

根津美術館の至宝といえば尾形光琳≪燕子花図屏風≫。いつもGWの頃に展示されるこの名画ですが、今回の展覧会はこの燕子花図屏風も披露された、根津嘉一郎氏主宰の茶会を飾った逸品たちを展示するという趣向で。
展覧会は茶会の流れに沿って展開して。まず待合席に通され、そこから本席で茶席(斑鳩庵)に入り懐石料理と酒がふるまわれて。そのPartにあったエメラルドブルーの≪呉州青絵赤壁図鉢≫が綺麗で。
そして風炉に炭が継がれる場面では≪燕子花開扇蒔絵螺鈿香合≫がまた輝いて。上田宗品≪雲華灰器≫の肌色と灰色のツートンカラーもうつくしい。
そして≪銅鑼≫が鳴り濃茶がふるまわれて。小堀遠州≪一重切竹入 銘 藤浪≫がしっとりとボリュームがあって遠州好みの≪膳所耳付茶入 銘 大江≫もあったり、
≪鼠志野茶碗 銘 山の端≫がパウル・クレーみたいな古代的な面白い文様が入っているのも好かったし、≪南蛮〆切建水≫がまたちょっと太古の文明を感じさせるようなフォルムで。
茶会では真ん中に≪吉野図屏風≫、そして左右に対面して≪燕子花図屏風≫と≪藤花図屏風≫が展示されたそう。
この応挙の≪藤花図屏風≫の筆!まるで藤の木の精が飛廻った軌跡のように透明な幹と藤花の幽玄な風合いのきらめき。それに光琳の≪燕子花図屏風≫の、まるで篠原有司男さんがボクシング・ペインティングのパンチでリズムづけたような迫力のある燕子花の連咲。この好対照が本当に素晴らしい空間を演出していて。
そして何気に≪吉野図屏風≫も桜の花々たちがまるでエンボス加工したかのようにふっくら浮かんでいて、これもまた茶会に風雅さを与えていました。
そして小書院に移動しての番茶席で〆。ここの
呂敬甫≪瓜虫図≫も一服のわびさびを感じさせてくれて。そして
≪青磁象嵌花文香炉 銘 老女≫の姥口と文様、そして突起の面白さ。これが丁度端午の節句の時期の茶会だったので五月人形代わりに飾られた≪六十二間筋透兜鉢≫もドシっとしていて。そして殿をつとめるのは≪燕子花図屏風≫もその物語を描いた在原業平が大きく描かれた
≪業平蒔絵硯箱≫。ほんに素晴らしい茶会を味わえました。
そして庭園に移ると茶会で登場した斑鳩庵始め建築達と、庭に点在するオブジェたち、そしてこの時期ならではでかきつばたも咲いていて。雅を味わえました。