Jards Macalé canta Moreira da Silva (álbum na íntegra)
アルバムが始まると、歌とも語りともつかない、熱っぽく、けれど優雅な音楽が流れて。なんとも好い時間、こんなひとときが人生には要りますね。
これはサンバ・ヂ・ブレッキというジャンルで。
サンバ・ヂ・ブレッキは、1930年代後半から1940年代前半にかけてリオ・デ・ジャネイロで生まれたサンバのサブジャンル。このジャンルの最大の特徴は、ブラジル語で「ブレーキ」を意味する「breque」。 言い換えれば、突然の停止を伴うサンバであり、通常はユーモラスな性格を持ち、その中で歌手がスポークン・コメントを入れていきます。(according to
Wikipedia)なるほど、このラップともつかない語りが入った優雅だけど熱っぽいサンバをサンバ・ヂ・ブレッキというのか。
そのサンバ・ヂ・ブレッキの王様、Moreira da Silvaの追悼作品集としたのがこのアルバム。戦前サンバ重要作曲家ウィルソン・バチスタやジェラルド・ペレイラ作ナンバーをはじめ、モレイラのスマッシュヒットが唄われて。
唄うのはJards Macalé。トロピカリズモ一派と濃い関係があり、当時のカエターノやジルに極めて黒い、ブルース~R&B色を投影し、ガル・コスタの名曲「ヴァポール・バラート」の作者(according to
Latina)
なるほど、トロピカリズモというと1960年代ですから、ヴェテランがひと世代上の音楽の匠の歌を歌ったのが本盤なのですね。戦前音楽の何とも風雅な味わいと、同時にこのスポークン・コメントの熱っぽさが同居するサンバ・ヂ・ブレッキという音楽に出逢えたのは僥倖でした。