
ラッセン展みてきました。
「ラッセンがっ好っき~」とネタにされながらも、例え小学生の頃でも一目みて“キレイだ”と想う彼の絵は評価が難儀ですね。
彼のキレイめな風景画は例えばロンドン・ナショナル・ギャラリー展にもあった
クロード・ロラン≪海港≫等のピクチャレクスの系譜の魔改造現代版とも言えるかもですし、イルカや海獣が集められるのは四季花鳥図的とも言えるかも。或いはロマンティック・ロシア展で観た
ニコライ・ドゥボフスコイ≪静寂≫やリキテンシュタイン侯爵家の至宝展で観た
ルートヴィヒ・デ・ウィッテの馬に通じる質感があるというか。しかし、どこか騙されてるような怪しさがあるw
上に挙げたこれらは直接の繋がりはないでしょうが、昔の作品がこういう感覚を画くと非常に評価されるのに、現代の技術を持った画家がやると批判的にとらえられるというのはいわば化学調味料みたいなものでしょうか。或いは実験精神のなさとか?まぁ、売れまくったアートというのは、擦られまくっているともいえるし、特に「分かりやすい」というものは、評価が難しいのはあります。バンクシーのように社会派アピールでもない。けれどポピュラーなスターとして時代を彩ったのは確か。
そんな中でも“ツルツルした綺麗さでアート的な毒気がない”という私のイメージを覆す、イルカの歯を生々しく描いた作品があったり、或いは
Twitterなんかでも指摘されてましたが「萌的センス」を導入したものもあったり、桜を描いたりなんとディズニーとコラボしたり、かと思えば昔の作品はちょっとマチエールがソリッドだなと感じたり、貪欲に筆致の改良をしていくPOPの怪物の一種の異形がちょっと垣間見えて、なかなか面白かったです。
この原画展示&版画即売会、
全国を巡回しているみたいで、川崎では明日までですが月末に横浜でもやるそうです。天野さんのファンタジーアート展と同じく入場無料。物見雄山も良いかもです。