今井孝『起業1年目の教科書』:動き出しは軽やかに。間口はライトに。そして関係構築には最大限に力を注ぐ起業指南書

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今井孝『起業1年目の教科書』を読みました。
起業というテーマですが、生活全般の”生産性”をあげるような指南書だなという印象を持ちました。

以下、”おっ!”っと想った所を取り上げてみます。

・ありきたりのアイディアで勝負する
・なんでもいいから「最初の一歩」を踏み出す

「画期的なビジネスしか成功しない」ことはない。ありきたりのアイディアでビジネスは十分成功する。最初はパクリでもなんでも小さいところから始めてみよう。

最初から成功するやりかたを知っていて何かを成し遂げた人はいない。「必ず成功する一歩」を探し始めたら踏み出せなくなるので結果を求めず色々やってみる

・夢はなくてもいい
・リスクを取らずにスタートする
・最初は目移りしてもいい
・考えが堂々巡りしてもいい
・健全な下心を持つ

最初から大上段に夢を語ったり、「大きな損害」を引き受けたりしないで「失敗してもギリギリ受け入れられる範囲での最大の挑戦」をする。

『起業家になる』ことを今の状態から徐々に徐々にシームレスに移行していけばいいし、行うビジネスも目移りしながらちょっと手を出して試行錯誤すればいい。

頭がもやもやしているのは脳が情報処理しようとしている証。そういう時は一旦考えなければならないことを書き出してみると客観的に自分を見れる。

社会への奉仕は素敵だが起業家は「リターンを得よう」位が丁度いい。

・世の中に求められているかは気にしない
・ビジネスモデルは後から考える
・身近な人は応援してくれないものと考える

売れるかどうかは売ってみないと分からない。周りのネガ意見に惑わされない。自分の熱意が一番の成功要因。やることを決めたら最初はお金になるかを気にせず価値を磨くことに集中する。

・まず時間を確保する
・今の仕事を8割の時間で終わらせる
・今の会社でテストする
・いつでも復活できる条件をつくる
・退職するまでに伝説を作る

「朝30分だけ起業時間に当てる」とか短時間に集中して時間を取ってみる。その為に「早く終わらせよう」と「仕事を終える時間」を意識するだけで業務はかなり時短できる。効率化のコツは相手の立場で考えて求められるアウトプットを明確化すること。

また「会社で働くこと」を全否定しないで今の会社で色々練習したり事業に失敗しても人生は続けられると想うと色々楽。大失敗でも大成功でも会社にいるうちに大きな挑戦をするのは素晴らしいこと

・お金の不安を最小化する
・テスト用の予算を用意する
・失敗の回数を決めてスタートする

家賃の低いところに引っ越したり生活の固定費をまず計算し、なるだけ圧縮する。逆にビジネス投資は損をある程度見込んで行ってみる。

すぐに結果が出なくても失敗せずに初回で成功させようとするより2,3回テストして失敗する方が成功への近道。失敗に対するメンタルを強くするには「失敗の数」を数えること。100回失敗して改善すれば成功しないことはない。

・5分で目標を仮決めする
・わがままな目標を立てる
・愛のある売り上げ目標を立てる

どうせ目標は変わる。実際に目標に向けて行動しないとわからないので仮に決めてやっていて違っていたら変える。

その際に「起業の成功=家庭がボロボロ」とか無意識に浮かぶデメリットに対して「デメリットが起こならない、両獲りな目標」を立てる。

『年商300億円へ大きくしなければ』とか『~しなければならない』となった時点で経営者は負け。事業にとって納得感のある売り上げ目標を立てる。

そのために「それだけの見込み客がいるのか?」「それだけ営業する時間がるのか?」等の制約を洗い出し適正な単価と数量を測る。

・おおらかにお金の流れをみる
・数字に弱くていい
・お金以外で安心を手に入れる

起業すると金の流れが速くなり焦るが、収支をみる期間を1年や3年など長くとるとかなり落ち着ける。そして経営に必要なのは「正確な数字」でなく「判断できる数字」。大局観が大切。

