます。
 スマートフォンや、ブルートゥースヘッドセットが広く普及しており、ビジネスマンなどはよく会議場でフリーハンドで会話したり、携帯電話でワードやエクセルファイルを扱っていたりしています。またNokiaはセガ製のN-Gageという携帯電話としても使えるゲーム機を発売し、任天堂やソニーに挑戦しています。

2.3 米国の携帯電話事情
 世界で第二位の市場規模を誇り、基本的には欧州と似たスタイルです。スマートフォンはPalmOneのTreo650やRIMのBlackBerry 7100等が人気です。基本的にGSM携帯は世界のどこに行っても(日本と韓国以外なら)その国のキャリアと契約すれば使えるのでユーザーにも便利だし、メーカーにとってはスケールメリットがあります。また夜間や週末は電話がかけ放題の料金プランがあったり、家の電話の子機としても使える端末があったりします。

2.4 中国の携帯電話事情
 断トツで世界第一位の市場規模。ほとんどGSM携帯です。また家電の子機の拡大版としてPHSが小霊通(シャオリントン)という名称でサービス提供されています。特に台湾と香港は携帯の普及率も高く、スタイルも他の地域とは異なります。中古市場も活発な一方、ハイエンドモデルや宝石が端末に埋め込まれた高級機種も売れています。

2.5 韓国の携帯電話事情
 韓国はGSM圏外で、携帯電話先進国として日本との共通点も多いけれども、韓国にはインセンティブ制はありません。そのためSumsongやLGがかなり実験的な端末も出しています。モバイルコマースも盛んで、キャリアと銀行が提携し、囲い込みに励んでいます。また携帯電話で音楽を聞くスタイルも浸透していてハードディスク搭載モデルや、一定料金を支払うと一ヶ月mp3音源が取り放題といったサービスも提供されています。

2.6 海外のナンバーポータビリティー事情
 多くの国が導入しているけれども、ユーザーが使う頻度は国によってまちまちです。これにはキャリアの姿勢もかなり影響しています。例えば韓国では1~2時間で手続きが完了しますが、国によっては一ヶ月以上手続きに時間を取られるところもあります。また無料で出来るところやかなり高額の料金を取られる国もあります。

2.7 ARPU(ユーザー毎収益平均)比較
 月当たりのARPUを比べると日本はかなり上位です。しかし、多くの国ではプリペイドがかなり普及していることを考慮に入れる必要があります。ポストペイドの中では日本はむしろ優良国ともいえます。またGSM圏ではサービスにあった機能を持った端末の開発が難しいため、日本や韓国のように携帯でゲームをダウンロードして遊ぶようなサービスはあまり普及していません。日本のARPUが高いのはユーザーがそれだけ使っているからでしょう。

2.8 メーカー
 GMS携帯電話は全世界のメーカーが出しています。その中でシェア一位はNokia(フィンランド)です。その下にMotorola(米国)やSiemens(米国)などが続きます。日本のメーカーも海外では国内とは別のモデルを出しています。欧州では3G携帯としてNEC(日本)やLG(韓国)の機種が人気です。

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参考:海外の携帯電話市場の動向(PDFファイル)
海外の携帯電話市場の動向2
IT用語辞典

part1 はじめに 今までの日本の携帯電話事業
by wavesll | 2004-12-19 17:59 | 小噺 | Comments(4)
Commented by 1008 at 2004-12-19 20:28 x
あんまり携帯はくわしくないが日本より融通きく国は多いなぁ
やっぱ競争なくして発展はないなー
Commented by wavesll at 2004-12-19 21:09
そうですね。ただ日本の場合、インセンティブがあるので一概に高いとはいえません。一つのキャリアだけインセを止めると、そのキャリアの端末だけ他のものと比べ3、4万高くなるので、ユーザーに買われなくなってしまうおそれがあるため続けざるを得ないという事情もあります。日本の携帯は自由度は低く縛りが強いですが、大変使いやすく、そんなに詳しくなくても使いこなせるくらいに上手く作られていますよ。
Commented by 880 at 2004-12-19 23:20 x
孫の参入で通話料金に革命起こして欲しいなあ。月5000円で30時間通話とか。できなくもないんじゃない?そしたら携帯以外にCDとか本とか他のものにお金つかえるんだけどねえ。
Commented by wavesll at 2004-12-20 05:10
今はもうソフトバンクにプライスリーダーとなる力は無いと思うよ。無線は基地局の整備にもかなり金が要るしね。孫には価格破壊してもらいたいけど、情報セキュリティが低すぎるから俺はたぶん使わないな。
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