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リヒテンシュタイン侯爵家の至宝展@Bunkamura にてデ・ウィッテの馬やクラーナハ、金具付き磁器に侯爵家の美肖像画を観る

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Bunkamura ザ・ミュージアムにてリヒテンシュタイン侯爵家の至宝展をみてきました。

まず最初に出迎えてくれるのがリヒテンシュタイン侯爵家の面々の肖像たち。

フィリップ・ハインリヒ・ミュラー≪リヒテンシュタイン侯ヨハン・アダム・アンドレアス1世の肖像メダル≫はまるでバラの花束のような髪の毛のカールが印象的。

そしてヨハン・ハインリヒ・ティッシュバイン周辺の画家≪リヒテンシュタイン侯レオポルディーネ・アーデルグンデ(1771年にヘッセン=ラインフェルス方伯と結婚)≫、ハインリヒ・フリードリヒ・フューガーに帰属≪フュルステンベルク=ヴァイトラ方伯家出身のリヒテンシュタイン侯妃ヨーゼファ・ゾフィーの肖像習作≫、ヨーゼフ・カール・シュティーラー≪リヒテンシュタイン侯爵家出身のエスターハージー伯妃ゾフィーの肖像≫の何たる美女なこと!”本当に、白人は、美しい…”と息が零れる綺麗さ。

そしてフリードリヒ・フォン・アマーリング≪リヒテンシュタイン侯女カロリーネ、1歳半の肖像≫≪リヒテンシュタイン侯女ゾフィー、1歳半の肖像≫そしてヨーゼフ・ノイゲバウアー≪リヒテンシュタイン侯フランツ1世、8歳の肖像≫のなんと可愛らしく聡明そうなこと…!ちなみに”ゾフィー”という名の女性が多数いますが、全員異なる人物とのことでした。

リヒテンシュタイン侯爵家の宝物の肖像画というとルーベンス展でみた≪クララ・セレーナ・ルーベンスの肖像≫ですが、いやいやどうして高貴な人達は(もしかしたら美的修正もあるかもですが)全く美しいなと。

そんな美しい人たち、侯爵家は、欧州の中で美術蒐集で身を立てていくことになります。

ヨハン・ゲオルク・プラッツァー≪雅な宴≫はまるで磁器の人形のような人々の質感。

そして今回の展覧会で一番”おおお、これはみれて良かったなぁ”と想ったのがルートヴィヒ・デ・ウィッテ≪軍服姿の軽騎兵ザーロモン・アラピーと葦毛の馬≫と≪馬丁と黒斑の馬≫。デ・ウィッチはリピッツァナー種の種牡馬を専門に描く画家で、その馬の質感描写は同じくBunkamuraでみたトレチャコフ美術館展でみたニコライ・ドゥボフスコイ≪静寂≫にもにた超現実的な潤いがありました。馬の鬣が三つ編みになってたのも面白かった。

侯爵家のコレクションの一つのジャンルが宗教画。宗教画コレクションではクラーナハ(父)が良かった。

ルーカス・クラーナハ(父)≪イサクの犠牲≫ではあの絶望的な目の人々が躍動して、天使も肉感的。やっぱり侯爵家の肖像は特別綺麗に描かれていたんだなと。

ローマ帝国軍人が鹿の角の間に磔刑像をみてキリスト教に改宗する様を描いたルーカス・クラーナハ(父)≪聖エウスタキウス≫は赤い鎧のエウスタキウスもいいし、馬や犬、そして鹿の描写も良くて。

そしてルーカス・クラーナハ(父)≪聖バルバラ≫は小品ながら金地の装飾があり、まるでグレタ・トゥーンベリさんのような不機嫌な顔の聖少女が印象的で。クラーナハ展@西美を改めて思い起こしたりしました。

その他グイド・レーニ≪マグダラのマリア≫、シモーネ・カンタリーニ≪少年の洗礼者ヨハネ≫、グイド・レーニ≪読書する福音書記者聖ヨハネ≫はやはり美しかった。

そして神話画・歴史画ではヘンドリク・ファンバーレン≪エウロパの略奪≫でのユピテルが化けた白牛のなんと悠然たることか。この展覧会、動物の描写が良かった。

またペーテル・パウル・ルーベンス≪和平を結ぶ機会を捉えるアンリ4世≫と≪クートラで勝利するアンリ4世≫は古代なセピア色で。フランチェスコ・ズッカレッリ≪侍女と猟犬をともなうディアナ≫はセフェリン・アルケンの額縁が良かった。

そしてこの展覧会の大きな柱がリヒテンシュタイン侯爵家の陶磁器コレクションで。

ウィーン窯・帝国磁器製作所(ゾルゲンタール時代)レオポルト・リープ、アントン・コートガッサー、マティアス・シュヴァイガー、フェルディナント・エーベンベルガー、原画:アンゲリカ・カウフマン≪カップと受皿「武器を取り上げられるクピド」≫とウィーン窯・帝国磁器製作所ジグムント・フェルディナント・リッター・フォン・バーガー、原画:グイド・レーニ≪絵皿「ケンタウロスのネッソスに略奪されるディアネイラ」≫はパープルピンクが良かった。

