Okada Takuro / Ur (soundcloud link)
ティピカルな挿話1. SpotifyでAt the Drive-InとSlowdiveの新譜を聴いて、"あぁ、ROCKの音だなと想。 ティピカルな挿話2. テレ朝の"あいつ、今何してる"の番組予告で芸能人が「なんでみんなそんなにドラマがあるんだ」と言うのに逆にびっくりする。 本論 良くある話で、学生が終わると(新しい)音楽を聴かなくなる、なんてものがあります。 原因は幾つか考えられて、まずは仕事が忙しくなって音楽に割く時間がなくなる。二つ目は友達との遊びがなくなることで、カラオケやダベリといった"コミュニケーションの為の音楽聴取需要"が消える。 ただ、私として推したいのは"リスニングの一周目が大体その辺で終わるから説"で。 音楽に限った話ではないですが、何をみても"あぁアレとアレの掛け合わせね"とか、既視感に囚われる時期ってありませんか?そして今までも聴いていた音楽も段々刺激が麻痺・逓減して、ぶっちゃけてしまうと飽きが来る。そこに上に挙げたような要因が被さり、音楽から気が離れていくことはあるのではないでしょうか? 私自身の"一周目"の話をすると、いつ初めて音楽を意識したかはもう覚えてないのですが、最初に買ったCDはアルバムではハチャトゥリャンの『剣の舞』、シングルではサザンの『愛の言霊』だと想います。丁度小学校高学年くらい。 そこから中学でブルハ、ブランキー、ミッシェルに心酔し、ゆずやDAなんかも聴いてました。そして椎名林檎にもガン嵌り。林檎の艶いグラビアをみるためでもないけれど、一時期はロキノンジャパンなんかも買って。 RIJFは高2の時に2001年のバンプがトップバッターの日に行きました。トリをDAと迷った挙句『スクリューボールコメディー』がフェイバリットだったためレイクのソウルフラワーユニオンで心引き摺られながら「ええじゃないか」でタコ踊りしたのはいい思い出。 高校の頃は誰の目も気にせず"クズクラブ"みたいなのを作って、寧ろ真面目側で伸び伸びやっていた所が、大学では本当に人間的に良くできた人たちに囲まれ、"〇〇君って個性的で面白いね"と言われ、面白キャラに開花、けれど大きな挫折も味わって鬱に追い込まれ、復帰後はますます"ダメ人間道・不真面目道"を突き進む様に。 そのあたりで聴いていたのはフィッシュマンズでした。丁度リユニオンがあって『空中』『宇宙』が出たのもあるけれども、佐藤さんの言葉、サウンドが琴線に触れて。それと共にROVOを聴いたり、ワールドミュージック、特にガムランやブルガリアンヴォイスなんかを聴いたり、当時流行りだった"DJ目線で選ぶJAZZ"なんかを聴いたりしていました。銀杏やシロップも聴いたなぁ。 音楽を選ぶことは自分という人間を表明する事でした。高校の洋楽に詳しい連中と差別化するためにワールド系を聴いたり、或いは大学では仲間内で自己ブランディングの為に"ロック道"を深めたのかもしれません。 mixiなんかで自分の日記の本文の前に好きな邦楽の歌詞を乗っけて先輩から「お前の文章だけ読みたいのに邪魔だ」なんて言われて。当時は寧ろ自分の文章よりも自分の好きな音楽の歌詞を聴いてもらいたいくらいで。すっかりロックという正義の信奉者でした。 閑話休題、学生時代までは私は漫画を読みまくっていたのですが、そしてある時を境に漫画雑誌はグラビアくらいしかチェックしなくなってしまったのですが、マンガを読まなくなった方が現実のヒトの表情を読み取れるようになった気がします。 漫画はあまりに表情が分かりやすく演技づけられていて、その刺激に慣れると生身の人間の機微を捉えられなかったのかもしれないと今となっては想います。同様にあの頃はロックンローラーの言葉の強さに痺れていて、同期や先輩の言葉をちょっと馬鹿にしていたというか。もし今のネット環境におかれたらアスペルガー判定されていたように思います。 ロック思想が自分にフィットしていたのは価値基準の反転があったから。