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縄文展 1万年の美の鼓動@東博 国宝6点だけでない!迸る縄文宇宙のダイナミズム

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東博にて特別展 縄文 1万年の鼓動をみてきました。

凄かった!自分は東博国宝展で国宝の土偶、そして國學院で火焔型土器をみていたのですが、そういう御仁にもこの展覧会は激押し出来ます。

縄文の草創期(前11000~前7000年)、早期(前7000~前4000年)、前期(前4000~前3000年)、中期(前3000~前2000年)、後期(前2000~前1000年)、晩期(前1000~前400年)の北海道から沖縄までの日本全国の縄文のArtが揃い踏む弩級の展示。

特に群馬・長野で発掘された焼町土器は必見、国宝以上に昂奮させられました。

また平日だからそんな混まないだろうと高くくっていたら、入るまではそこまで待たずとも中の混み方も凄まじくて。私は途中で本館も挟みながら5h以上滞在したのですが、そういう超・長時間みるわけではないのならば15:00辺りを狙うと午前にみるより比較的見易いかもしれません。

会場に入ると≪山梨県甲州市殿林遺跡出土 深鉢形土器≫が。ダイナミックなモンブランのような縄目は羊のようなフォルムを画いていました。

≪青森県六ケ所村 表館(1)遺跡出土 微隆起線文土器≫はボーダーラインの細い線たちが氷結の缶のようにところどころジャキジャキっと隆起してる逸品。≪鹿児島県霧島市上野原遺跡出土 壺型土器≫は縄文早期なのだけれども弥生土器のようなシンプルな造形。

≪福井県若狭町鳥浜貝塚出土 赤彩鉢形土器≫は赤く塗られていて。この鳥浜貝塚からは1万2000年前の漆の木も出土し、古代史を書き換える発見ともなった場所。≪山形県高畠町押出遺跡出土 漆塗彩文鉢形土器≫≪群馬県高崎市高崎情報団地II遺跡出土 漆塗彩文浅鉢形土器≫そしてフォルムも現代的な≪北海道八雲町野田生1遺跡出土 漆塗注口土器≫など日本各地に漆の文化圏が拡がっていたことがわかります。どうやら漆の交易も行われいたようです。

≪新潟県胎内市分谷地A遺跡出土 漆塗木製水指≫は三角形がシャープな木製の出土品。木製だと≪青森県青森市三内丸山遺跡出土 木製編籠 縄文ポシェット≫なんてのも。この中にはクルミの殻が入っていたそう。

≪長野県南箕輪村神子柴遺跡出土 尖頭器≫は雫状のナイフのような石器。同所出土の≪局部磨製石斧≫もきれいなR。≪秋田県東成瀬村上掵遺跡出土 磨製石斧≫はアオトラ石で作られた美しさで神具との説も。

宮城県石巻市沼津貝塚出土の≪鹿角製銛頭≫と≪鹿角製釣針≫は太古の漁を想起させる格好良い古代のギア。

ここから縄文のアクセサリーの世界へ。≪埼玉県桶川市後谷遺跡出土 漆塗櫛≫は朱色からクリーム色の歯が伸びる古代の櫛。≪福井県あわら市桑野遺跡出土 玦状耳飾≫は大きなイヤリング。≪東京都調布市下布田遺跡出土 土製耳飾≫≪群馬県榛藤村茅野遺跡出土 土製耳飾≫はアフリカの民族のように耳たぶに穴を開けて入れ込む立体的な耳飾り。

≪栃木県大田原市湯津上出土 硬玉製大珠≫の美しく光る翡翠。≪茨城県常陸大宮市坪井上遺跡出土 硬玉製大珠≫は白に緑が射す翡翠。

≪福岡県芦屋町山鹿貝塚出土 装身具≫には手に持つ骨みたいなアクセも。≪千葉県船橋市古作貝塚出土 貝輪≫は縄文のブレスレット。海のない土地では代替品の≪栃木県小山市寺野東遺跡出土 貝輪形土製品≫が。

また≪宮城県石巻市沼津貝塚出土 鹿角・鹿骨製笄≫や同出土≪熊犬歯・サメ歯製垂飾≫、≪青森県つがる市木造亀ヶ岡出土 鹿角製腰飾≫など動物の角や骨で出来たアクセもありました。

そしてここから土器の世界が。

≪千葉県松戸市幸田貝塚出土 関山式土器≫は土器の口のカタチが非常に尖ってカッコよくて、DBのドドリアのような凸凹が。≪埼玉県ふじみ野市上福岡貝塚出土 片口付深鉢形≫はエジプトのような古代感のある幾何学的な文様さや焼き物による≪星月夜≫なうねりを感じました。

そして≪新潟県十日町市野首遺跡出土 火焔型土器・王冠型土器≫はまるでオーラが具現化されたかのような龍脈の迸りが!