日本の伊万里や中国の景徳鎮も蒐集されていて。中国・景徳鎮≪色絵花唐草文大皿≫はチャイニーズ伊万里と言う伊万里を模したものも。

そして大きなコレクションの一団が日本や中国から輸入した磁器に欧州で金などの金具を付けたもの。

トルコ・トプカプ宮殿の展示でも陶磁器に宝石なんかを埋め込んだものがありましたが、青白の磁器に金の月桂樹の装飾などが施されるのは色味も相まって結構良かった。

中国・景徳鎮窯 金属装飾:イギリスの金銀細工師≪染付花鳥金具付水注≫、中国・景徳鎮窯 金属装飾:イグナーツ・ヨーゼフ・ヴュルト≪染付庭園文金具付大皿≫、日本・有田窯 金属装飾:イグナーツ・ヨーゼフ・ヴュルト≪染付山水文金具付ポプリ蓋物≫、中国・景徳鎮窯 金属装飾:イグナーツ・ヨーゼフ・ヴュルト≪染付花鳥文金具付壺≫、中国・景徳鎮窯 金属装飾:イグナーツ・ヨーゼフ・ヴュルト≪青磁金具付大壺≫ なんかも良かったし、水指を金の金具を付けることで燭台にした中国・景徳鎮窯 金属装飾イグナーツ・ヨーゼフ・ヴュルト≪染付花文金具付燭台≫なんてのも。

また磁器の鳳凰に金属のサテュロスが面白い日本・有田窯 金属装飾:イグナーツ・ヨーゼフ・ヴュルト≪青磁色絵鳳凰雲文金具付蓋物≫や白黒で柄が中国風の虎や蛇になっているドイツ・マイセン窯 絵付:イグナーツ・プライスラー≪黒絵唐人物ティーポット≫や中国の磁器工房 絵付:イグナーツ・プライスラー≪黒絵ダルメシアン母子置物≫、また中国風の蒔絵を模したウィーン窯・帝国磁器製作所(ゾルゲンタール時代)≪黒地金彩楼閣唐人物文水差≫というのも。

ウィーンの磁器製作所の作品だとホット・チョコレートをこぼさず飲むためにカップを支える機構の付いたトランブルーズというカタチのウィーン窯(デュ・パキエ時代)≪インド文様花鳥文カップと受皿(トランブルーズ)≫と≪カップと受皿≫も面白かったし、蔡國強≪春夏秋冬≫にも通じるようなウィーン窯・帝国磁器製作所≪貼花文蓋付壺≫や洒落た男の必需品であったタバティールというウィーン窯・帝国磁器製作所(ゾルゲンタール時代)≪カウニッツ=リートベルク侯ヴェンツェル・アントンの肖像のある嗅煙草入≫も面白かった。

ウィーン窯・帝国磁器製作所≪孔雀石とカメオを模した脚付杯≫のグリーンも印象的だったし、≪トランプ文カップと受皿≫はトランプ柄という目を引くもの。≪星型蓋付砂糖入≫はちょっと中近東な香りもしました。

風景画のコーナーで目を引いたのが19世紀前半のオーストリア最重要画家のひとりであるフェルディナント・ゲオルク・ヴァルトミュラーによる≪ダッハシュタイン山塊を望むアルタウゼー湖の眺望≫と≪イシュル近くのヒュッテンエック高原からのハルシュタット湖の眺望≫。彼は野外で画き始めた最初期の人物で、これらは元々はビュールレコレクションにあったとのこと。なるほど、ビュールレコレクションというと印象派、その文脈かと。吉田博の版画のように透明感のある山景が印象的でした。

そして最後のチャプター:花と静物画は撮影OK。ここからは写真と共にどうぞ。

ヤン・ファン・ハイスム≪花の静物≫
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ウィーン窯・帝国磁器製作所(ゾルゲンタール時代)フェルディナント・エーベンゲルガー、マティアス・シュヴァイガー≪薔薇花束文カップと受皿≫
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ウィーン窯・帝国磁器製作所ヨーゼフ・ガイアー≪金地花文クラテル形大花瓶≫
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フェルディナント・ゲオルク・ヴァルトミュラー≪磁器の花瓶の花、燭台、銀器≫
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ウィーン窯・帝国磁器製作所(ゾルゲンタール時代)フェルディナント・エーベンベルガー≪金地薔薇文カップと受皿≫
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フェルディナント・キュス≪バラとアンズのある静物≫
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ウィーン窯・帝国磁器製作所(ゾルゲンタール時代)ヨーゼフ・ニッグ≪花籠文カップと受皿≫
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フランツ・クサーヴァー・ペター≪アオボウシインコのいる花と果物の静物≫
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ウィーン窯・帝国磁器製作所≪金地花文花瓶≫
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フランツ・クサーヴァー・ペター≪ヨウムのいる花と果物の静物≫
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ウィーン窯・帝国磁器製作所(ゾルゲンタール時代)レオポルト・パーマン≪盛花格子文絵皿≫
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フェルディナント・ゲオルク・ヴァルトミュラー≪赤と白のブドウと銀器≫
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ウィーン窯・帝国磁器製作所 ヨーゼフ・ニッグ≪黒ブドウのある花の静物≫
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ウィーン窯・帝国磁器製作所 ヨーゼフ・ニッグ≪白ブドウのある花の静物≫
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ウィーン窯・帝国磁器製作所 アントン・デーリング、イグナーツ・ヴィルトマン≪金地花文ティーセット≫
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by wavesll | 2019-12-12 01:13 | 展覧会 | Comments(0)
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