社会の動きを反映し景気の指標とされる株価にAIは少なからぬ影響を与える現代。経済の世界を変え始めたAIの仕組みとは?
ウォール街から人間の姿が減っている。ある投資銀行ではピーク時600人のトレーダーが2人に。経済動向を読むエコノミストも15年後には43%AIに。
投資先を決める上で大切なのはバランス感覚と、多数派を信じすぎない事。
フィンテック(Finance + Technology)。お金は分析しがいがありその分析とAIは相性がいい。お金の管理をAIが家計簿や分散投資してくれるアプリが出ている。交通系電子マネーや割り勘アプリなんかも。
貯蓄管理アプリでは、レシートを写真撮るだけで、OCRで文字を読み取り自動で分析管理してくれる。画像ファイルが、まず単語のまとまりが判別され、その種類ごとに店名や住所、商品名、金額などに一瞬で文章に分類される。この分類に機械学習(教師あり学習)が使われる。
蓄積されたデータを教師として、基準にし選別して「食費」や「書籍費」と分類する。
アルゴリズム取引。HFT(高頻度取引)などが増えている。5分後の株価の予想にディープラーニングを使っている。人間が捨てていた情報を自ら一部的に採用して活用することで取引のパフォーマンスを従来より20%ほど改善している。人間が取引できないタイミングでもAIは高頻度で取引できる。
人間の場合は情報を集めて考えて取引しているが、AIは遥かに短い時間で投資判断できる。
AIを使った投資にも限界やひずみがある。例えばフラッシュ・クラッシュという株価の瞬間的な急落。
AIの投資はタイムスパンが短い印象。人間は中長期の投資で活躍する余地がある。総合的な判断はAIには今はとても難しい。またマーケットの挙動が変わるリーマンショックなどにはAIは非常に弱い。
アルゴリズム取引で2010年に起きた大暴落。その後サーキットブレーカーという仕組みが導入された。
AIはどのように先を読む?
AIは1ヶ月という長期のスパンで何ができるかは難しいが、1日の中で上手くリスクをコントロールし売買はできるだろう。
経済を読むときに人間は現場の実感を大事にするが、AIは例えばTwitterなどのSNSから景況感に関係するデータだけ抜き、景気に関する呟きをポジティヴかネガティヴか判別し、指数化する。
「AIがTweetを判断」というのは、まず形態素解析。『「今日」は「みんな」と「焼肉」だ』をまず「名詞」を抜き出しBag of Wordsでプラスマイナスを学習させる。そのプラマイがついている教師データ以外のデータもプラマイを学習したルールを当てはめて判断できるようにする。単語ごとでスコア付け。
最近はディープラーニングも使う。ある単語が入った時にこれがプラスかマイナスかをRNN(リカレントニューラルネットワーク)という手法で、「こういう単語がこういう順番で入った時にプラスになりやすいマイナスになりやすい」を判断できるようにしている。文章全体の文脈から文章を頭から分析しプラマイを解析。
ヤン・ルカン(フェイスブック人工知能研究所所長)「リカレントニューラルネットワークはまた異なったものでとても頻繁に文などの一連のデータ(の処理)に使われます。例えば英語から日本語にある文を翻訳したい場合、一単語ずつ読み取り意味表現を組み立てます。これは簡単に言えば長い数字のリストです。この長い数字のリストから日本語を正しい順番で出力するため別のニューラルネットワークに入ります。つまりリカレント(=再帰する)ネットワークです。基本的に文の長さによりネットワークの大きさも変わるのが特徴です。」
インターネット翻訳の精度があがったのもリカレントニューラルネットワークのお陰。
AIは投資判断のための一つの指標としては十分に機能するだろう。それをみなが使えるので、儲かるかはわからない。同じような予想をすると取引が乱高下してしまう。そこで、AIにおいても多様性というか、ゴールベースや安定性、沢山儲けるなどの設計思想によって様々な動きが産めるかも。
今回の話は、前回の
「勝負する」回の別の側面だと感じれて。「不完全情報ゲーム」においていかに勝利(儲け)を目指すか。参考になる情報はとてつもない量があって、その膨大な計算量からすると、資産投資というゲームにもモンテカルロ木探索的な大局観の賭けの読みがいるのだろうと思いながら、繰り返されるゲームと違い株式市場などは終わりがなく、再現性をどうするかという問題も。
その上でAIの多様性という話は世界というゲームをどうPlayするかのスタイルが様々生きられるという話にも感じて。答えは一つでないというのは非常に人間臭い話にも感じた処でした。