Momoko Kikuchi - Adventure (1986) FULL ALBUM
日本独自の音楽テイストというとぶりっ子気味のアイドル・ポップですが、このアルバムは”どうせアイドルでしょwラ・ムーでしょw”という色眼鏡を撥ね退けるメロウでハイレベルな境地をみせていて。こうなると寧ろラ・ムーを聴きたくなります。
ここら辺の音像と言うかテイストってゼロ年代に相対性理論とかがインディー音楽に吸収した感がありますが、既に80sにここまで音楽性が高いのがあったのか…と驚きました。
フュージョン、AOR的な、80sらしいアーバン・ナイトな音楽性。今聴くともっとキッチュに聴こえるかと思ったら、最近のシティ・ポップブームやVapor Wave/Future Funkムーヴメントそしてここ十年くらい続いているアイドル音楽の隆盛から、思った以上に新鮮な音に聞こえて。
それは菊池桃子さんの瑞々しさもありますが、Discogsでクレジットを確認すると
Arranged By, Written By – Tetsuji Hayashi
Bass – Kenji Takamizu, Yasuo Tomikura
Chorus – Etsuko Yamakawa, Junko Hirotani, Kiyoshi Hiyama, Yasuhiro Kido, Yurie Kokubu
Drums – Jun Aoyama
Electric Guitar – Masaki Matsubara, Tsuyoshi Kon
Keyboards – Akira Nishimoto, Haruo Togashi, Hidetoshi Yamada, Masashi Nanba, Nobuo Kurata, Yoshikazu Matsuura
Percussion – Motoya Hamaguchi, Nobu Saito
Saxophone – Jake H. Concepcion, Mamoru Mori
Strings – Joe Kato Group
Trombone – Eiji AraiTrumpet – Susumu Kazuhara
Programmed By – Atsushi Umehara, Hiroshi Sukegawa
Lyrics By – Chinfa Kang (tracks: A2), Junko Sato (2) (tracks: B4), Koichi Fujita (tracks: A4, B5), Kumiko Aoki (tracks: B1, B3), Masako Arikawa (tracks: A1, B2), Masayasu Okabe* (tracks: A3)
とあり”おいおい青山純がドラムなのかよ”とかバックのガッチリプロ陣で固めているのもクオリティを高めてるのだなと。
これは正直聞き逃せない名盤だなと。Youtubeの海外によるCITY POP Diggin' Movementによって逆に日本の旧譜名盤に触れられていて、本盤もU.S.のLight In The Atticからヴァイナルリリースされたのだとか。”ほんとならこうした再評価って日本人自身が行わなければいけないのに、近代建築なんかもそうだけど日本人は価値評価が下手だなぁ”と想う処。それでも面白い音を時代に関係なく聴けるのは、そしてテイストを探求できるのはいいことですね。