≪山梨県甲州市安道寺遺跡出土 深鉢形土器≫は水煙文ともいわれ、生物的・霊魂的なフォルムに、まるで須弥山の曼荼羅を立体化したような、宇宙観すら感じさせられるエナジーがありました。≪群馬県渋川市道訓前遺跡出土 深鉢形土器≫には世界樹や乳海攪拌を感じて。

≪茨城県龍ケ崎市羽原町出土 深鉢形土器≫は一つの城のような存在感、雲母のきらきらも美しかった。≪長野県富士見町藤内遺跡出土 深鉢形土器≫はエスパークスなアールデコな文様。≪青森県八戸市是川中居遺跡出土 大洞式土器≫は漆を使った光沢があり、≪千葉県市川市堀之内貝塚出土 深鉢形土器≫は弥生を想起させるシンプルな縄のオールオーバーな美しさがあり。また≪青森県十和田市滝沢川原出土 つぼ型土器≫は立体唐草という感じでした。

そして次の間が、縄文と同じく先史時代の世界各地の土器が展示してあって。

中国では黒い太線が印象的な彩陶、インダス文明では動物の画の土器が。イラクではシンプルな土器が、南レヴァントではかよわい手仕事が、エジプトでは実用的な土器が、トルコでは磨製のてかった土器がありました。

それに応えるのが≪群馬県渋川市道訓前遺跡出土 焼町土器≫≪長野県御代田町川原田遺跡出土 焼町土器≫はその尖ったフォルムがまるで宇宙の風を顕然させたような最高にかっこいい土器で!こんな凄いのがあったのかという感じ!

そこから弥生時代に入ると≪三重県伊賀市柏尾湯舟出土 袈裟欅文銅鐸≫のように金属にArtの本懐が移って行った感がありました。

ここから第二会場。
第二会場の初めは目玉の縄文の国宝たち!みるのは2度目、3度目で新たな発見がありました。

≪新潟県十日町市笹山遺跡出土 火焔型土器≫はなんとも優美で。360度どこからみても麗しい。≪長野県茅野市棚畑遺跡出土 土偶 縄文のビーナス≫は雲母がキラキラと美しくて。≪山形県舟形町西ノ前遺跡出土 土偶 縄文の女神≫は頭部に幾つも穴が開いているのに気づいて。ここにアクセや紐を通したのかも。≪長野県茅野氏中ッ原遺跡出土 土偶 仮面の女神≫はその重量感に圧倒されて。≪青森県八戸市風張1遺跡出土 土偶 合掌土偶≫はボッチ感がいいwそして「茅空」の字がある≪北海道函館市著保内野遺跡出土 土偶 中空土偶≫のぷっくり感が良かった◎

次のフロアは大きく開けて、日本各地の土偶などが数多展示されていました。

草創期の土偶は≪滋賀県東近江市相谷熊原遺跡出土 土偶≫のように小さなトルソー型で。そこから前期には≪山梨県笛吹市釈迦堂遺跡出土 板状土偶≫、そして中期には十字型に大きな≪青森県青森市三内丸山遺跡出土 板状土偶≫へ。


≪長野県岡谷市目切遺跡出土 ポーズ土偶≫は縄文のビーナスみたいなフォルム。≪山梨県笛吹市上黒駒出土 ポーズ土偶≫は石の鎧的。≪山梨県南アルプス市鋳物師屋遺跡出土 ポーズ土偶≫は円錐形。≪新潟県糸魚川市一の宮出土 河童形土偶≫は頭が開けて面白い。

ここから縄文後期で、≪青森県野辺地町有戸鳥井平4遺跡出土 土偶≫のひょっこり感。≪福島県福島市上岡遺跡出土 しゃがむ土偶≫は合掌土偶にも通じるフォルム。≪岩手県盛岡市萪内遺跡出土 土偶頭部≫は鼻が特徴的で。≪茨城県那珂市戸立石遺跡出土 筒形土偶≫・≪神奈川県横浜市稲荷山貝塚出土 筒形土偶≫は太陽の塔の原型のようなフォルム。

≪群馬県東吾妻町郷原出土 ハート形土偶≫のポップさと≪福島県郡山市荒小路遺跡出土 ハート形土偶≫のアフリカな崩し。≪山梨県韮崎市後田遺跡出土 仮面土偶≫≪長野県辰野町泉水遺跡出土 仮面土偶≫もそうですが、やっぱり国宝の者はフォルムがぴしっとハイクオリティなんだなぁと。

≪千葉県佐倉市江原台遺跡出土・茨城県稲敷市椎塚貝塚出土・岐阜県高山市西田遺跡出土 山型土偶≫はちっちゃくて可愛くて。≪埼玉県さいたま市真福寺貝塚出土 みみずく土偶≫はインカな感じ。≪埼玉県桶川市後谷遺跡出土 みみずく土偶≫はもっとサイケな感じ。

