今夏から秋にかけてNHKBSPでは「シルクロード」に続いて「海のシルクロード」もやっていました。
トルコからエジプト、ドバイ、オマーン、パキスタン、インド、マラッカ、ヴェトナム、そして中国・景徳鎮と西安に至る海のシルクロード。それは中国から西洋へ陶磁器が紡いだ道でもありました。
観ながら”そうか、確かにトプカプ宮殿には中国の陶磁器に宝石を埋め込んだ器が多数展示されていたなぁ”なんて思い返して。大変に旅情と冒険心をくすぐられるいい番組でした。
そして其処に彩を放ったのがS.E.N.S.による音楽。
特にテーマ曲の
「海神」や挿入歌の
「アフロディーテ」の素晴らしさ。シンセの深い鳴動が心の奥まで響き渡る感覚。Youtubeのコメント欄も中文が多数ありますが、
Wikipediaをみると最近は中国のドラマなどの劇伴を手掛け活躍しているようです。彼らの音楽を苗場何かで聴いてみたい気もしますが、ロックフェス文脈からはパージされてる感はありますね。
研究者やエンジニアもそうですが、才能ある人にちゃんとポストを用意できる、そんな器が、今この日本にはいるなぁ。シュリンクさせずに、新自由主義とは異なる繁栄を得るために、壊れつつあるこの国で何が出来るのだろうと。歴史の興亡をみながらの逡巡。「海のシルクロード」も、旅の粗雑さというか、完璧に近いクオリティやアカデミックな正確性を目指すというより、勢いで獲得できるところを駆け抜けた感がありましたが、再び海原へ、冒険へ船出することが今必要かもしれません。