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彼我のこと -傘がない Strobolights LIZARDを聞きながらRIGHTについてしゃべってみた結果-

彼我のこと -傘がない Strobolights LIZARDを聞きながらRIGHTについてしゃべってみた結果-_c0002171_20145595.jpg「自分探し」をしようとする若者がいるそうです。
ある人、というか小林よしのりは「<本当の自分>なんてない。全てが自分なのだから」と哂っていましたが、僕は自分探しをする人の気持ちが少しわかるかなと思います。
と、いうのもある諸事情により、昨年、精神的に参ってしまい、迷い、それこそ自分探しの旅をするはめになってしまったからです。

その過程で、このサイトを立ち上げたり、色々して、いまは何とか立ち直ったかなと思えるようになりましたが、なかなかに辛さを感じながら過ごした日々でした。

その原因は、一言で言えば理想と現実のギャップから安定を失ったということ、もっと簡単に言えば、見栄を張り、嘘をつきながら過ごしていたのですが、どうにもこれ以上見栄も嘘もやり通せないところまできてしまったということです。その結果、崖から(周りから見たら勝手に)転落してしまいました。

僕は「自分」を一時的に見失ってしまったのですが、果たしてその「自分」はどこにあった自分だったのでしょうか。

「馬鹿いうなよ。「自分」はいつだって自分、自分が持っているものだろう?」とお思いになられた方もいるかと思います。ただ、あの頃、僕は自分の外に自分を見ていました。

それは、自分のイメージでした。

あだ名で表される自分 役職で表される自分 他人の記憶の中にある自分 他人の瞳に映る自分 鏡に映る自分 他人が期待する自分 自分が思い込んだ自分

それら全ては自分自身そのものではなく、過去の自分が生み出したイメージでした。しかし、恐ろしいことに、愚かにもその頃の僕は、イメージに振り回され、イメージと現実のギャップに悩まされていました。イメージを自分自身だと思っていました。自分が自分だけで存在できなくて、他者との関わりによって存在しているものだと感じていたので、他者によって自分が変わらされ、軋轢が生まれ、「自分」というものが非常に不安定になっていました。

不安定につんのめりながら、「どこかへ行けば、遠くへ行けば全てが解決する」と根拠もなく信じ、去年の夏、西に旅行しました。しかし、旅の果てにも不安定な自分がいるだけでした。

最初のギャップはほんの些細なことでも、雪玉が転がるようにみるみる膨れ上がり、もうどうすることもできずに途方にくれていました。

解決は、結局は時間がもたらしました。全てが過去になり、自分自身が「空間的ではなく時間的に」移動することで、精神的に移動することができました。

精神的にどう移動したかといえば、「自分」を自分の中に見出すことができるようになってきたと思います。「相手の中の自分」ではなく「自分の中の自分」に向き合うようになったことで、自分が相対的ではなく絶対的になり、安定をなんとか掴み取れるようになりました。

あまりに個人のID、パーソナリティー、アイデンティティ、イメージが氾濫する中で、自分自身を自分の内から見失ってしまう人もいると思います。そういう人に試してもらいたい、また、自分がまたそうなったときに試してみたいのは、果たして見失った「自分」は「自分のイメージ」ではないのか、他者の中の自分ではないのかと自問自答し、自分の中の自分を確認する作業です。

そうしてありのままの自分を見つけた後で、なりたい自分に向けて歩み始めても遅くはないと、僕は思います。
by wavesll | 2005-03-30 20:49 | 私信 | Comments(0)
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