異常の発見はAIの得意分野。がんの兆候も発見率98%以上。
人々の暮らしを変えていく人工知能、その入門TV番組、人間ってナンだ?第八回のテーマは「診断する」 人間の外見を見るのではなく内側まで診る。 人間の医者は何を”診ている”のか?診断の主戦場はミクロの世界。「診断」を通じて人間のからだって何だ?を考える。 ゲストは家庭医の岡田唯男さん。 医療の分野でも急速に活躍を拡げている人工知能。マークザッカーバーグも肯定的な未来を述べている。 ゲノム診断ではAIが大きな役割を果たし始めている。 遺伝子は人がどんな病気になりやすいかを決定する。DNA情報は60億文字以上、がん等で遺伝子が壊れている個所の発見もAIなら簡単。これまでは数か月かかった診断が最短5日でできることもある(2017年現在)。 今は全ゲノム的に調べられるので、どの遺伝子が個々の癌にとって発生させる原因なのかがわかりつつある。遺伝子レベルで診断できるAI、医療のすべてが変わる? しかしガンが完治できる時代は近いという訳ではなく、教師データを揃えるのが難しく研究の進展のスピードはそこまでではない。 DNAのA(アデニン)、T(チミン)、G(グアニン)、C(シトシン)のデータのどこかが変位したわずかな違い(スニップ)に病気の原因があるはずだが、それを特定するには疫学の論文のデータが必要。 その論文を探すのにも、遺伝子名を検索する際、相互作用する遺伝子もカヴァーしたセマンティックネットワークという知識表現を造る必要がある。ここが難しい。 意味の繋がりを含めた知識を構造化したセマンティックネットワークを、単語の意味で紐づけていく記憶の構造を利用してガンに関する知識を構造化していくことが求められる。個々の”連想”の部分はAIは苦手で、人間は得意な点と言える。AIは人間のセンスには勝てないが、計算の処理能力で補える。 病気はメジャーな病気から制覇されていき、データが少ない個人特有の難病だけが残るだろうと考えられる。 今後、医者の役割は、手当て(ヒューマンタッチ)の面も大きく、また理不尽な判断をするという人間の判断が逆にチャンスが低くても賭ける判断ができるのは人間のいい意味での非合理さがあると言える。データだけで望みが無いと判断してはいけない。 AIを医療に活用する際に医療画像はかなり使われ、色々なデータを引っ張って来るのも技術が伸びてきている。今は問診の処に取り組みが行われてきている。ここの基礎データベースができると夜中に何かあった時などにも活かせる。 AIの診断の基本は確率?人間はそこにプラスαが? AIは基本的にはデータで診断するから、データをどのように採るか、そしてデータをどう学習させて診察させるか。 登場したのは超聴診器を開発している小川晋平さん。 超聴診器には電極が3つ付いていて心電図、心音図、心音電圧図が0.5秒ずつ測って、呼吸音や空調音などのノイズを除去して解析できる。これできれいな教師データの診断ができる。今はまず大動脈弁狭窄症の診断を目指している。心音がこのような時にこの病気があるという教師データをつくり、早期発見を目指す。 新しいデバイスを創った時に起きるのは、人間は目的の情報以外にも様々な情報を得ていること。この超聴診器と人間の医者のWの診断が有用。 教師データ(学習させるための元になるデータ) 血圧に関係するのは心拍数・年齢・喫煙・肥満・家族歴・緊張などあるが、過学習(オーバーフィット)という場合がある。1次式より2次式、2次式より3次式のほうが与えられたデータの上では当てはまりが好くても、単なる例外データのせいで新しいデータへの当てはまりが非常に悪くなってしまう。 過学習をなくすにはデータを増やすことが一番の対策となる。教科書となるデータが少ないと応用が効かなくなる。またAIにはデータの質の高さが重要となる。統計学には過剰適合という言葉がある。少ないデータで結論を急ぎ過ぎてはいけない。 米国・サンフランシスコ、enliticでは肺がんスクリーニングに力を入れレントゲンやMRIを分析し診断を支援しパターンを発見して放射線科医師が早く正確に診断するのを援ける。多くの場合、人間の医師よりも2年早く発見できている。 ディープラーニングは膨大なデータの中からあるパターンを捉えるのに優れている。従来の機械学習と異なり、構造がみえにくいデータの解析を得意としている。どの潜在的なパターンが、求めている分類と関連性が有るかを教えてくれる。医療現場では多くのものが非構造的、全てと言ってもいい。あるインプットからどうやって好ましいアウトプットに到達するかは難しい問題。そのときにディープラーニングは役に立つ。 日本でもガンと画像解析の研究が始まっている。大腸がんの場合ポリープをみつけることが早期発見の鍵。医師が肉眼で発見できる確率は80%ほど。経験の差やその日の体調で2割近くを見落とす。そこで内視鏡でとらえた画像をAIでリアルタイム解析し、ポリープの特徴を判定。その発見率は98%以上。