汐留にて没後50年 河井寛次郎展ー過去が咲いてゐる今、未来の蕾で一杯な今ーをみてきました。
≪二彩双龍耳壺≫の美しい黄色、黄緑。ライトな藍色がWaterfallする≪兎糸文火焔青香爐≫、緑が迸る≪緑釉人形図壺≫、灰に葡萄色が射す≪澱彩透文喰籠≫、黄色に焦げが好い感じに焼き付く≪三彩文盂≫、≪桃図碗≫はモダンな灰焼色、白の花が綺麗な≪繍花六方花瓶≫などとても良かった。 これら山口大学所蔵品などは撮影NGだったのですが、その後ろに在る≪絵手紙[松本春々宛]≫等写真OKな作品が多いのがこの展覧会の嬉しい処。ぱしゃりぱしゃりしていきました。 ≪青瓷鱔血文桃注≫と≪青瓷鱔血葉文花瓶≫の”青瓷鱔血”は青磁に銅で赤を焼き付ける技法。赤紫の妖しい紅が素晴らしかった。また≪流し描壺≫はスリップウェアという英国のようなデザインのアマゾンな逸品。 ここで面白かったのは≪鳴壺≫という作品。”Huaco of Incas”といいペルーの音が鳴る二口瓶からインスピレーションを得ているというのが興味深くて。ペルーの古代文明モチェ文明の土器とかにも通じるものがあるなと想ったりしました。河井さんの創作の素には中南米もあったのかと。 しっとり輝く白青い≪戯鞠獅子≫や紅紫のグラデーションが美しい≪紅壺≫。そしてミラノトリエンナーレでグランプリを獲ったという≪白地草花絵扁壺≫。本人にはそこまで賞に気がなかったそうで、友人が出品して受賞したとか。この”扁壺”シリーズが、なんとも素晴らしくて。 メインビジュアルにも使われた≪三色打釉双頭扁壺≫、この異形に惹かれて馳せ参じたのでした。なんでも土管からインスピレーションを受けたとか。その隣にあった≪呉洲刷毛目大壺≫の”呉洲”という藍色の色彩も良かったし、同じく土管からインスピレーションを受けたという≪黄釉塗分扁壺≫はその色付け感覚が岡本太郎にも通じる感覚と言うか、時代感覚を超越する感じが好かった。 河井氏は中国・朝鮮の硯にもかなり刺激を受けていたらしく、≪黒釉水滴付陶硯≫やバスタブみたいな≪辰砂陶硯≫、雫が可愛い≪黄釉陶硯≫なんて作品も。また嗜好品の分野でも≪鉄釉打釉煙草具セット≫という深くてかる黒の作品も作っていました。 ここから扁壺が続いて。≪辰砂筒描花文扁壺≫は『度胸星』の四次元体のよう。≪灰釉筒描扁壺≫は三角形の口。≪鉄薬面取壺≫は12面体、≪呉洲扁壺≫は藍色のイカ形。≪呉洲辰砂線文扁壺≫も時を超えるフォルムでした。 珊瑚のような印象の≪碧釉蓋物≫、タコのような≪呉洲筒描扁壺≫、また中央アジア的な模様の≪鉄釉抜蝋扁壺≫も素敵でした。 羽根のようなドローイングの≪練上鉢≫、神の仮面のような≪碧釉貼文扁壺≫。≪三色打薬扁壺≫は織部と縄文がミックスされたような名品。≪白地魚手文大鉢≫にはフォービズムも感じ、≪呉洲泥刷毛目扁壺≫は海浪のよう。≪白地三色打薬扁壺≫の現代美術のような佇まいに≪呉洲貼文扁壺≫には地中海美術を感じました。 ここから寛次郎さんが手がけた木彫のスペースへ。大量の木彫面と木彫像には、これまたインカやアステカ的な意匠を感じて。また河井さんがデザインを担当したキセルや竹製椅子、さらには花鳥虫食器家具などの文様をデザインした≪小間絵集≫という作品も。 戦時中、窯が使用出来ない時代、河井氏はコトバと向き合うことで内面世界を深めていく増した。これらの書や陶板の作品も一部屋使って展示してあり、日々の彼の精神の発露をメッセージという形で観ることができました。 また次のコーナーでは河井氏がインスピレーションを受けた諸作品と、そこから創られた河井さんの作品が展示してあって。朝鮮、伊万里、沖縄、丹波、さらには英国に近似した馬目皿など、非常に多岐にわたるルーツが彼の創作にはあったのだと感銘を受けて。 その後、≪鉄釉球体≫や≪木喰仏≫等のコレクション・遺愛品、さらには学生時代のノートや蔵書等が展示してあって。最後に展示してあった松下幸之助から贈られた≪パナペット(R-8)≫は「このラジオが私の文化勲章だ」と喜んだそうです。 またパナソニック汐留ミュージアムにはジョルジュ・ルオーの部屋もあって≪アクロバット(軽業師VII)≫と≪古きヴェルサイユ(表)≫が素晴らしかった。 さらに美術館が4Fにあるパナソニックのビルの1Fには河井寛次郎氏の轆轤の部屋の際限もあって、展覧会入場料の千円でなかなかに愉しませて呉れました。16日の日曜日まで。 最後に撮った作品達の寫眞を。 ≪青瓷鱔血文桃注≫ ≪艶消釉蓋付水瓶≫
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ≪呉洲刷毛目大壺≫ ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ≪赤絵盒子≫ ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]()
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| 2018-09-11 22:17
| 展覧会
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