いよいよ晩期で≪埼玉県鴻巣市赤城遺跡出土 みみずく土偶≫は立体感マシマシで、≪青森県つがる市木造亀ヶ岡出土 遮光器土偶≫はスノーゴーグルのようなあの土偶。≪宮城県大崎市蕉栗恵比須田出土 遮光器土偶≫は頭飾りがかっこいい。≪宮城県蔵王町鍛冶沢遺跡出土 遮光器土偶≫もかっこよかった。やっぱ土偶と言うとこのカタチ。

遮光器を真似た≪北海道室蘭市輪西町出土 土偶≫や遮光器以降に出てきたカタチである≪山形県真室川町大字釜淵字五郎前出土 結髪土偶≫は縄文の女神にも似て。また孔が無数に開いた≪秋田県湯沢市稲庭町字小沢出土 刺突文土偶≫を最後にフォルムの名がついた土偶はなくなります。




土偶の他祈りの出土品としてリンガ(男根柱)のような≪東京都国立市緑川東遺跡出土 石棒≫のようなものも。



≪長野県伊那市御殿場遺跡出土 顔面把手付手土器≫≪神奈川県相模原市大日野原遺跡出土 人形装飾付深鉢形土器≫や≪長野県御代田町宮平遺跡出土 顔面装飾深鉢形土器≫、≪神奈川県相模原市大日野原遺跡出土 人形装飾付深鉢形土器≫、≪神奈川県相模原市大日野原遺跡出土 土偶装飾付深鉢形土器≫≪千葉県香取市良文貝塚出土 顔面装飾付香炉形土器≫≪茨城県稲敷市福田貝塚出土 顔面装飾付注口土器≫≪青森県弘前市十腰内出土 人形装飾付壺形土器≫≪北海道北斗市茂辺地出土 人形装飾付異形注口土器≫≪埼玉県さいたま市馬場小室山遺跡出土 顔面装飾付深鉢土器≫、同出土≪人形装飾付深鉢形土器≫、妊娠を示す≪長野県伊那市月見松遺跡出土 顔面把手付深鉢形土器≫≪山梨県北社市津金御所前遺跡出土 顔面把手付深鉢形土器≫と、ヒト型と土器の組み合わせに縄文人が多いに嵌ったことが伝わりました。

また≪長野県富士見町藤内遺跡出土 深鉢形土器≫は人のカラダを模しながら現代アートのような抽象文様のデザインで肝を抜かれました。

そして縄文時代の親子の情を感じる出土品があって。
≪東京都八王子市宮田遺跡出土 子抱き土偶≫は赤ちゃんを抱くお母さんの像。そして≪北海道函館市豊原4遺跡出土 手形・足形付土製品≫≪青森県六ケ所村大石平遺跡出土 手形・足形付土製品≫は子供の足形・手形が入っていて、誕生を喜ぶ姿が伝わってきます。

また蛇以外の動物をかたどった出土品も多数展示されていました。

≪東京都府中市武蔵台東遺跡出土 動物装飾付釣手土器≫はブタ。≪東京都多摩市多摩ニュータウンNo.920遺跡出土 鳥型把手付深鉢形土器≫はインコ?。≪青森県弘前市十腰内2遺跡出土 猪形土製品≫は極めてリアル。≪青森県弘前市十面沢遺跡出土 猿形土製品≫や≪青森県青森市三内丸山(6)遺跡出土 熊形土製品≫≪岩手県一関市草ヶ沢遺跡出土 鳥型土製品≫はフクロウ。


水鳥な≪北海道千歳市美々4遺跡出土 動物形土製品≫、カメな≪埼玉県さいたま市東北原遺跡出土 動物形土製品≫、≪岩手県一関市貝鳥貝塚出土 狼形鹿角製品≫は小さくて細くてかっこよく、同出土≪蛙形鹿角製品≫はみうらじゅん的。犬などをかたどった≪栃木県栃木市藤岡神社遺跡出土 動物形土製品≫や、これらを弓矢で狩ったりした姿が描かれた≪青森県八戸市韮窪遺跡出土 狩猟文土器≫というものもありました。

最後の間は芸術家・文豪に愛された縄文Art。芹沢銈介氏や濱田庄司氏の所蔵の遮光器土偶は非常に生々しくて、最初は彼らが作陶したものかなと勘違いしたりしてしまうほどでした。

縄文の人々の宇宙観すら伝わってくるような縄文土器たち、そして国宝土偶は孤立しているのではなく、同タイプの土偶群の中でとびきりフォルムや由来が美しいものだというもの。そして動植物に対する具象でリアルなArt達。縄文の1万年を俯瞰するいい展示でした。その後本館を観ると仏教伝来後日本の姿は大きく変わったのだなぁと。縄文のダイナミズムにすっかりやられてしまった。もう一度平成館に戻って3周目をして、最後に写真をぱしゃりし東博を後にしました。
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by wavesll | 2018-08-23 23:25 | 展覧会 | Comments(0)
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