ピーター・ドイグ展@国立近代美術館 滲む空、具象が抽象に揺蕩う

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「もう新しいものは生まれないとされた絵画というジャンルに新領域を創った」と言われる現代画家。滲みが具象に抽象を生んでいて。写真だとパキっと写りますが、特に空が単一でなく揺らぎや垂れに滲んで、そこにスクエアな線が挿入されたり、雪や輝きが鏤められたり、空もオーロラであったり紫であったり銀色であったり。そして滲みながらも「形」がしっかりとある。面白い。写真を載せましたが、この滲みと画の広がりは生で観てこそ、ですね。

エディンバラに生まれ、トリニダード・トバゴとカナダで育ち、ロンドンで絵を学び活躍し、トリニダード・トバゴで新境地を開いたドイグ。ロンドン時代の作品はエレクトロニカっぽいというか、レディヘを先取りしている感じ。ポート・オブ・スペインで開いたスタジオフォルムクラブでの映画ポスターも印象的でした。

抽象絵画化と具象絵画の揺らぐ際に今の最前線はあるのですね。久々の美術館を堪能しました。