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トルコ至宝展 チューリップ(ラーレ)の宮殿 トプカプの美@新美

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「トルコ至宝展 チューリップの宮殿 トプカプの美」を新美にてみてきました。

イスタンブールでトプカプ宮殿を訪ねた時、工事で宝物殿が閉まっていて、今回日本でのトプカプ宮殿展の開催は嬉しい驚きでした。


本展は何しろ最初の間がクライマックス。金・ダイヤモンド・ルビー・エメラルド・真珠・七宝と贅をつくした≪ターバン飾り≫や、ズドンとした存在感の≪スルタン・マフムート2世の玉座(支配者の肘掛け椅子)≫がのっけから凄くって。

≪スルタン・アブデュル・ハミト2世の花押(トゥーラ)≫の黄金や≪スルタン・ムラト4世玉座図≫ではピンクのうるわしさがまた良くて。

そして≪スルタン・メフメト4世の宝飾短剣≫はなんと柄がエメラルド!≪儀式用宝飾水筒≫も金銀財宝がぎっちり。≪宝飾兜≫もアラビア文字が美しく、≪立法者スルタン・スレイマン1世の刀剣≫は鳥と花、植物、文字で金色に彩られ、メフメト作≪直刀≫は赤い珊瑚やトルコ石・ダイヤモンドが美しく、≪柳装飾の盾≫も紅に美しかった。

また≪カフタン≫という上着や≪スルタン・ムラト4世のシャルヴァル(ズボン)≫、≪皇子用のカフタンとチャクシュル(靴付きズボン)≫、真珠母貝や銀金で彩られた≪ベルト≫、≪射手用指輪≫や≪射手用箙≫もエメラルドやルビーできらめき、碧玉、金、ルビー、エメラルド、七宝で輝く≪宝飾筆箱≫や黄金の法具のような≪宝飾手鏡≫に翡翠が美しい≪宝飾翡翠カップ≫、そして七宝やルビー、エメラルド、トルコ石の≪壁掛け時計≫と宮廷のエクスクルーシヴな暮らしがみえます。

そして今回の展覧会で初めて知ったのはオスマン帝国のチューリップ文化。チューリップはアラビア語でラーレと言いますが、この文字を組み替えるとアッラーにもなり、アラビア文字の数字の加算でもアッラーと同じになり、さらにはスルタンの属するカユ族の紋である三日月(ヒラール)の意味にもアナグラムで成るという。様々なアイテムにチューリップの意匠が使われて。

≪兜≫はゴールデンチューリップ。≪長靴≫はネオンサインみたいだし、≪付袖≫のスリーヴに、≪宝飾吊るし飾り≫は水晶が凄い。銀金に象牙も使われた≪宝飾ベルト≫に≪バックル付きベルト≫も美しい。≪鞄≫、≪ピストル・ケース≫もシンプルに美しいし、≪新生児用掛布団≫もチューリップ柄。≪ハサミとケース≫も麗しく装飾されて。ガラス製の≪吊るしランプ≫や象牙の≪葦ペン削り板≫や赤珊瑚の≪匙≫も素晴らしかった。

また文物も展示してありました。ルーミー文のチャケリー≪詩集のワニス塗り表紙≫を初めとして、アブドゥッラー・ブハーリー≪ピンク色の燕尾型チューリップ≫や≪論文集≫、メフメト・ラースィム≪スルス書体・ナスフ書体のアルバム≫、≪『偉大なる祈り』(Hizb el-Azam)の花束文様≫、デルヴィーシュ≪バラ色の燕尾型チューリップ≫、メフメト・アシュキー≪『チューリップ花暦』(Riale-i Takvim-i Lale)≫や≪『書道手習い本』(Elifba Cuzu)≫にセイイド・ハーフズ・ヒュセイン・ルトフィー・ザーラーヴィー≪『善のしるし』(Delail-i Hayrat)≫、ムスタファ・ハリーム・オズヤズジュ≪ナスフ書体扁額≫も、美しいカリグラフィと植物の輝き、そして淡いピンクの遣い方が非常に印象的でした。

ここから器などのパート。一番印象的だったのは、トプカプ宮殿でみて”おっ!これは面白い”と想っていた中国の陶磁器にオスマントルコで宝石を埋め込んだ≪染付宝飾皿≫・≪宝飾碗≫・≪染付宝飾碗≫・≪宝飾皿≫。黒と金の≪亜鉛製皿≫もなかなかだったし、イズニクのタイルのキャプションにはイスタンブルでみたスレイマニエモスクをつくった建築家ミマール・スィナンの記述も。時が下るとタイルの産地はイズニクからキュタフヤに遷ったそうです。

紅に輝く≪聖遺物用箱≫や≪聖遺物(髭)用風呂敷≫にはメヴラーナ美術館で観たムハンマドの髭を思い出して。≪礼拝用敷物(セッジャーデ)≫や丁寧な暮らしを思わせる≪ナプキン≫、エメラルドブルーにピンクの≪香炉≫にムハンマドの香りだという≪バラ水入れ≫、≪七宝製バラ水入れ≫はパステルで、≪エディルネ木画の葛籠≫には魔法的な幾何学模様が。螺鈿っぽい加工がしてある≪梯子≫や≪サイド・テーブル≫には宮廷のハイクオリティさをみて。アフリカの夕景のような≪ザール・ベルデ(壁用カーテン)≫、ピンクの七宝にクリスタルガラスな≪水タバコ≫、≪スルタン・アフメト3世肖像画≫の細密描写。

1/20スケールで銀と木でつくられた≪スルタン・アフメト3世の施水場模型≫、ベイコズ・ガラスでつくられた≪チューリップ用花瓶(ラーレ・ダーン)≫に外で使われたという≪サーイェーバーン(日陰テント)≫、≪靴下≫も花柄、花の意匠をつけた≪轡≫なんてのもありました。

そして≪スルタン・スレイマン1世のものとされる儀式用カフタン≫や≪染付カラック(芙蓉手)様式皿≫や植物がみずみずしくカラフルに描かれたヨーロッパやフランスの≪皿≫や取っ手がカクカクしている≪コーヒー・セット≫。ドイルからは絵画にも描かれた≪備え付け時計≫、フランスからは三角形の文様の≪暖炉時計≫がありました。

そして最後の間はトルコと日本の交流。エルトゥールル号の義援金を持って行った山田寅次郎が著した≪『土耳古畫觀』≫に寅次郎が持って行った≪金太刀≫、さらにはドルマルクチェ宮殿に展示されている鹿が画かれた有田焼の≪花瓶≫に龍と鳳凰のデザインの有線七宝の≪花瓶≫に鳩の有線七宝の≪花瓶≫、皇室からスルタンへ贈られた≪勲章(大勲位菊花大綬章)≫、オスマン帝国から贈られた≪紫天鵞絨地花文刺繍卓被≫がありました。

最初の間の密度で絢爛豪華さが続いたらもっと凄まじかったなとは思いつつ、オスマン帝国宮廷とラーレ(チューリップ)の関係やピンクの水彩の美しさなどトルコへの想いを掻き立てられる展示でした。

by wavesll | 2019-04-05 01:34 | 展覧会 | Comments(0)
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