







大田区立郷土博物館にて大勾玉展をみてきました。
勾玉はそのシンプルさから世界で似たものはみつかっていますが、その量と時代の長さは日本が随一とのことで、日本で最古のものは7000年前の縄文時代からみつかっているそうです。
この展覧会では東京でみつかった勾玉から、日本そして世界でみつかった勾玉を縄文から弥生、古墳時代と時代ごと・地域ごとに展覧するもので、その勾玉の総数はなんと1500点、これは日本でみつかった勾玉の総数の5%にも及ぶ充実した展示。
元々の最初の始まりは牙玉にも似た素朴なもので、滑石などで出来ていた勾玉が、新潟県糸魚川などのヒスイでつくられるようになり、その形も洗練されていって。弥生時代には九州北部が一大産地と成ったり、刀の様な丁字頭勾玉が隆盛して。さらには古墳時代には瑪瑙製のオレンジな勾玉やガラスで出来た勾玉、蛇紋岩や土などで出来たものが百花繚乱して。勾玉の素材にこんなにも多様性があったとは。そして地域や時代ごとに微妙に形態が違ったり。
美術としてみた時に一番目を惹かれたのは「子持勾玉」と呼ばれる、ちょっと見た目が異形の餃子のような勾玉たち。こっれ面白いですね。子持勾玉の置物とかグッズとして買って部屋で勾玉りたいw(ちなみに上の画像は検索して引っ張ってきたイメージで展示品とはまた違いますが、子持勾玉だけでも多くの品々が展示されていました)
さらに唯一の海外からの勾玉として朝鮮の勾玉も一点展示してありました。ただ朝鮮半島からは日本と比べると遥かに出土数が少ないらしいです。
倭を代表する装飾品となった勾玉は、蝦夷や琉球も倭の力を利用しようと取り入れたりしていたそうで。と、いいつつ近畿地方では古墳時代終盤、他の地域でもその後に勾玉は祭礼などの場から姿を消していったそうです。古墳時代の次と言えば飛鳥時代、仏教伝来も何らかの影響もあったかもしれませんね。
目録にも載っている地図を観ると、この展覧会のために本当に日本津々浦々から勾玉が集結していることがわかります。展示スペースは街の小さな地区センターといった感じで飾り気はないですが何と200円でみれるし、解説キャプションも満載で勾玉に関するいろはの入り口となるいい展覧会でした。
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