一定の精度を出し続ける利点がある。またガン診断においてヒトとAIは間違い方が大分違うのでWチェックにおいて大きな効果を発揮する。画像診断はディープラーニングが得意な領域。 実用的にはAIの診断が間違っていた時に誰に責任を問うのかという問題がある。また人間の医者は総合的な判断においてAIよりも優れた推測をする能力があるといえる。また”伝え方”を調整できるのもヒトの医者の卓越した点。逆に発展途上国などではAIを使って診断が安価になればかなりUsefulとなる。 今回の放送で感じたのは、人間が人間らしいとされている想像力が、診断という点において、少ないデータから正しい病気をピンポイントで捉えることもある一方で、十分なビッグデータがあった場合、その教師データを基にAIの方が高い精度で診断を下せる場合もあるという事。 ”勘”というか”想像力”というか、現状で、一部の病気の画像判断などでは十分な教師データが溜まりつつありますが、その人ごとの生活や人間性等も含めた総合的な診断・ケアにおいて人間が優れた結果をみせている分野が多いと。 逆に今回に出てきた過学習という概念は”羹に懲りてあえ物を吹く”というか、例えば最初の会社で鬱になって社会に希を絶つ場合や、或いは大きな政策決定過程において過去のトラウマに大きく囚われるなど、AIだけでなく人間にも起きていること。 そうした”実体験のトラウマ”を”膨大なデータにおける学習”で是正するのは寧ろ人間よりもAIの方が得意なのではないか、なども思いながら、それでも有機体の神秘というか、未確定の事態に希望を求めてチャレンジをする性質がヒトにおける特質なのかもしれないと想った次第でした。そしてその診断の精度はAIが助けることが出来る。 ”AIと人間は診断で間違い方が異なる、だからWチェックの精度があがる”というのも面白いなと思ったポイント。他者と交流するメリットは同質出ない価値基準において動いている故に総体として完全性があがるからで、世界が完全に均質となってしまったは貞子の『ループ』のような病になってしまう、AIが社会においてニューブラッドとなるかもしれない、等とも想いました。
by wavesll
| 2018-12-05 20:01
| 小ネタ
|
Comments(0)
|
ブログパーツ
カテゴリ
最新の記事
以前の記事
2024年 03月 2024年 02月 2024年 01月 2023年 12月 2023年 11月 2023年 10月 2023年 09月 2023年 08月 2023年 07月 2023年 06月 2023年 05月 2023年 04月 2023年 03月 2023年 02月 2023年 01月 2022年 12月 2022年 11月 2022年 10月 2022年 09月 2022年 08月 2022年 07月 2022年 06月 2022年 05月 2022年 04月 2022年 03月 2022年 02月 2022年 01月 2021年 12月 2021年 11月 2021年 10月 2021年 09月 2021年 08月 2021年 07月 2021年 06月 2021年 05月 2021年 04月 2021年 03月 2021年 02月 2021年 01月 2020年 12月 2020年 11月 2020年 10月 2020年 09月 2020年 08月 2020年 07月 2020年 06月 2020年 05月 2020年 04月 2020年 03月 2020年 02月 2020年 01月 2019年 12月 2019年 11月 2019年 10月 2019年 09月 2019年 08月 2019年 07月 2019年 06月 2019年 05月 2019年 04月 2019年 03月 2019年 02月 2019年 01月 2018年 12月 2018年 11月 2018年 10月 2018年 09月 2018年 08月 2018年 07月 2018年 06月 2018年 05月 2018年 04月 2018年 03月 2018年 02月 2018年 01月 2017年 12月 2017年 11月 2017年 10月 2017年 09月 2017年 08月 2017年 07月 2017年 06月 2017年 05月 2017年 04月 2017年 03月 2017年 02月 2017年 01月 2016年 12月 2016年 11月 2016年 10月 2016年 09月 2016年 08月 2016年 07月 2016年 06月 2016年 05月 2016年 04月 2016年 03月 2016年 02月 2016年 01月 2015年 12月 2015年 11月 2015年 10月 2015年 09月 2015年 08月 2015年 07月 2015年 06月 2015年 05月 2015年 04月 2015年 03月 2015年 02月 2015年 