駄目で、下品で、頭悪くて、etcetc、そんなドブネズミみたいな状態こそが美しい。その倒錯を邁進していたものですから、全くモテませんでした。 当時のサークルでの人間関係において己を道化として扱っていた分、ますます音楽で誇りのバランスを取ろうとしていた自分。鬱から脱するときに行った初めての海外、北京旅行で旅に目覚めて。まぁその前に幽霊部員だった別のサークルで北海道自転車旅行なんかもやっていたのですが、音楽と旅が自分のアイデンティティになった気がします。 そして音楽や旅の話を思いっきりぶつけられる友人は(本当はいたかもしれなかったけれど)その時はいなく感じて。寧ろ変人的なポジションになるというか、だんだん「最高だな」と嘯いても上滑りしていきました。 そして就職したはいいものの思いもよらずまたしても鬱で潰れ、人生最悪の時というか、死を考えるちょっと不味いレベルの一時期を過ごしました。 底で「自分は本当に死にたいならば死んでいる。生きたいから生きているのだ。結局のところ今までの自分の人生ひっくるめて、全ての事は自分が全部勘案した上でやりたいことしかやっていなかったのだ」と言うバーサク状態で復活。実際にはストレス源だった会社を正式に退社したのが大きかったと想います。 その状態でmixiへ舞い戻ると皆何も書かなくなっていました。今考えれば会社のしがらみとかもあったかもしれないし、書く時間もなかったかもしれないし、それほど書きたいこともなかったのかもしれません。そこで愚かな私は「あぁ皆鬱ならば、鬱屈した資本主義を全否定してやろう」と大暴れ。 「資本主義の豚が!」とか暴言吐いておいていいねが貰えないことに逆ギレして。寧ろ当時ニートだったお前の方が資本主義の豚だろという。 とは言え図らずも"あぁ、自分はあれだけ大学時代に活動に付き合っていても、『そうしたいことなんだな』と想われただけで、異論を唱えた時『普通に』否定されるのだな"と。今現在の視点から考えれば本当に甘ちゃんな話だなと思うのですが、オウム真理教を脱会した人間の様に憎悪に駆られました。 そんなこともあって、仲間とも疎遠になり。頭が冷えると大きな罪悪感にやられ、「自分の人生は何も与得るものがなく害を撒き散らしただけだった」と自己否定感に覆われ。そこから就職したり、気持ちを晴らして再び旅へ出れるようになるまで、時の流れが必要となりました。 今はやりたくない事には(少なくともプライヴェートでは)"したい無理"でも関わらない姿勢でやりたいように等身大でやっています。只まぁ昔からそうですが脇が甘くて。こんな記事書いちゃうのも危ういとは想うのですが。ただ、ここまで明白に書かないと続きの話に繋がらないかもしれず。 そんな形で大いなる失意から自己否定する中で、先ほど述べたように漫画をあまり読まなくなったり、ロックの言葉を聴くのが辛くなったりしていったのでした。こんな経緯を辿る人間はなかなかにいないとは思いますが、20代も半ばになると青臭い言葉が性に合わなくなってくる人は結構いるのではないかと思います。 それでも大学時代後半に邦楽ロックから少し脱していたのもあって、ワールドミュージックやジャズ、レアグルーヴからファンクへ進んだ自分は2012年にジャミロクワイ目当てでサマソニへ初めて行き、いわゆる"洋楽シーン"へ遅蒔きながら入るようになりました。 2周目の音楽は、インストゥルメンタルだったり、歌があっても外国語で意味はダイレクトに分からなかったりするために、"いかにサウンドとして面白いか"が胆となりました。その時の自分にとっての新しさ。最終的にはノイズやフィールドレコーディング、南米音楽あたりを好んで聴くようになりました。 ここまで行くと、もはや”自分の好きな音楽は誰にとっても好かれる”という妄信は流石にしなくなって。 時代の趨勢でも音楽市場が落ち目になって。思い返してみれば大学の頃だって「良い音楽を聴いてるから好かれる」ことはなく、"どうせわからんだろう"という考えてみれば失礼な諦念で生活していたのですが、世間的にも"音楽は時代を映す共通言語"という鏡ではなくなっていったように思います。 