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宝塚歌劇団花組『はいからさんが通る』 大正の激動を生きる恋物語

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いやー、ついに宝塚に手を出してしまったw NHKBSPでやっていた宝塚歌劇団花組の『はいからさんが通る』をみていました。

朝ドラにもなった有名な少女漫画の舞台化。いきなり自転車で登場して竹刀を振るうおてんばな花村紅緒と、その許嫁である伊集院忍少尉の物語。

この紅緒と少尉のキャラがいい。少女漫画と言うのはほとんど読んだことが無かったのですが、少年漫画の主人公が神秘性のある女の子に憧れを抱くパターンの裏返しと言うか、おてんばな自分でも包んでくれる余裕のあるプリンス感というか”なるほどなぁ、これが少女の憧れか”という感じ。この二人以外の登場人物達も脇役に至るまで全員キャラが立っているのは素晴らしい。漫画原作ならではのキャラクターの力かも。

惹かれ合っていく二人ですが、大正時代は戦争、そして関東大震災もあった時代。少尉はシベリアに行き生死不明になり、そこからさらに熱くメロドラマが展開されて。で、紅緒も出版社に勤める展開なんかもウーマン・リブでいいですね。

正直、舞台が始まって音楽が歌われたときは”うわ!大衆演劇かよw”と想う様な和なダサさがあったのは否めないのですが、日本語ミュージカルとしてはこれは一つの正解ですね。どうも自分は海外のミュージカルの翻訳物をみると歌詞が聞き取れなくて楽しめないのですが、メロディが日本語と合っているから、歌が聞き取れるし、このダサさも大正ものということや、逆にダサいというかベタな故にドラマがストレートに入ってきて。いや、ほんと面白い劇でかなり楽しめました。気鋭の電子音楽やインディR&Bラップな宝塚歌劇もみてみたいけど。

上にも書いたのですが、助演の人たちも非常に魅力的なキャラが多くて、編集長や鬼島、環に蘭丸、伊集院伯爵や伯爵夫人など好きでしたねー。主役以外に目が行くようになったのは私が歳を重ねたからかもしれませんね。きっと宝塚好きの人はお気に入りの役者がどう輝くか隅々までみていて、その鑑賞眼に耐えるクオリティ/クオンティティが宝塚歌劇には求められるのだろうな~と。そしてこの登場人物たちは昭和の戦争の時代にも巻き込まれていったのだろうなとも想い馳せました。

最後の大階段の辺りなんかの昭和なスゴい感じはニューアカオを想起して。やー、面白かったなぁ宝塚。ベルばらなんかもみてみたくなりましたw

cf.



by wavesll | 2022-02-24 04:12 | 舞台 | Comments(0)
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