


腰も砕けてがくがくというか、もう音楽体験というより台風24号に匹敵する、音楽で死にかけるなんて初めてでした。破格の聴験。
座席制。前方中央へ着席。20:00過ぎ、照明が落ち、暗闇の煙の中で仄暗くライトが灯ります。
最初に始まったのはKaraという女性のオープニングアクト。もうそういう耳になっているからか、搾り出される電子音が篳篥のようにも聴こえて。ちょっと頭の後ろで音が像を結ぶというか、脳の後ろ半球が青く波紋を立たせていく感じ。
そこからシームレスにTim Hecker達もplayに加わって。the Konoyo Ensembleという3, 4人の雅楽楽器を奏でる黒服たちが蠢いて。笙や篳篥、筝、火焔太鼓等を電子音の轟音の中で奏でます。やはりこの幽玄でアシンメトリーな音は喰い合わせが好い。
と、もう段々とくらくらしてきて。波状で押し寄せる轟きは、まるきし颱風。
ソニマニのマイブラでも全然大丈夫だったのになんか吐きそうというか、”あの世へ持ってかれる”なんて陳腐な表現は使いたくないけれど、ぐわんぐわんと意識が飛びかける。気がつけばがんがんの大音響の中で逝きかけてこの世へ留まれるかの境を彷徨っていました。
途中でソロを挟みながら全体で90分強の音響。こんなに凄いのには当分会えないだろうというか、”音楽に出来る事はここからここまでだろう”の幅を大幅に改訂しないといけなくなるような弩級の鳴響でした。