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ままごと『わが星』時空間をラップする平成後期の記憶がよみがえる演劇

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ままごとの「わが星」が配信されると聴いて。

演劇は門外漢の自分でも、Twitterとかで15年の再々演されたときは情報が回ってきて、”なんでもラップで演劇するというコンセプトらしいぞ”というのは聴いていて。結局その時はみれずに、その後も特に調べたわけではなく、ほぼまっさらな状態で今回の配信を知り”これは観たい”とクリックしたのでした。

始まると円形の舞台の周りを回転しながらラップと言うには韻が全然踏まれてない日本語の連なりが歌われて。ちょっと面喰って”これは現場で見ないとマジックが分からない奴か?”とか”地点X空間現代の「ミステリヤ・ブッフ」の方が音楽的に個性があったぞ”とか”このラップは口ロロっぽいか”と想ったりしたのですが、そこから劇が展開されて最後には結構感動してしまいました。

この劇は筋が明かされていくのも大きな愉しみだと思うので、いわゆる内容解説はしようとは思わないのですが、個人的にエモくなった理由の一つが、やっぱり音楽を口ロロの三浦康嗣さんがやっていて、観ながら10年代に横浜と川崎でクルマを流していた時にラジオから流れていたシンクロのシティのOPテーマが強くフラッシュバックしたのと、ゼロ年代に大学へ行っていた時、『エレガントな宇宙』に触発されて唯光論なんて妄想をぶちまけた人間としては、時空と星間をドラマにしたこの演劇は心の柔らかい部分をぐぐっと掴むエモさを持っていたのでした。

なんというか、00s, 10sからみたら未来にいるわけですが、サザエさん的な家庭も野原家のような家庭もつくったわけでなく、個人的には明後日の海邉に石舟を浮かべている20sですが、「あのディケイドに思い描いていた未来」よりさらに好ましい未来へ転がり続けて辿り着きたいものです。そんなことを強烈に平成後期を思い起こさせるこの劇を観ながら想いました。

by wavesll | 2021-08-11 22:54 | 舞台 | Comments(0)
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