Marta Kubišová - Hey Jude 1969
ねぇジュード 涙があなたをどう変えたの
目がヒリヒリ 涙があなたを冷えさせる
私があなたに贈れるものは少ないけどあなたは私たちに歌ってくれる
いつもあなたと共にある歌を
ねぇジュード 甘いささやきは一見心地いいけど
それだけじゃないのね
「韻」の終わりがある すべての歌の裏には「陰」があって
私たちに教えてくれる
人生は素晴らしい 人生は残酷
でもジュード 自分の人生を信じなさい
人生は私たちに傷と痛みを与え 時として傷口に詩をすりこみ 杖が折れるほどたたく
人生は私たちをあやつるけど悲しまないで
ジュード あなたには歌がある
みんながそれを歌うとあなたの目が輝く
そしてあなたが静かに口ずさむだけで すべての聴衆はあなたにひきつけられる
あなたはこっちへ、私は向こうへ歩き出す
でもジュード あなたと遠くはなれても 心はあなたのそばに行ける
今 私はなす術もなくあなたの歌を聴く自分を恥じている
神様私を裁いてください
私はあなたのように歌う勇気がない
ジュード あなたは知っている
口がヒリヒリ 石をかむようなつらさを
あなたの口からきれいに聞こえてくる歌は
不幸の裏側にある「真実」を教えてくれる
9月のNHKBSPプレミアムカフェ火曜は世界を変えた歌たちと題して、社会に大きな感銘と影響を与えた楽曲が取りあげられていました。
プラハの春からソ連侵攻の暗黒期チェコで、共産主義への闘争の歌として大ヒットし、共産政権に音楽界から追放されても闘士となったマルタ・クビショバの「ヘイ・ジュード」カヴァーに、ヴェトナム戦争時に生まれたサイモン&ガーファンクルの「明日にかける橋」は
アレサ・フランクリンがゴスペル調にカヴァーし、それがアパルトヘイト下の南アフリカで多くの人々を力づけたこと。
歌は、歌い継がれることで個人を越えた時代を動かす力をあたえてくれます。「音楽なんかで世界は変わらないよ」と冷笑なことをいう者もいますが、多くの人のマインド・セットを変える大いなる働きかけが音楽の持つ力にはあり、そしてそれは戦争や抑圧や対立でなく、愛と平和をもたらす力なのだなと改めて思った次第でした。