

ここ2,3年70sDigり返しの波が来ていて。
個人的には音楽の感触って20年周期に想えて、90年代末に思春期/青春を浴びていた人間からすると、10年代中盤/後半は親和性を感じて。同時に70sの音楽にもとても刺さる想いがあります。
そんな中で
佐井好子 - 萬花鏡という盤に出逢って。75年の盤。えもいわれぬ心へ届く謡を感じたのでした。
そして出逢ったのが2008年の『タクラマカン』という盤。バックが山本精一、渋さ知らズの早川岳晴、芳垣安洋、吉森信、ゲスト参加に渚にての柴山伸二、片山広明という布陣で紡がれたこの巫力を帯びたアルバムが素晴らしくて。
特に『変わり者』のエキゾな感覚が溜まらなくて。レジェンドが30超年振りにリリースするにふさわしい、気迫みなぎる快い歌でした。
それに酒を合わせるならやはりエキゾ。そしてフレッシュさが欲しいと想って
BrewDog BreweryのElvis Juiceを。ホップとシトラスのグレープフルーツビール。その鮮烈に葵その味が佐井さんのリヴィングレジェンド振りと呼応して瑞々しい境地へ連れて行ってくれる気がしました。
けれど考えてみると中高の頃椎名林檎の昏さにどっぷりだった自分が『真夜中は純潔』に”セルアウトだ”と想ったり、東京事変に”薄まってしまった”と想ったのに対して大学の友達が「ソロ時代は好きじゃないけど『群青日和』はいいね」と言っていて。
闇が晴れることに靄もやを感じるコア・ファンの気持ちもわかりながらもAmazonで五つ星をつけていた人が70年代にライヴを観ていた人で、その人が佐井さんと同じ年月を経過しての今の音に五つ星をつけているのがなんかいいなぁと想いました。
佐井さん、なんと2015年にライヴしていたようで。観たかったー!Fujirockあたりの伝説枠で演ってくれないかななんて思います。時空を超えた心躍るうずきが在る聴験でした。