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『渡世人』昭和初期の任侠の世界に生きる2人の男の生き様を存分に魅せる傑作

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『渡世人』をみました。Toei Xstream Theaterの中でもこれはとびきりの傑作ですね。

時は昭和初期。満州事変でキナ臭くなる時代に正宗一家の三代目、塚本秀之助はこの事態を憂慮し、満州から来日した馬賊の頭目・北天竜とともに知恵をめぐらしていたが、戦争によって利権を得ようとする上毛組の藤井丑松は、博徒黒金一家の五代目・広川大介にこの両名の暗殺をもちかけ、刺客の三上と成瀬が差し向けられる。その時新次郎は恋人のお登喜のところから帰る所だったが、新次郎も襲われ、それを殺害したため解任していたお登喜を残し五年の刑になる…という冒頭。

何しろW看板の若かりし梅宮辰夫(新次郎)と鶴田浩二(三上)の侠っぷりが見事!鶴田浩二さん、私はみながらすっかり”松方弘樹の若い頃かっこいいなぁ”と想っていたら別人でしたw

この新次郎を陥れた三上が、けれど任侠心にあふれていて困っていたお登喜と、新次郎との息子の世話をみる。一方で新次郎は獄中で、親分を殺した組織の情報を掴み…という展開は痺れるものがありましたし、なにより渡世人の世界、それも戦前の和風に満ちた光景が時代劇と現代劇の愛だな感じで面白い!

渡世人の気風と面子の張り方がなんともかっこよくて、と同時にヤクザ者の日陰者であり社会の害悪な存在だという悲哀、その悪者の中に在る一種の義侠の心の理。そんなものが心を捉えるのですよね。

最後の戦いへ赴く新次郎の瞳の透き通り。こんな透き通った眼の演技、漫画でしかみたことないレベル。梅宮辰夫って凄い人だったんだなぁと恐れ入りました。フィナーレといい、こんな映画こそ日本映画の魅力を存分に発揮したマスターピースですね。

by wavesll | 2022-09-23 01:04 | 映画 | Comments(0)
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