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価値判断を問い解へ歩むことがヒトの働きか 人間ってナンだ?超AI入門 第4回「移動する」



EテレでAIの技術進歩から人間を問い直すこの番組、第四回のテーマは自動運転。

シリコンバレーではディープラーニングを使って情報処理を高めています。運転に欠かせない環境認識をカメラ画像、レーダーセンサー、超音波センサー、そしてLiDAR(ライダー)というレーザースキャニング技術を搭載し、それらの情報をどう解釈するかにディープラーニングが関わって。

カメラによって捉えられた毎秒30枚のビデオ映像、このスナップショットの各ピクセルには明度くらいしか情報はありません。ディープラーニングはそのピクセル画像の情報に意味を持たせます。

AIも自動車学校で運転を学ぶ。膨大なデータからまず「ぶつからない」ことを学習、直線の移動から積み上げる。そこから夜間や雨での走行など様々な環境での走行を学習。最後に現実での走行でデータを貯めます。その全ての学習距離は100億キロ以上。

その時に使うのが深層強化学習。どうやってハンドルさばきをさせればいいか。「アクセル、ブレーキ、ハンドルの操作量」に「画像認識のデータ」を転換する作業を試行錯誤を繰り返しながら学習する。

深層強化学習=ディープラーニング+強化学習。ディープラーニングは周囲の情報を収集。そして強化学習は走行距離(報酬)、衝突(罰)で高ポイントを試行錯誤で目指させる。単純にプログラミングでルールを決め認識データで走らせるのではなく、経験から柔軟な運転が出来る様に学習させ走らせる。

AIによって安全な運転と乗り心地の両立をする加減をするのは現在の課題。逆にAIは運転でイライラすることなくムラなく機能できる。

今の車は人間が運転することを想定して設計されているので、自動運転が前提に成れば設計自体も変わるかもしれない。

AIにはアスリートのゾーンはないが、死ぬことが無いので膨大な時間をかけて鍛錬することが出来る。今は判別が難しいものの認識技術を研鑽。またAIでも「かもしれない運転」という「予想しながらの運転」をやっている。

今は高速道路や特区からの運転を目指す。自動運転は昔から研究されてきたが、近年1.センサー技術の発達 2.ディープラーニングの発達 3.通信環境の整備などの条件が整い、実用化に様々なプレイヤーが戦っている。

運転する歓びはモビリティでなく、乗馬のようなスポーツとなるかもしれない。

トロッコ問題。どちらを選んでも命に係わる時をAIに判断は可能なのか。例えばヒトを避けたらトラックと正面衝突。どの命を尊重するのか。片山右京のレーシングドライヴァーからの意見だと、目の前の命を助けるのが最優先、その次のことはその次の最善の手を考える、と。ではヒトを避けたら幼稚園児のバスでは?

人間が答えられない問いはAIにも答えられない。

今までは人間だと判断時間が足りなくて済まされていたことが、AIだと判断時間が間に合うようになると、社会に於いて新しい問題が技術的に生まれる。判断をさせるのか、させないのかも含めた議論が求められる。

番組を見て、クルマというのは改めて社会の基盤であり、特に日本では産業の基盤でもあるし、また不死でありクロック数が人間より高機能なAIが生産された時、倫理的な面でも社会に対して大きな問いがもたらされるのだと感じました。

また番組放送時から1年近く経って、ドローンや自動運転を使った運輸も本格的にプロジェクトが動いていて。空の個人利用をどうするか、空が渋滞する?なんてトピックや、AI運転車と人間の運転車が混在する情況が生まれた時にどうなるか。右京さんがいうように時期にドライヴは乗馬のようなスポーツ文化となるかもしれませんが、今、非常に大きい過渡期に世界はあるのだなと感じました。

また深層強化学習において、何を「報酬」とし何を「罰」とするかを決めるのは人間であり、時にAIはシステムとして神のような自然環境のようにとらえられると見誤りがちですが、やはり価値判断は人間の仕事、人間が答えられない問いはAIにも決められない。「価値観」こそが未来に人間が担う働きなのかもしれないと感じました。











by wavesll | 2018-10-27 06:07 | 小ネタ | Comments(0)
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