柴田聡子「後悔」(Official Video )
柴田聡子さんの『愛の休日』は様々な人の昨年の年間ベストで取り上げられていたのですが、どうも”自分とは性向の違う人なのではないか”という印象があってこれまで聴いてこなくて。
この大型連休にSpotifyで初聴きした際も女性の甘苦さを強く感じて、理解の範囲外さを味わったのでした。
”自分の今までのスウィートスポットを拡げてくれる楽曲なのかもしれない”と改めてYoutubeでアルバムのリード曲「後悔」を聴くと、当初”メロディが濃くない”と想っていた楽曲に繊細な魅力を感じ”これはサーカスナイトと同じタイプの名曲なのかもしれない”と想い初めて。
そんな時にある記事を読んで、衝撃的と言っていいくらいにこの曲の佳さを認識することになります。
お読みいただけましたでしょうか?圧倒されました。音楽への解説、特に詞の読解でこんなに自分の認識を変えられたのは近年ないレベルで、まさに補助線が引かれて理解が深まって。
ここ6年位、音楽を聴く上でサウンドを最重視するというか、寧ろ歌詞は音楽の本質ではないのかもしれないとすら考えたりする時期にいたのですが、最近また風向きが変わってきて、昔のような歌詞編重の聴き方ともまた違うけれど、詩の重要性を再認識するようになってきました。
「歌」は音と意味、双方が込められ発せられるもので、時として唄はマントラというか、「その言葉本来の姿」として「メロディ/リズム」が立ち現れるのではないか、なんて想うことがあります。真言さとしての歌の魅力。
その上で今回の件で単に”女子/女性”というだけでなく大きく”他者”として捉えた時に読解力と想像力があれば差異を乗り越えてコミュニケートできるのだなと、言語/詩に対する尊敬の念を捉えなおした次第です。また一つ聴験を深めさせてくれた柴田聡子さんと補助線さんに感謝を。