

埼玉県立近代美術館にて
インポッシブル・アーキテクチャー展をみてきました。
「建てられなかった建築展」。正直建築展の場合、図面と白い紙での模型だけだと面白みが薄いところがあると個人的には感じるので、その壮大な計画が建築図面だけでなく木製模型やCG映像などでもあらわされていたのがとても良かったです。特に木製模型は
建築の日本展@森美に続きやっぱり魅力的な展示物だと感じました。
また前川國男の≪東京帝室博物館建築設計図案≫のところに掲げられていたジョサイア・コンドルが作った最初の
≪東京帝室博物館本館≫の写真が
京博のように優美な姿で”これもいいなぁ”なんて思わされました。
そして展示はMETABOLISM 1960:都市への提案 という建築家たちの運動の篇に入ります。
この中でも最もぶっ飛んでいた計画が
菊竹清訓≪海上都市1963≫。房総の山を核爆弾で破壊し、その岩石と土砂で東京湾を埋め立てそこに皇居などをうつし新首都「ヤマト」を打ち立てるというwヤバイw実際この発案はその後のメガフロート建築にもつながったそうです。
またこの時代、中空に建築をつくる計画というムーヴメントがあって、コンスタン(コンスタン・ニーヴェンホイス)≪ニュー・バビロン≫や
ヨナ・フリードマン≪可動建築/空中都市≫の展示も。ヨナ・フリードマンは2017年にクラウドコンピューティングを駆使し宅地と緑地の新しいバランスの都市計画を提案していました。
そして21世紀の「インポッシブル・アーキテクチャー」へ。
メインビジュアルにお使われている≪ヘルシンキ・グッゲンハイム美術館≫はWeb上から利用可能なオブジェクトをDLしそれをキットとして建築の装飾を形成する手法で、まさしく現代の神殿的な建築だなと。それと同じ手法が活かされた≪西57丁目のタワー≫はゲームオブスローンズのキャラから愛称がカリーシと呼ばれているそうです。映像に流れていたCreepの合唱での「I'm a creep, I'm a weirdo」が建築家たちの心の声に聴こえ印象的でした。
IMPOSSIBLE ARCHITECTURE展をみたあと1Fに降りてコレクション展をみたのですが、ユトリロやモネ、ピカソなども良かったのですが、埼玉ゆかりの画家瑛九の展示が結構良くて。特に
≪田園≫はこの日にみたArtの中でも1,2を争うくらいの素晴らしさでした。ライト・デッサンという鑑賞者が光量を操作できる展示だったのですが、空と大地がぶわっと迫ってきて。瑛九氏を初めて知ったのですが、本当にとても良かった。
その他屋外の彫刻作品なんかも面白いのが多かったです。インポッシブル・アークテクチャー展は明けて本日24日まで。渋谷から小一時間かからずに行けます◎