平成二十六年の夏、私の音楽的興味はノイズへ向かっていました。
きっかけは2年前くらいからのDommuneの視聴で宇川氏のノイズ好きが伝染したという事と、フリードミューン等で初めて音を聴いた非常階段が手掛けた
BiS階段が試みとして結構気に入って、あれよあれよという内に気づけばノイズを好んでいたという所です。
そこでこの記事ではそんな俄かノイズリスナーが気に入った"広義の"ノイズミュージックを3枚紹介したいと思います。
1.shotahirama
とりあえずsoundcloudをお聴きください。いきなり真打、バリバリ現役の音楽家shotahiramaです。
私が彼を知ったのは渋谷タワレコに置いてあったスプリットシングル(リンク先後半がshotahiramaの楽曲部分)を試聴した事でした。というかその場で買いました。
一気に気に入り他の音源も揃えようとしたのですが、どうにも評価が高そうな
『post punk』が売切れてるんですよね。iTMSなら買えるのですが、どうせならwav音源で欲しく、amazonでプレミア価格払って手に入れるか思案中です。前述のスプリットシングルも300枚限定で、今現在の最新作もカセットのみで販売と、売り方も本当に今っぽいなと思います。
彼の産み出すノイズ、特にpost punkとcassiniからはきらめく美しさを感じ、単音で打ち込まれるしなやかな強度も大きな魅力になっていると感じます。新作ではドローンらしく、これはカセットプレイヤー買って売切れる前にテープ入手しなきゃ!という感じです。
2.Chris Watson - El Tren Fantasma
元キャバレーヴォルテールで今はBBCの録音技師のChris Watsonが2011年に発表したこの作品はメキシコの幽霊列車での旅をテーマに、実際にフィールドレコーディングした音素材を駆使して創った架空の旅のサウンドドキュメンタリーです。
虫の音や風音もありますが、ノイズ的な聴きどころは車輪や車体が軋む音。穏やかなアンビエントにノイズが自然に混じり、心地よい音像をつくり出しています。Youtubeを紹介していますが、つべは音が悪いので、出来ればCDで聴いて音世界に浸っていただきたい一枚です。
3.HIGH RISE - PSYCHEDELIC SPEED FREAKS
3枚目は80年代から活動する日本のサイケデリックノイジーロックバンド、HIGH RISEのアウトテイク集、『PSYCHEDELIC SPEED FREAKS '84-'85』です。これはもう聴けば一発で分かるノイズ爆音、たまらんですな。
このアルバム、Amazonにもマケフリにも入荷してない幻状態になることもしばしばなのですが、先日神保町のジャニスに置いてあるのを発見し、聞くことが出来ました。他の曲も佳曲がいくつかあるので、気になった方で東京周辺の方は是非checkしてみてください。
さて、いかがでしたでしょうか、王道というよりかは広がりを持った形でのノイズ3枚。
最後にBiS階段の後に聴いて一気に引き込まれた、ノイズの煌めきを味あわされた音楽で〆たいと思います。
Lou Reed - Metal Machine Music
ノイズミュージックの元祖、"曲間の無音部分の一瞬がまるで性交中に秘部をかきまわされているときに急に動きを止められたかのような感覚のようとはこのことか"というレヴューをどこかでみて、うーむと唸らされた100%ノイズ音楽。いやー、ノイズって本当に好いものですね。