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Lhasa - La llorona (1997) ラテンアメリカ、フランス、スペイン、カナダ、アメリカ。多文化がマーブルになった興味深い盤

Lhasa - 1997 - La llorona (Disco completo)
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週末、ゆっくりYoutubeをHoppin' Diggin'できる嬉しさ。

こうして飛んでいると、自分の好みがわかるというか、ラテンみがあって、どこかエレクトロニクスミュージックというか採音などのサンプリングがある感じの、時代からどうもトんでいるようなものに”おっ!”っと思わされるなと言うのがわかって。

このアルバムもまさにそのティピカルなところ。始まりが水音のサンプリング・ビートでラテンな歌唱が語る様に歌われる。凄い昔のアルバムっぽさもありながら、一種一部現代的なビートミュージックでもある感じなところにまず惹きつけられて。

これはスペイン語?いやフランス語?そう逡巡しながら「Lhasa - La llorona」と検索しWikipediaのページをみるとこのLhasa de Selaさんは意外にもカナダの人。”ケベックか?”と想いながら彼女の頁を読むと米国生まれでメキシコとU.S.で育ち、成人してからはカナダとフランスを拠点にするという多文化な人で。

このアルバムが1stだったのですが、タイトルの『La llorona(ラ・ジョローナ)』とはラテンアメリカの泣き女の民間伝承。

ラサの父であるアレハンドロは、スペインによるメキシコ征服の文学の博士号を持つ人で、ラ・ジョローナの伝説について彼女に教えたそうです。この泣き女性の民話は子供を失ったケツァルコアトルの神話の妻に似て。ラサは、この女性が、スペイン人がアメリカに到着したときに泣き、征服者が彼らの生活様式にもたらす破滅を先住民の子供たちに警告したと考えているそうです。

1曲目はサンプリングがフィーチャーされたラテンアメリカ的な楽曲でしたが、アルバムが進むにつれてスペイン、フランスの土着の民俗音楽性がどんどん高まって行って。そしてそのマーブルな感じがまた面白い。最後まで聴きとおさせる楽曲の強さがありました。

”これはスゴイアルバムだな”と想っていたら、やはりスマッシュヒットを収めていて、カナダでプラチナになり、ラサはフェリクス賞とジュノー賞を得たそうです。そして3枚のアルバムを残した後、彼女は乳癌でこの世を去っているという事も知り、本当に惜しい人が逝ってしまったのだなと。こういう形で多文化をMIXするのは新鮮さを感じていたので、残念でした。彼女が残したアルバムをしっかりと聴いていきたいと想います。

by wavesll | 2021-04-09 22:42 | Sound Gem | Comments(0)
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