しかし、Webの繋がりの中で寧ろ今までの人生でないほどリスナー仲間が出来る様になりました。勿論、聴いている音の趣味は違えど、ミュージックフリークであることは伝わってきて。 同質性がないことがわかっている"他者"という距離感が寧ろ好いのだと想います。あまりに狭い関係だと軋轢が生まれてしまう。"同じでないことが分かっている関係"の居心地の良さは、海外で言語の意思疎通レベルが低いからこそ仲良くなれるあの感覚にも通じる気がします。 衣食住足りて礼節を知るというか、貧すれば鈍すというか、攻撃的に荒む事と自己尊厳が低い事は有意の相関があり、暴走している人間にこそ愛と敬意のある対処が要るけれども、そういう人間は不快で憎みやすく、事は難しいものです。 敬愛する人から「君は暴言を吐いたり何かを貶さなくてもいい位、私にとって価値のある人間なのだ」と認められることが、どれだけの憎悪をネガポジ反転できるか。 問題はいわゆる"普通の人"だってそこまで余裕ある人生を送っている訳ではない点で。未熟でも"理想的な先達、倫理"を装っていることが、(必要なことかもしれませんが)やはり無理があるのではと想います。しかし何より憎悪は基本的には甘えの一種で。己の価値を落します。逆に敬愛のコミュニケーションがいかに自尊心をもたらしてくれるか。 話したい話を遠慮なくコアに放れ、時に反応もある。私にとってWebとの、そして大切な人との出逢いは僥倖でした。 と、告白録をここまで書いてきました。一時期は旅をしている時しか生きている感覚がないほどでしたが、今、普段の生活にも満たされ、旅はボーナスステージ的な、以前より日常に近い事象となりました。ある意味旅が二周目になったのかもしれません。 逆に音楽は二周目を終えて三周目になってきている気もします。 ”音の新しさ”は勿論大きな魅力の因子だけれども、そもそもBJCに嵌ったとき"新しさ"を意識して聴いていたわけではありませんでした。音楽を音楽として、イデオロギーから解き放たれて聴けるようになりつつある気がします。完全に3周目に離陸するにはまだで、今はエレクトロニクスの新しさとクラシックの瑞々しさに蠱惑されていますがROCKにもJulian Casablancas and The Voidz - Tyrannyやex森は生きているなど昂奮する音源は現在もあります。 そして人生は一周きり。最近、昔の記事に載せていた音楽の歌詞を幾つか消したりしています。このブログは12年前の当初個人ニュースサイトだったのですが、6年前くらいに羅列ニュース記事をかなり消して自分の記事を残して、そして今歌詞への依存も減らして。徐々に己で書く比率を増やしている流れです。 6年後は何かをアテに書くこともなくなるかもしれません。そして12年後は何も書かなくなるかも。最近思うのはメディアに載るものしか観測することは難しいけれども、メディアに載らない世界の方が遥かに深く広いということ。 自分から誇示せずとも豊饒の人生を送る人は夥しく存在するし、アノニマスな芥は兎も角、承認欲求、コミュニケーション欲、自己顕示欲からの解脱はもしかしたら自分の身にも起こるかもしれないということ。 未来には期待と不安が綯交ぜですが、不惑の頃の自分がより善く生きていられるように精進を積んでいけたらと想います。 誰かの撮った写真の場所をみる旅のようなものでなく、第一運動として未踏な実験が行えるような、そして愛情が満ちる。そんな日々を送れたら最高だと想います。 cf. 本音2.0 (失っていたとみられた)ゼロ年代邦楽ベストと現在の都市インディー Egberto Gismonti - Palhaço
by wavesll
| 2017-05-11 01:16
| 私信
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