01月 2014年 12月 2014年 11月 2014年 10月 2014年 09月 2014年 08月 2014年 07月 2014年 05月 2014年 04月 2014年 03月 2014年 02月 2013年 11月 2013年 10月 2013年 09月 2013年 08月 2013年 07月 2013年 06月 2013年 05月 2013年 04月 2013年 03月 2013年 02月 2013年 01月 2012年 12月 2012年 11月 2011年 04月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2007年 02月 2006年 12月 2006年 11月 2006年 10月 2006年 09月 2006年 08月 2006年 07月 2006年 06月 2006年 05月 2006年 04月 2006年 03月 2006年 02月 2006年 01月 2005年 12月 2005年 11月 2005年 10月 2005年 09月 2005年 06月 2005年 05月 2005年 04月 2005年 03月 2005年 02月 2005年 01月 2004年 12月 2004年 11月 タグ
記事ランキング
最新のコメント
最新のトラックバック
link
世界のあいさつ
世界経済のネタ帳 The Global Jukebox everything is gone 第三の波平ブログ LL めるみほしき さみあもにょる aktkta 「あき地」 ぁゃιぃ(*゚ー゚)NEWS 2nd Antenna SHUMAMB_CLTR 海外の反応アンテナ ヤクテナ 阿木 譲 a perfect day 黒夜行 耳の枠はずし Pirate Radio スーパーリスナーズクラブ togetter dezire_photo & art BOX 琥珀色の戯言 はれぞう bohemian rhapsody in blue 極東BLOG 終風日報 道草 金子勝ブログ とうきょう砂漠のアレクサンドリア iGot ドM 冬眠 アッチャー・インディア HITSPAPER まなめはうす RinRin王国 あなたのノイズ、わたしのミュージック。 酔拳の王 だんげの方 Kain@はてな miyearnZZ Labo Nest of innocence 小生にうず VICE JAPAN AbemaTV UNI(うに) FNMNL Tenderhood. 反言子 ugNews.net JUN THE CULTURE おもトピ Hiro Iro 小太郎ぶろぐ みずほN◇MIZUHO(N) 面白法人カヤック コロコロザイーガ学園 NOT WILD STYLE TATAKIDAI 「ニーツオルグ」保管ページ わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる ゴルゴ31 !DESIGN, iDESIGN ヤマカム 小さい研究所 BLACK徒然草 できそこないβ版 チェコ好きの日記 404 Blog Not Found SHE Ye, Ye Records LOS APSON? EL SUR RECORDS Art into Life Meditations more records 240雑記 Hagex-day.info amass TRiCK FiSH blog さて次の企画は ねたたま 神魔精妖名辞典 朝目新聞 虚構新聞社 荻上チキ Session22 メディア・パブ ポリタス 天漢日乗 暗いニュースリンク 溜池通信 純喫茶アカザル(ほぼ音楽喫茶) とっぴんぱらりのぷう Plogect::Logistica 先見日記 SYNODOS 週刊ソラミミスト nardo 山田ズーニーの「おとなの進路教室。」 RaziChord / Nakayubi / Nine-Hz ゾウィの音響徒然日記 音のソノリティ Musica Terra 日本の古本屋 adabana 林揚羽 俗窓 カフェー こむぎ はてブニュース 東外大言語モジュール Y.D from夢中夢 やくしまるえつことdvd 時計ちっく Font In Use ガチャガチャブログ retrievr Neave Interactive Mediachain Attribution Engine Ostagram ディープネットワークを用いた白黒写真の自動色付け Radio Garden 最終防衛ライン3 ※コメント・トラバ大歓迎。 ※このサイトで使用している記事・画像は営利目的ではありません。リンクなど、問題があればコメント(非公開でもかまいません)を下さい。対応します。このサイトの内容を使用して発生した損害等に関して、直接的間接的あるいは損害の程度によらず、管理人は一切の責任を負いません。 鴎庵はリンクフリーです。はずすのもご自由にどうぞ。 ライフログ
|
ファン申請 |
||