人気ブログランキング | 話題のタグを見る

人間らしさとは? 人間ってナンだ?超AI入門 第12回「働く」


この番組も今回で最終回、2045年ともいわれているシンギュラリティ。どう働き、どう生きるのか?ゲストは哲学者で東大名誉教授の小林康夫さん。

AIは文字革命に匹敵する人類史上の転換点?人間ってこれでおしまいなの?か「新しい人間」に行けるのか?

工業用アームもダイレクトティーチングといって、人間が手で”こうですよ”教えられるサブサンクション・アーキテクチャーという技術。ヒトが入る職場でロボットも働ける。これを開発した人は元MITのロドニー・ブルックスさんで、身体性を重視し、ルンバなんかも開発している。

サブサンクション・アーキテクチャー(包摂アーキテクチャー)。
それまで人工知能では与えられた情報を一か所に集め解析する一極集中が主流だったが、ブルックスは「脚を動かすだけなら脚に任せればいい」「障害物に当たったら脚を上げるなどの反射的な運動」をベースに多段階で構成した方が効率が良いと考えた。世界と知能の間にあるカラダを重視する考え方。

人間のボディに近づくのかというと、人間用に作られている空間では人間と同じような身体のほうが作業しやすい。一方で工場や畑で働くときは人間の大きさや人間の動作を気にすることはないから人間のカタチと関係ないロボットの進化になるという二通りで進んでいる。

産業用ロボットに限らず人工知能を備えたロボットが人間と同じ空間で働くことが現実となっている。今後ディープラーニングによってAIがさらに賢くなった時、ヒトとAI、ヒトとロボットの関係はどう変わるのだろう?

機械は一定の動作をするしかできないので、人間の動作に合わせてロボットの側が動きを変えるのは基本的には出来なかった。ところがディープラーニングの技術と組み合わせて人間がやったのを受け取ってやるとか協調的な動作が出来る可能性がある。

ただ人間の身体の方がスペックが大きいので、人間が出来なかった動作をロボットがやり直すのは技術的には難しいかも。AIは人間の仕事を補完する存在に成り得るが、同僚になるのは…まだ先かも?

働く上でヒトはみな自分の能力を最大限発揮したい。AIが協力すれば潜在能力や直感的な閃きを引き出せるかも。

脳波計で人の感動状態、感情を収集して、その人が感動する曲をつくる試みがある。曲を聴かせて快か不快かを分析、和音進行などと照らし合わせ、オーダーメイドな新曲を作曲できる。将来的にはセラピーというかその場の人の反応に応じて精神的なケアができることを目指す。アスリートが試合前に”こういう精神状態にしたい”というのを援ける音楽。AIは”働く”人間の秘めた能力を引き出すこともできる?

人工知能研究と人間の脳の深いつながり。カナダ・トロント大学のジェフリー・ヒントン教授に話を聴いた。

「長い間脳だけが『知能』のモデルでした。例えば視覚に関して言えば脳はコンピューターより優れていたので脳がどのように感知しているかを知ることが重要でした。知識は経験によって得られるのです。たくさんのものを見ることで認識できるようになります。母親が『あれは牛だ』と一度言うだけで何が牛かを学ぶことができ、その後は母親が名指ししなくても牛を認識できるようになります。それを脳がどうやっているのかまだ正確には分かっていません。

しかし今は脳が『誤差逆伝播(バックプロパゲーション)』のようなことを行っているのではないかと議論されています。『誤差逆伝播』は情報を逆流させて正しい答えを出すために重みを少しづつ変えることを繰り返します。最近まで神経科学者は『このアルゴリズムは複雑すぎて人間の脳ではできない』と言っていました。しかし人工知能でこれが大変うまく機能しているので彼らも人間の脳でも同じことが行われているのではないかと考え始めています。」

AI研究が人間の脳を深く知るヒントに。ディープラーニングで工学的な「やったら上手くいった」発明が増えてきた。工学的なアプローチによる理論を脳に照らし合わせることが起こり始めている。

例えばバックプロパゲーションもニューラルネットワークのスパイク(発火)のタイミングで重みが増したり薄くなったりしているのではという説もある。脳における発火の時間差がAIの重みづけと対応しているという説。

ニューラルネットワークでの「重み」をどう決めているかというと「間違えたこと」を後ろに戻していき誤差逆伝播させてニューロンの太さを変えていく。普通判断は下から上へ行くが、判断が間違ったときは関係を弱め、当たった時は関係を強めることで、組織として正しい判断ができるようになる。

人間の脳では誤差逆伝播の経路は見当たらないのだけれども、時系列を駆使しているという説もある。人間とAI、互いに相手の構造を解明しあっていく?

