先日放送された
『柴咲コウ バケットリスト』 in スリランカ 人生を豊かにする旅路
スリランカの高僧に生まれた時刻で占ってもらったり、
スリランカにある世界最古の接ぎ木、インドからやって来た菩提樹で、2000年前に共にやって来た菩提樹の守り手の一族、カプワを訪ねたり、茶葉を訪ねて工房で、
採れた地域の高度によって、高ければ高いほど茶の色味が薄くなることを知ったり、その中でも最上のシルバーチップの畑に行ったり、
Dr.CTスキャンと呼ばれるアーユルヴェーダ施術師、Dr.ディネシュ・エディリシンゲにアーユルヴェーダを受けたり、盛り沢山な内容で非常に面白い番組でした。
中でも目を引いたのが、スリランカ出身のリゾート建築の大家、ジェフリー・バワの作品を訪ねるパート。

この人が、インフィニティ・プール(海原と一続きになって見えるようにデザインされたプール)を創った人な事を初めて知りました。スリランカの人なのですね。
彼がデザインをしていた事務所は今カフェになっていて、そこを訪ねたり、

彼の最高傑作といわれるシーギリア・ロックを望むホテルを訪ねた時は、その自然の活かし方に、軍艦島みたいな建築と植物の渾然を想起しました。


軍艦島に行ったときはマチュピチュみたいだなと思った。ラピュタのイメージと言うか、
アンコール遺跡群もそうですが、あのくらいのバランスが一番心地好いのでしょう。
最近だとシンガポールが植物園と都市緑化をキーに街を発展させていますよね。人間はコンクリートの白だけでなく、天然の緑の環境を本能的に必要としているのかもしれません。
非常に面白く番組を観て、
バワが影響を与えたアマン・リゾートの画像なんかも眺めていたのですが、どうにも軽さを感じてしまい、あぁ自分の頭は固いのかもしれない。と想ったのでした。
展覧会に結構行ったりしていたり、海外に行くと建築や遺跡を視ることは好きなのですが、自分がいいなぁと想うものはかなり権威づけされたものなのかもしれないなぁ、と想ったのです。歴史やビッグ・ネームに権威づけされた建築群。アマン・リゾートのようなリゾート建築、ただただ心地よい現代のリゾート建築に、「綺麗だな」とは思っても特別の価値を見出すわけではなかったなぁと想います。
先日訪ねた鎌倉近代美術館を初め、ここ1・2年で(耐震の問題もあり)日本のモダン建築が解体されることが立て続けに起きましたが、これもモダン建築と同時代に生きた人からすると、大してオリジナリティがある建物には思えないから"普通の建物"と軽視され、保存がされないのかもなぁ、とも思いました。昔からある権威づけされたクラシックな建物を愛でるよりも、同時代の未だ権威づけされていない建物の良し悪しを見極める方が、より難度が高いのかもしれませんね。
世界さまぁリゾートで紹介されるようなホテル群も、100年後にはクラシックになっているものもあるかもしれません。"HOTEL"の美を見出すのは、面白いかもしれませんね。機能美と優雅さで言えば、リゾートホテルは富裕層にとっての民芸的な意匠、といえるかもしれませんね。興伸国に行くと良いホテルの開発が外貨獲得の好手になっているのを感じますが、植物を如何に使うか、都市を如何にその国の風土に合った緑を彩るかが、インバウンドにも関わってきそうだなと想いました。