
今、歌舞伎が期間限定でYoutube公開されていて、昨日の
『義経千本桜』に次いで紹介するのは4月19日(日)23:59:59までの公開の『オグリ』。
スーパー歌舞伎屈指の人気作である『オグリ』。哲学者、梅原猛によって書かれた原作を猿之助が滅茶苦茶刺激的に演出した本作、結論から言うとめっちゃ面白いです。この先町山方式でネタバレガンガンの感想を書きますが、この記事を読むのはここまでにしてもうさくっと見ちゃってくださって損は全くしない出来です。もう見ちゃうのがお薦めです。
さて、舞台が始まるといきなり現代演劇のような集団演舞、殺陣も古典と比べるとかなりキビキビしているしヴィジョンも使うし、”あぁスーパー歌舞伎ってこういう感じなのだなぁ”と。
ただ前半は”やっぱり舞台は生で観てこそ、ちょっと劇に入り込むには多大な努力がいるな”と想っていたのですが、後半から一気に物語に引き込まれて。
小栗判官という超イケメンで荒くれ者たちをまとめる貴族が主人公。物語の冒頭で、親に政略結婚させられるのが嫌で逃げ出した照手姫に惚れられたり、あまつさえ地獄に送られたら”生を謳歌するため”に閻魔大王にもたてつくという、ピカレスクというか不良の正義の姿が前半描かれて。
そのスーパーキャラぶりに”面白い”と思いながらもちょっと余り心情的に入り込めなかったのですが、後半、地獄を炎上させ、生き返ってからどんどん引き込まれて。というのも肉が腐る病気にかかった姿で蘇られられ、己の無力さ、好きなテルテに会っても正体を言うことも出来ない、人の助けを借りてようやく熊野を目指せる弱者としての視点を持つことで、ハイスペックだった頃の自分の不遜さ、傲慢さを認識していく。
最後に私が熊野に訪ねた時の写真旅行記と同じく猿之助による『ワンピース歌舞伎』の感想記事も載せておきます。