最初の部屋ではルドンが育った地を描いた≪ペイルルバードの小道≫や彼の師匠だったロドルフ・ブレスダンを描いた≪『夜』 I. 老年に≫、そしてロドルフ・ブレスダンが画いた≪善きサマリア人≫等が。この≪善きサマリア人≫が本当にいいリトグラフで。湧上る森と雲、そしてそれらに圧されながらも中央に居るラクダと2人の人物。美しい画でした。
ルドンは私はカラフルなイメージがあったのですが、黒い画も同等以上に書いていて。ルドン自身も自らの木炭画や版画を「黒」といっていたようです。≪荊の冠の頭部(キリストの頭部)≫もその一つ。窪んだ眼が印象的でした。同じく目が窪んだシェイクスピア『テンペスト』に登場する妖、≪キャリバン≫は優しい目をしていました。また巨大なサイコロを背負った≪『夢のなかで』 V. 賭博師≫も面白かった。