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バイロイト音楽祭2022『神々のたそがれ』やりたいことは何となく分かるかもだがブーイング噴出演出オペラ

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土曜歌劇はバイロイト音楽祭2022のワーグナーによる『ニーベルングの指環』最終章『神々のたそがれ(Götterdämmerung)』。

やープレミアムシアターを録ってみはじめて2,3年ですが、ここまでブーイングが凄かった舞台は初めてかもw

というのもこの『神々のたそがれ』、もんの凄いアレンジがなされてるんですよ。
オペラだと中世の劇に現代のクルマやガジェットが入る演出は結構あるあるなのですが、今回は衣装から舞台セットから現代の生活の中で『神々のたそがれ』が展開して。私は以前びわ湖ホールプロデュースオペラの配信をみたことがあるのですが最初は正調でみておけて好かったwさらにその上で「指環」が「二人を結ぶ愛の象徴」ということで少女が指環役を演じるアクロバティックな演出なのです。

で、物語のなかでアクセント程度に現代文明のモノが入るくらいならかなり面白いのですが、神々の棲み家が普通の住宅で、衣服も大したことないとなると、正直”これわざわざ現代風にしないで古代や神世の世界観でやった方がよかったんじゃね?”と想いながら観ていて。

ただ今回物語が大分理解できたのは佳かった。忘れ薬でブリュンヒルデのことを忘れ裏切ったジークフリートに、ブリュンヒルデが怒り心頭で悲劇をもたらすと。

そんな終盤の、破局があった後でライン川のほとりでラインの乙女に会うシーンが、まるでプールの底というかスケートボード場のようなセットで、そこでジークフリートと指環の子が釣りをしていて。”このヴィジュアルは面白いじゃないか”と。

まるでMCUのソーのような、北欧由来の神々が現代の街中にいる突拍子もない面白さがあって。”これがやりたかったのかなぁ”と想って。正直これをやりたいなら、住居シーンも町中のカフェとかストリートに改変した方が断然現代都市感が出たんじゃないかなと想ったり。

結局その後諸悪の根源のハーゲンの死の描写もしょぼくて。総じて残念な舞台だったのですが、「神々が普通の都市生活の中にいるオペラ」というのは再チャレンジする甲斐のあるテーマかもなぁと想いました。今度は『地獄の黙示録』の『ワルキューレ』が観たい!

by wavesll | 2022-09-17 16:24 | 舞台 | Comments(0)
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