六本木、国立新美術館で開催されているニキ・ド・サンファル展へ行ってきました。

館内には風船で造られたニキの代表作、ナナが浮かんでいました。

通勤の際にみるポスターでみたナナのイメージだけではない、ニキの人生を賭けた変遷を味わうことが出来ました。
精神を病んだことの治療の一環としてアート制作を始めたニキ。初期はアメリカ現代美術から影響を受け、ポロック風の『風景の中のピンクのヌード』、ジャスパー・ジョーンズ風の『必要とされた殉教者』等を創ります。それらにも色彩の個性がみられましたが、先ず射撃という形でパフォーマンス・アートの走りでブレイク。
ドラゴンを男性の象徴としたシリーズもよかった。『ペネロペの時間旅行』のタペストリーはオインゴ・ボインゴみたい。後年のタロットシリーズにも荒木先生との連関を感じました。『ポジティヴ・ネガティヴ・ドラゴン』も素晴らしかったです。
彼女の心の痛みが『赤い魔女』等にありますが、『《バラの出産》のためのドローイング』からネガポジ反転。ナナ・シリーズは才気が爆発。これだ!私のアートは!という感じ。『リリ、あるいはトニー』、『ブラック・ロージー、あるいは私の心はロージーのもの』、『グヴェンドリン』、『逆立ちするナナ』、『泉のナナ』、昨年の国宝展の縄文のヴィーナスを想起しました。
恋人ジャン・ティンゲリーとの愛を表現した一連の作品も面白い。この人の絵葉書、本当に魅力的でした。立体作品の『恋する鳥』や、ポスターの『トラヴィンスキーの噴水」、ニキ・ド・サンファルとティンゲリー展ポスター』、絵画『ジャンへのオマージュ』が良かった。
実業家、ヨーコさんとの関わりの展示も。那須のニキ・ド・サンファル美術館、行ってみたかったです。ニキがデザインした美術館の建築で出来上がったらどんなに素晴らしかったことだろう。後ニキにヨーコさんが土偶の判子を贈っていて「やっぱりな」と思いましたw

その後ニキは精神的な作品を制作します。来日したインスピレーションをカタチにした『ブッダ』は撮影可能。その他、電飾と組み合わせた立体作品、『ギルガメシュ』や『トエリスーカバのランプ(黒)』などが良かった 。
ラストはニキのテーマパークとも言えるイタリアに作られた“タロット・ガーデン”。『悪魔』の造形が魅力的。『月の女神XVIII』等のプリズムラメを使った絵画もハオ!タイル作品『愛する人へ』も良い。『大きな肘掛け椅子』などのエナメル光沢のある椅子が印象的でした。タロット・ガーデン、是非行ってみたいけれど、ガイドブックには載せていなく、ニキの指示書に沿って移動しないと辿り着けないようになっているそう。ミステリーな旅でまた趣がありますね。
『翼を広げたフクロウの椅子』は写真に撮れました。

『グヴェンドリン』ポストカード買いました。裏の字体もニキの字を模していてなかなか良い。



ニキ・ド・サンファル展。エネルギー貰える展覧会でした。 はぜる様な生命力のみなぎり。みていて心が痛ましくなる様な初期作品から射撃アートでまずブレイク。そしてナナ・シリーズでビッグバン。その後の展開変遷も素晴らしい。そんな混んでないしお薦めです。12月14日迄。