ゆったりとした時間を過ごしたり家族のだんらんにはそんなにお金はかからない。必要なものを見極めればお金はそれほど必要でない。

・お金をかけずに試作してみる
・オリジナル商品にこだわらない
・絞り込めなくてもよい
・商品開発に他人を巻き込む
・スキル不足を回数で補う
・売れている人をバカにしない

1ヶ月で1回テストするより1ヶ月で3回テストした方がいい。その為に最初はしっかりとした商品を創ることよりキモの部分だけ詰めて何度もフィードバックを受けるといい。

成功している人ほど人の力を借りるのが上手い。周りからのアドバイスを完全に理解できなくても取り入れてみるといい。

最初は他人の商品を扱ったり下請けをしてビジネス基盤をつくったりスキルを磨くのもあり。

絞り込むものを探すことに絞り込むようにし、やりたいことは色々試して納得して絞り込む。

ベテランが1回で上手くいくなら、ビギナーは10回やればいい。

多くの場合、本物志向の人が作る商品は初心者には難しい。裾野を広げるためのマーケティングはとても大切。

・最初は「将来の自分」を売る
・ウリがなくても始める
・安い値段でも最高の仕事をする
・まず仲間を増やす
・最初の1件を大事にする
・応援をしっかり受け取る
・有力者にかわいがってもらう

お客様はそこまで完璧を求めていないことも多い。ビジネスの当初はお客様が育ててくれる。スキル不足が怖いと思う人はお客様との関係を短く観すぎているのかも。

起業当初はウリに拘らず目の前の仕事を一歩ずつ進める。最初のお試しの時に期待を越えてビックリさせればその人は広めてくれるかもしれない。

営業力とはグイグイ説得する力というより「応援される力」。セミナーや交流会でゆるい人間関係をつくると仕事につながるかも。

リピートと口コミのためにも起業してはじめて仕事が取れたらその1件に集中しお客様が満足できるまでやりきるとニーズをつかめたり仕事の流れを一通り経験できる。

仕事や人脈はチャンスにも繋がるがそこから先は自分の実力。成長する機会を頂いていると考える。

・自分の都合で価格を決める
・商品を提供するのではなく、価値を感じてもらう
・価格を上げる理由をコツコツ作る
・値引きはいつでもできると知っている

ビジネスが上手くいかないのは価格が安すぎる場合が多い。安いお客様ほど文句を言う。価格をしっかり設定して商品を磨き価値を伝える工夫をすれば最後にはビジネスは上手くいく。

その為には伝え方や演出に力を注ぐのは大事。洗練ではなく野暮でも”こんな価値・工夫・労力があるという情報”を伝えるといい。そうした価格を上げる理由を一つ一つつくり自信をつけて提供する。小さな改善たちが品質を高めていく。

値下げは最後の手段。理由のない値下げはしない。

・接近戦に持っていく
・商品がなくても情報発信する
・最初は効率を度外視して集客する

起業初心者はスキル、知名度、実績などが足りないからそれらで比較されるような場所(WEBや雑誌広告)でマーケティングや営業を行うのは効率が良くない。

直接会っての営業、お礼の手紙や電話、ちょっとしたプレゼントを持っていったり、距離感を測りながら熱意や人柄で人間関係を築く。

その一方でSNS等を使って世界観に共感してくれるお客様と繋がるといい。とにかく本気で成功させたいのであれば、効率なんて関係なく手当たり次第にできることを試してみる。

・反応を正しく把握する
・100点が無理なら部分点を稼ぐ

しっかり売れている人は「対面営業だったら10人に1人は買ってくれる」「紹介なら3人に1人が話を聴いてくれる」「メルマガやダイレクトメールの反応率は1000人に1人」と反応率を把握しそれに応じた計画を立てて行動を消化している。

契約が取れない時でも紹介だけでもお願いしたり詳しく話を聴いて改善点を見つけようとしたり何とか40点、50点へ持ってこうとする。なんとかすることを楽しんでいるうちに大成功に出逢える。