ディープラーニングの「ディープ」とは?「深い」はなんで重要?
深いの逆は「浅い」。つまり階層が一層しかない。では層が重なって深くなるとなぜいいのか?

人間の組織はなぜ階層構造なのか?
階層が出来る事でまとまりというか統一が出来るから?

一つ目の答えは我々の住む世界が階層的だから。しかし我々の住む世界は本当に階層的なのか?我々の認識によって世界が階層構造のように見えているだけなのでは?階層はあるようにみえているだけで人間の知能が生み出した虚妄?それは人間が言語を学んだことと関係がある?言語が<テキスト→フレーズ→品詞>という階層構造をしていることが大きい。

積み重ねられた特徴量・概念にラベルが対応することが言語。言語が階層的≒人間の見方が階層的。今AIは単なる情報を処理するだけでなく人間でいうコンセプト(概念)まで掴むことが出来つつある。

経済学の父アダム・スミスは社会は労働の分割と言いそこに基礎を置いた。「働く」の意味が変われば世界も変わるのだろうか?

人工知能の一番大きな応用は?そして「人間らしさ」とは何か?
松尾先生の説は『人間の認知・判断が人間にしか付随していなかった。それが切り離されて社会の必要なところに配置されることが起こる。それが意味するものはロボットが色んな作業を上手にやったり今まで人間にしかできないと思っていた作業あるいは判断が次々とAIに出来る様になってくる。』というもの。『AIによって人間の知識が世界に遍在する』。

それが出来た時は人間は働かなくても良くなる。今まで一番大事だったのは生存するために闘争し欲望するのがすべてだったが、AIが理想的に実装されたらそこから解放されるだろう?その時「人間らしさ」は?労働して世界をつくっていくことが人間の最大の定義だったのに、これを全部AIがやってくれたとしたら?そこでは無感情な人間がただただ生存するだけにならないか?そこで「新しい人間らしさ」を獲得するのか?

小林「人間っていうもののディープラーニングを遥かに超えた深さが再発見されないとただやることなくなって”生きてなくてもいいかな、世界は廻ってるし”と意味がなくなってしまう。その時の意味をそこからくみ上げてくるかと言えば自分の存在の深さから汲みあげてくるしかない。そこで人間はもう一回、共感をAIから学ばなければならない。インターフェイスや違ったもの同士が触れ合うとか。ここが瀬戸際。」

松尾「人類は生存のために闘ってきた。こここそが「人間性」では。AIがいくら普及しても人間性は変わらない。AIが普及することによって生産に関する直接的な働きは人間はしなくてよくなると想う。だけれどもそれと関係ないところで人はコミュニティをつくり敵を作り、その中で何らかの形で闘い、仲間と共感し、”部族ごっこ”はずっとやっていく。AIが幾ら普及しても働かなくなることはない。」

人間の認知を超えた世界が開けた時に、どんな光景が広がるか。人間の認知はほんと一部しかみえてないのではないか。AIによって人間は知ることの限界を理解した。もっと未知はある。今こそそこに行くべきだ。










人間における宇宙、人間における歴史の劇的な転換点に今我々は立ち会ってるのだなと。「人間らしさ」が闘争であり働くことであったとして、人間が自分の認知の限界を認識したその先に人類史上かつてなかった未知のフロンティアがあける。わくわくする未来、ドキドキの不安もある未来が拓けて。それは例えば囲碁の棋士が先に到達している世界かもしれません。Artというものが未来を先んじるとして、人間の「深さ」をどう耕すか。来年から始まるというシーズン2も楽しみです。

by wavesll | 2018-12-29 10:52 | 小ネタ | Comments(0)
<< Helsinki Lambda... 異郷の電化歌謡の魅惑に憑りつか... >>