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『俺たちに明日はない(BONNIE AND CLYDE)』無軌道の代償 犯罪の謳歌の果て

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『俺たちに明日はない』をみました。原題はBONNIE AND CLYDE。1930年代に実在した銀行強盗や殺人を繰り返しながら州から州へ移動したカップルの顛末を描いた映画。

まず冒頭からボニーを演じるフェイ・ダナウェイの野性味のある綺麗さが眩しくて。ウェイトレスとしてしけた生活をしていたボニーの家でクルマ泥棒をしようとして出逢ったクライドはすぐに銀行強盗をしてボニーをときめかせて。そこから二人の犯罪逃避行が始まります。

実録だとどうなっているかは分からないのですが、クライド・バロウはEDという設定で。それ故にバロウ一味の犯罪股旅の中でボニーはストレスを溜めて軋轢を起こして、その発散でますます犯罪にのめり込んでいきます。

或る意味でアメリカの自由を(はき違えながら)謳歌しているように見えた二人も徐々に追い詰められて。その時のボニーの「最初はどこかへ辿り着けると思ってた。でもずっと逃げ続けやり続けなければならないのね」という台詞の瞬間が本作で一番感傷を呼び起こしたシーンでした。

そしてラストは史実通り。あのシーンは知っていたとはいえ驚愕の迫力がありました。無軌道の代償がオフビートな後味を残す、アメリカンニューシネマの名作でした。


by wavesll | 2022-05-29 17:12 | 映画 | Comments(0)
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