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『かなす ウチナー・ミャーク・ヤイマ』で沖縄音楽の深部に触れる

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久保田麻琴氏が1965年発表の16枚組LP-BOX『沖縄音楽総攬』から未発表部分も含め選りぬき仕上げた『かなす』シリーズがまさかApple Musicにあるとは!

『かなす ウチナー』は沖縄本島周辺の唄。初っ端から大宜見村の「ノロの祈願の唱え」で始まり2曲目が津堅島の「雨乞いクェーナ」、これはそんじょそこらの島唄コンピにはないディープさ…!

そんな中でとりわけ印象的だったのが今帰仁村湧川の「路次楽」。チャルメラみたいな喇叭が大きく鳴り響くこの楽曲、今まで聞いてきた沖縄音楽に喇叭のイメージがなかったので新鮮でした。この『かなす』シリーズには巻末にかならず現代のRemixが収録されているのですが、『かなす ウチナー』のラス曲は「RUJIGAKU X TAHFAHKU Remixed by harikuyamaku」でしたね。

コアな楽曲たちの他、「あっちゃめー小」(那覇)や「海ぬちんぼーら」(伊江島)などの有名曲も収められて。これは素晴らしい盤。ちなみに本編ラスト曲は「死者送別のウムイ」(勝連村平安名)、核心的だ…!

『かなす ミャーク』では宮古島の唄たちが収められていて。こっれがまた凄いのなんのって。

「仲屋まぶなりゃぬアヤグ」(無や小島平良)からしてこのパンチの効いた謡い!2曲目の「かにすまがま」(宮古島平良)も物凄いトーンの唄!「平安名ぬまちゃがまぬアヤグ」(宮古島平良)のアゲてくる感じに「佐良浜ぬはいま」(伊良部島)のチルアウト感。「池ぬ大主豊見親」(池間島)のしっとりと寄り添ってくるこの感じ。「子守歌(我んが守り)」(宮古島平良)の純真な声、ミャークは音楽の島々なのだなぁ。

そして『かなす ヤイマ』。こちらは八重山諸島の唄たちで。

いきなり「黒島口節」(黒島)で始まり!

そしてこの『かなす ヤイマ』で嬉しかったのは「うぶぬぴーだ」などの新城島の唄が多数収録されていること。その楽曲たちの祝祭感もさることながら、パナリ島は行くことが骨だし、ましてや祭事をみるのは難易度が高いのでこれは嬉しかったです。

そしてもちろん「安里屋ユンタ」(石垣島石垣)も。石垣島石垣だと「久高節」も高揚感が良かった。高揚感で言えば「二月」(新城島)の多幸感のヤバさ。「んざとーら」(石垣島石垣)もアンセム。

その他「真山節」(西表島祖納)、「結びぬ談合ま」(竹富島)、「中皿ぬ唄」(波照間島)と八重山の島々の唄が収録されて。ラス曲の「INKYARA NU UTA Remixed by Makoto Kubota」も完全にイマのドープな感じに仕上がっていて素晴らしかった。

そしてさらにApple Musicには『かなす』シリーズと同時発売だった70年代に発表された竹中労プロデュースの音源を編纂した名演の数々が収録された『ハイサイ!沖縄』もありました。こちらもCheckすべしです◎

by wavesll | 2021-12-02 20:42 | Sound Gem | Comments(0)
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