木島櫻谷展 Part1 近代動物画の冒険 @泉屋博古館 分館にてみる野生生物の瞳光

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六本木一丁目の泉屋博古館 分館にて木島櫻谷展を観てきました。

明治から昭和にかけて活躍した京都の日本画家木島櫻谷(このしま おうこく1877-1938)。4/8までのPart1では彼が画いた動物たちの姿が生き生きと展示されていました。

まず最初に出てくるのは≪野猪図≫。なんとも高貴な目をした猪。もののけ姫の神猪を思わせるような角度で横から見上げるように描かれていて、毛並みの質感描写が本当に匠。

≪猛鷲図≫は天鵞絨の作品のための画で翼のフォルムがカッコよくて。≪猿猴≫の猿のひょいっとした顔◎≪奔馬図≫の軽やかに跳走る図示化された馬の姿。

≪初夏・晩秋≫は季節が廻り角が生えてくる鹿たちの姿。正面に近い角度で画かれる小鹿の表情の愛らしいことと言ったら!≪寒月≫は月の夜に一人林を彷徨く狐の画。賞をとったけれど当時夏目漱石が酷評したのはその演劇的ともいえる非現実性な空間描写からでしょうか?

≪獅子虎図屏風≫のみなぎる威風。野生の眼の力、毛並みの流れ、格好良かった。木島は本当に良く動物を観察していたようで、会場には写生帖や、京都市立記念動物園から贈られた優待券などもありました。

≪熊鷲図屏風≫の熊のモフったカッコよさ。熊も鷲も目がきらきらしていて。≪薔薇孔雀図≫≪春苑孔雀図≫には”やはり花鳥画は日本画だな”と想わせるあでやかさ。

木島の目は人物描写もまるで野生生物を見るように精緻に表情を捉えていて。≪田舎の秋≫の村人、子どもの表情。牛の表情も良かった。そして修復された≪かりくら≫のお爺さんたちの表情!まさにニンゲンという動物を見る感覚。

≪幽渓秋色≫、≪葡萄栗鼠≫、≪渓上春色≫、≪雪径駄馬≫の四季の掛け軸もいい。こんまいリスが可愛かったです。≪菜園に猫≫のゆるいながらも飼われきっていない風情を感じる斑の白猫。≪獅子≫の憂いを秘めた深い表情。

≪角とぐ鹿≫の漆黒の瞳と≪鹿の母子≫の穏やかな空気感のコントラストが印象的でした。

≪月下遊狸≫のひょっこりとしたタヌキと≪竹林老狸≫の闇から出てくるタヌキ、双方可愛くて。

≪鶏≫のバリイさんのような飄々とした顔、≪遅日≫の春の日の仔犬の愛くるしさ。縮模帖の虎なんか『皇国の守護者』のサーベルタイガーのようで。

そして何度も何度も食い入るようにみつめてしまったのが≪猛鷲波濤図屏風≫。金地に墨一色で画かれた飛空艇のように勇壮な鷲が真に格好良くて。これ識れたの嬉しかったなぁ、画像じゃ魅力を千分の一も伝えきれない!

Part1も展示替えがあり、後期は3/20から。そして4/14からはPart2として四季連作屏風が展示されるそうです。

800円でさくさくみれるので、アークヒルズなんかに行ったときとかふらっとみるもよし、野生の瞳、毛並み、表情のナトゥラリアとデザインの止揚の質の高さに抜きん出た筆致に見惚れるもよし。佳い展覧会でした。

by wavesll | 2018-03-13 20:12 | 展覧会 | Trackback | Comments(0)
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