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BS1スペシャル スプツニ子!「個人情報が世界を変える~データ社会の光と影~」 日本の主体性のなさ。最低でも最速の二番手であらねばなるまい。


スプツニ子!さんがプレゼンターとなって米国と欧州に現在起きているWebにおける個人情報の取扱いに関する取材をしたドキュメンタリー。

前半はU.S.で、CESを初めとして個人情報をどんどん提供することでさらによりよいサービスを受けることが出来る、そんなイノベーションをどんどん紹介しながらも、トランプが大統領選で行ったWebでのヒラリーのネガティヴキャンペーンに、Webの個人情報がプロファイリングされ利用された事例も紹介。

ケンブリッジ・アナリティカの元社員と、裁判を起こして自分の個人情報がどう利用されたか公開を求めて活動している人を取材し、スティーヴ・バノンが関わったケンブリッジ・アナリティカではアプリのゲームを配布し、それをPlayした人とその人と繋がりのある人からfacebookの情報を抜き出し、そこでAIを使って属性を分析。公開を求めた人の話によると、様々な政治トピックにおいて何を重要視しているかとか政治的な位置、共和党支持者か民主党支持者かも分析されていたらしいです(その人は浮動層と分析されていたそう)。

前半ラストで米国の研究者が「今プライバシーなんてものは無い。どんどん個人情報を提供し、どんどん生活を便利にしていく、そういう時代だ」と語る様子が流れます。

一方後半はEUで採択された一般データ保護規則(GDPR=General Data Protection)に関する取材。

これはデータの主権を個人に取り戻すという取り決めで、データをEU域外に持ち出すのも、勝手にプロファイリングするのも禁止し、場合によっては個人情報は削除を要求できるというもの。

というのも、現在では個人情報こそが富の源泉となっていて、トランプが大統領選で利用した手法も、基本的には広告会社がターゲッティング広告を行うために使っていたもの。ある調べではEU域内からU.S.カリフォルニアに流れている個人情報の価値は125兆円にものぼるといいます。この利益を欧州に取り戻そうというのがGDPRの主眼。実際この法律を使ってEUはGoogleに62億円の制裁金を課そうとしています。

EU議会の選挙に向けて政治的な鍔迫り合いはもう始まっていて、左派も右派も一般市民にそれぞれの主張を勉強会で話します。特に極右とされるグループの影にはあのスティーヴ・バノンが暗躍していたり、無論GDPRに関する立場も左派と右派では異なります。寧ろ極右はプロファイリング広告などを使って「ネットで真実」を推し進めるためにGDPRには反対していたり。

このGDPRが決まることで、欧州からITの大企業が引き上げる恐れがあったり、あるいはITにおけるイノベーションが立ち遅れることが懸念されたりもしていましたが、少なくとも現状ではベルリンはフィンテックにおける第一の都市であるし、あるいはプライバシーフレンドリーなスタートアップがどんどん起きていて、個人に紐づいた情報を4日間しか保持しない検索エンジンECOSIAのように寧ろ創新が起きている事例が紹介されていました。

番組の最後ではカリフォルニア議会で採択されたインターネットにおける厳しいプライバシー規制法案を取り上げて終わりました。

さて、この番組をみて感じたのは、ことWebにおける日本の主体性のなさ。
GoogleにせよFacebook、Twitter、あるいはSpotifyにせよ欧米にサービスを持っていかれて。Tiktokは中華だし、LINEは韓国。ITのサービスの利益をみすみす海外に渡してしまっています。

これは日本の意志決定層の後進性と言うか足の引っ張り合いも大きくて。LINEの開発チームはもともとはライブドアの人たちで。ホリエモン憎しで潰したせいでものの見事に鳶に油揚げをかっさらわれ、膨大な個人情報を明け渡すことに成りました。(LINEは韓国の国家情報院(旧KCI)Aに傍受・分析されているのは有名です)

ここ数年のITであったりAIの番組を見ていると、日本においても競争力を高めるためにプライバシーはどんどん捨てていかねばなるまいという論調が大きいものでした。中国ではITにおける社会信用システムが築かれているとか、そういう煽りも。日本でも信用スコアの動きは始まっていますね。

そんな流れの中で欧州のハッカーたちは自分達でオープンリソースの地図を作ったり、プライバシーに配慮したチャットアプリをつくっているという話には心打たれました。また経済的な利便性の論理に流されることなく「本当に自分たちにとって重要で利益に成ることは何か」を考察し、決定を下すEUは、やはり哲学が根付く土地であるなと想いました。

また中国にしても自国でYoutubeやTwitterを使わせない政策をしたことでウェイポーやアリババなど自国のIT産業を育てたのは”まず自分が第一運動であろう”という意志に感じて。

日本の場合はF社などの守旧派が幅を利かせ、ベンチャー企業を圧迫しているとも聴きます、ライブドアにしてもそう。イノベーションを阻害する老害は除去する必要がありますが、それ以前に少なくとも現状では自分が第一運動であろうとせず、流されるままにヴィジョンなく動いてしまっているとも感じて。まぁこれは軍事面でU.S.に依存し属国化しているというのもあるとは思いますが、残念なこと。

そしてもしゼロから思想を立ち上げることが現状苦手だとしても、最速の2番手と言うか、世界の最新の動きを分析・実践し、フットワーク軽くスピード感をもってITの世界では勝負をしていかないと本当に今後の日本の産業は目も当てられないことになりそうです。想うに、国産への想いは多くの国民は持ちながらも、F社などのせいかは分かりませんがあまりにも窮屈なサービスの惨状から海外産のサービスに日本のユーザーも流れてしまっている。創新が活発化するには、抑え込んでいる老害から解放し、「自分が何を欲しているかを真摯に見つめ、行動する」ことを促すことが何よりも重要だとも感じました。

この番組は2019年5月11日(土) 午前0時40分から再放送されるそうです。もし良ければ是非ご観覧を◎

by wavesll | 2019-05-10 01:20 | 小ネタ | Comments(0)
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