
京都・北野天満宮へきました。
基本は105年前の大正の建築だけれどもトイレだけは明治の建築というのもしれました。
夕陽に照らされる中庭からみた木造建築の有機性。洗濯物が干されたり鶏が飼われたりそこには人の暮らしが息づいて。漫画部屋や麻雀部屋、フリースペースな食堂など、無機質なアパートでないコミュニケーションの磁場があって。なんとか、なんとか残せないものだろうか…。


最後に訪れたのが京都文化博物館での北野天満宮 信仰と名宝 天神さんの源流展。19:30まで開いてると思ったら特別展は18:00までで焦りましたが、目当ての≪北野天神縁起絵巻 承久本 第6巻≫をみることができました。
まず大きい!縦52.1cmのラージサイズの絵巻に描かれるのは怨霊となった菅原道真の手下、火雷火気毒王が京を襲う場面。荒々しいタッチの雷鬼から放たれる金の稲光と霊魂のような焔、太鼓も立体的で、なんとも迫力のある奇想な画でした。
そして此の承久本が収められていた≪承久本 附 梅樹蒔絵箱≫も国宝で黒に金梅が清く香って。また≪北野天神縁起絵巻 光信本≫や≪北野天神縁起絵巻 光起本≫、≪天満宮御畧伝≫には菅原道真が筑紫に流される場面や、山で祭文を奉じ天満自在天神になる場面などが描かれていました。
この他、まるでデーモンのかぶりものをしているかのような≪鬼神像≫や碧い宝玉が美しい≪金銅装神輿≫、御手水の神事の際に詠む道真の祭文や和歌が記された≪七夕神事秘文書≫、水牛のような生命力を感じさせる造形の≪梅松蒔絵角盥・楾≫や梅の柄が美しい豊臣秀頼の≪刀(太刀)銘 于時慶長十二(丁未)十一月日信濃守国広造/北野天満天神豊臣秀頼公御造営之時 附 金梨地梅松蒔絵飾太刀拵≫、さらには≪日本書紀≫まで名宝たちを楽しめました。