平日朝は
『モーサテ』から
『キャッチ!世界のトップニュース』へ行く流れで過ごしているのですが、先週、朝のラテ欄に
『アメリカの町』という番組がBS-TBSにあって。みてみると上質な朝を創ってくれる穏やかな番組でした。
水曜日に取り上げたのはイリノイ州 アーサー。
アーミッシュの暮らす町。
アーミッシュは移民当時の生活様式を続けるキリスト教の集団で、TVやクルマのない、電気を一切使わない生活をしています。アーサーでは一家族平均6人家族で暮らしているそう。
アーミッシュは電気を使わないのですが、冷蔵庫や扇風機が。なんでもプロパンガスや圧縮空気を使っているということ。洗濯機もプロパンガス。電気を使わないというレギュレーションの中で色々と工夫しているというのが面白かったです。
またアーサーにはアーミッシュ以外の人も住んでいて、アーミッシュはアーミッシュ以外の人を「イングリッシュ」と呼ぶらしく、イギリス人でなくともイングリッシュになるとか。彼らの世界観を感じさせる話だと想いました。
街のお祭りでは
Tractor Pulling Competitionというイベントも。
改造を施したトラクターで重りを引き距離を競う、農業地帯で非常に人気のあるモータースポーツ。
これがなかなかに迫力がありました。
Highlights of the Arthur Tractor Pull
金曜に取り上げられたのはサウス・ダコタ州
マウント・ラッシュモア国立記念碑 4人のアメリカ大統領の顔の彫刻で有名な地域。
この彫刻は観光客を増やす目的で彫刻家
ガットスン・ボーグラムによって造られました。
作業は失業した炭鉱労働者などによって行われ、吹き飛ばされた岩の欠片も文化財として爆破当時のまま保存されています。
建国150周年のアメリカでは様々な民主主義の試みがなされていました。
マウントラッシュモアがあるBlack Hillsという地域はネイティヴアメリカンの聖地で彼らの言葉でバハサパ(黒い丘)と呼ばれていました。
ブラックヒルズに住むスー族の酋長 ヘンリー・スタンディング・ベアがポーランド移民の彫刻家 コーチャック・ジオルコウスキーに「自分たちの世界にも英雄がいる、白人たちにもそれを知って欲しい。彼の名はクレージーホース」という手紙を出し、「マウントラッシュモアより大きな彫刻を創って欲しい」と。
そしてコーチャックの人生をかけたプロジェクトが始まりました。
クレイジーホースはジョージ・カスター将軍率いる白人部隊を撃破したことで知られるが、白人に捕えられ1877年に非業の死をとげた先住民スー族の英雄。
このクレイジーホース・メモリアルは現在顔の部分だけが出来ていて、完成すれば世界最大の彫刻になるそう。



政府の援助を受けず、住民や支援者に助けられながらゆっくりと進む、60年間続いている彫刻。現在はコーチャック氏の息子さんが手掛けています。米国の骨太な魅力にあふれる”もう一つの彫刻”、魂を感じました。
さて、”これは実にいい番組をみつけたぞ”と想っていたのですが、この番組は不定期放送のようで今週はやっておりませんでした。こうしたスローな紀行番組を朝に流す試みはNHKBSPで『世界ふれあい街歩き』なんかもやっていますが、心が整えられてとても良い気持ちになりました。
この『アメリカの町』は
BS日テレの『小さな村の物語 イタリア』の米国版といった趣で。BSでは紀行番組が林立しているので放送時間という点でブルーオーシャンを開拓するのもありなのでは?と想いました。