・最初はあえて厳戒まで忙しくしてみる
・1日を記録する
・地味な作業から価値を生み出す
・エネルギッシュに働ける時間を増やす

起業した最初の3年は何でも試して限界に挑戦。「このスピードは無理だ」と決めているのは自分の常識でやってみると出来ることが多い。そして限界を超えてただ効率化するだけでは無理だという時期には働き方を考えるタイミングかも。

起業するとあっという間に時間がたつのでやったことを「マーケティング」「商品づくり」「業務改善」など目的別に書き出すといい。そして1人で考えている時は最も価値を生み出している時。

また自分の身体の弱点を認識して日頃からケアする。疲れる前に休み、最もパフォーマンスの良い状態で仕事に臨む。

・やる気のない前提で1日の計画を立てる
・今日一日の仕事に集中する
・準備の時間を減らす

人の気力・体力は有限。詰め込みすぎてもスケジュールは破綻するので「自分の精神力に頼らないスケジュール」を立てると計画の進み具合が劇的に捗る。

「本を1ページ読む」とか一番近くの手の届きそうなゴールだけ見るように大きなゴールに到達する為に逆算して「日々やること」を見つけることが大切。

そして作業量が多すぎる時は相手の視点になって自己保身のための準備万端ではなく、「お客様がいかに満足してくださるか」を大事に必要な準備を明確化する。

・チャンスにはまず乗ってみる
・お金を使う基準を持つ
・1割の成功を活かす
・「必ず元を取る」と決める

他の人が躊躇して上手く行くか分からない時こそチャンス。早いタイミングならば何度もやり直しできる。

お金を使う基準は根本的には「見込まれるリターン」で判断。機会損失まで含め、「10の投資に対し10以上のリターン」と10の内9駄目でも残り一つで取り返せるならOKと、歯科が出ない事より何もしなかったことを無駄と想う。

そして投資が回収できるかを他人に委ねず自分で積極的に回収する。特に人間関係の価値は計り知れない。

・「助けてくれる人リスト」を作る
・ITに弱くてもいい
・情報をスピード処理する「箱」を持つ
・売れてない時から人に任せる
・こだわらずにチームを作る
・人に頭を下げる

起業家とは1人ですべてを行う人ではなく、足りないリソースを周りから集めて社会に役立つビジネスをやり遂げる人。例えば日々の仕事に難しいITスキルは必要なく、恐怖心さえなければいい。

インプットする際、例えば「ビジネスモデル」ならば「集客方法」「提供価値」「課金方法」の3つをみるなど「箱」を持ち処理高速化。

経営者の仕事の本質は「売る仕事」。それに注力し思い切って人に仕事を委託するとビジネスのスピードが上がる。

自分と同じレベルを探すと一章見つからない。委託費用を計算する際は仕事単体でなくトータルでの売り上げがどう増えるかを観る。「できること・できないこと」をきちんと連絡したり1人で抱え込まず早め早めに相談する。

チームで作業するには自分自身の価値観を洗い出すことから始めるといい。

そして本気でやりたいビジネスなのであれば頭を下げることくらい平気なはず。誰かに認められるより自分が自分を認める方が先。


本書に通底するテーマが”とてつもなく素晴らしかったり、どこにも恥ずかしくない品質でなくてもビジネスは成功することが十分ある”というもの。最初から完璧を求めすぎず。動き出すハードルを下げることが肝要と説く。

動き出しを軽くして、間口はライトに。しかし関係構築にはマキシマムに精力を注ぎこむ。ここら辺は見城徹 藤田晋『憂鬱でなければ、仕事じゃない』に通じますね。自分が価値を感じたものをフィードバックを受けながら、頭を下げながら、社会に具現化する。

私なんか自分が心血注ぐモノほど他人に任せづらいとか関係構築の重要性への注力とか理解は出来ても血肉とならない部分はまだまだありますが、「適正な価格で売る」みたいなところは腑に落ちました。起業本だけどブロガー本としても読めるかも。

自分の硬直した思考をほぐす、いいマインドセッティングになりました。

by wavesll | 2017-11-16 19:37 | 書評 | Trackback | Comments(0)
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