
ゲーテ『若きウェルテルの悩み』を読みました。
これはグイグイ読ませる名作ですね!物語は基本的にウェルテルから親友のウィルヘルムへの書簡で綴られていて。基本的にはウェルテル発の言葉だけで物語は推進していきます。
この書簡文学という形式、小劇団の演劇の独白のようにも感じれば、或いは”これ、Twitter文学やLINE文学としても応用できるんじゃないか?”等とも妄想したり。
ストーリーはウェルテルが婚約者のいるロッテといううつくしい人に人生最大の恋をし、その叶わない恋への激情に苦しんで…という話。
ウェルテルのキャラクターが、いわゆるインテリ的にとめどなく言葉が脳内から湧いてくる雄弁なタイプなのもTwitter民的でもあったりwけれど実務能力はそんなにないというか、上を舐めてトラブルを起こす、恋愛に限らず激情になりやすい青年で。またロッテの小説の趣味にもときめくとこなんか500日のサマーみたいで。そんなところもちょっと読みながら笑ったり。
そのウェルテルの友人へ向けた書簡の韜晦にFullになった文体が、これが意外と読みやすくて。全体的に非常にSmoothに読めるこの文章の良さは翻訳者の高橋さんの功績ですね。
なのでその文章の一部分を取り上げるというより、総体としてのウェルテルの「こころの駄々洩れ」が、読んでいるこちらの脳にもDLされていくような読書体験でした。
終盤に書簡形式から通常の三人称へ文体が変わったのは残念ではありましたが、それによってウェルテルが「天使…かな」と一目ぼれし想いを寄せるロッテの心の裡を知ることが出来て。
さらにクライマックスとなるオシアンの詩が詠まれる場面はとてつもない感動がありました。ここの詩の表現の翻訳に関しても同じ高橋氏が訳した
『ファウスト』よりも素晴らしく浸透していったなと想いました。
この激的な恋愛の行く末は伏せますが、当時「精神的インフルエンザの病原体」と呼ばれただけあって、とんでもない刺さりをもたらす書でした。