Rudolf Nureyev - La Bayadere, 1992, Opera National De París
オペラやバレエの愉しみは同じ演目でも演出が違うと全く別物になるという妙味で。
このインドの宮廷を舞台にしたバレエ「ラ・バヤデール」も、今回NHKBSPプレミアムシアターで流れたのは今までパリ・オペラ座でしか上演が許されなかったルドルフ・ヌレエフ版ということで、以前ミハイロフスキーバレエ版もみていたのですが、再びこの世界を味わいました。
ヌレエフ版はインドの湿度が伝わるような薄闇の中で展開される霊性的な踊りで、インド(というか東南アジア的)なコレオグラフィーもより強めで。豪華絢爛なセットの中でまるでハチドリが舞うかのような麗しさ。
とは言えやっぱり影の王国とかはバリバリ正統西洋バレエだし、これは”幻想のインドにインスパイアされた架空の王宮でのバレエ作品”として捉えた方が、エキゾチズムを享楽するにも素直に楽しめるなと。
ヌレエフのみでなく本公演には舞台美術と衣装デザインを担当した、新国立劇場バレエ団や東京バレエ団、牧阿佐美バレエ団でもデザインを担当しているルイザ・スピナテッリやそして勿論マニュエル・ルグリ舞踊監督の貢献も忘れてはなりませんが、Youtube上にオペラ座でのヌレエフ版『ラ・バヤデール』があったので、それも上に貼りました。