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四畳半神話大系 学生時代というモラトリアムのリフレイン輪を脱けてトゥルーエンドを掴み取る物語

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この夏は四畳半神話大系をみていました。

第一話で京都の大学に入学した「私」はキャンパスライフに期待を膨らませてテニサーに入るのですが、小津という悪友の仕業もあって、恋人も出来ず鴨川のカップルにロケット花火を仕掛けるという不毛すぎる大学生活を過ごして後悔の念に駆られて。

で、第二話では再び「私」は京都の一回生として入学して映画サークルに入り、またドイヒーな学生時代を過ごして。“え!?タイムループモノなの!?”とw

そうなのです。毎回「私」は異なるサークルに入っては、思い描いた黒髪の清楚な彼女もつくれずヒドい大学生活を過ごすのです。

これをみながら視聴者である私も“あ〜俺の大学生活も恋人も出来ないのにXmasに赤レンガのスケートリンクに行ったりお台場に野郎で連れ立って観覧車昇ろうとしたり非モテドイヒーな酷いもんだったなw”とか思い出してw

自転車サークルに入っていたりしたので、「私」が鳥人間コンテストサークルに入った回は“もう一度大学生になれるなら鳥人間か学園祭実行委員やりたかった”とか思ったり。

「私」が英会話サークルに入った際は“うっわ俺もESSに入ってたは”とか、ネズミ講的な怪しげな裏があるサークル回をみたときは“俺も広場でUFO呼んでるみたいなサークル入ってたな”とか、ドイヒーながらもバカばっかやってた女っ気のない自分の大学ライフがフラッシュバックして。

で四畳半神話大系は中盤ダレるというか、「私」が3人の女性の誰を選ぶかのエンドレスエイトみたいなループに嵌って。それでも文通相手の令嬢の正体が分かった回は“ヤッバ”と思いました。

奥手な「私」の自意識に“俺もどうにもフニャフニャしてた時期あったなーあの頃は”とか思っていたらラスト前で、「私」は住んでいる四畳半の部屋から抜け出そうにもどこまで行っても四畳半の並行宇宙が続く空間に閉じ込められる『CUBE』みたいな超展開に。

占いババからさんざん「チャンスは目の前にあり、掴めばいいだけ」と言われていたのに怠惰か臆病かアクションを起こさなかった「私」たちの部屋がどこまで行っても続く迷宮。

“そうか、この作品のテーマは「モラトリアムのループする大学時代に、けれど全ての瞬間は一度きりで、故に選択・アクションを掴んで自分の人生を決断してく、チャンスを掴め」ということかも知れない”と。

本編ラストで小津を助けるために「私」はまるで鬱の引き篭もりのメタファのような四畳半の迷宮を打ち破り外へ出て、ついに明石さんとのトゥルーエンドに辿り着けます。

“ああ、不毛な輪廻から成長することで解脱出来たのだな”と。12話は特別編というかおまけみたいなもんでした。

京都という街は学生の街。私もこの文化都市に4年くらい住んでも好かったなと思ったり、京大吉田寮に物見遊山を楽しんだりもしましたが、“何でもできた大学時代にああしておけば良かった”なんて思うより“一度きりのいまここの自分の人生を決断・選択・アクションし未来を創っていく”、“ifよりもイマ”を掴んでいくのがいいのでしょう。

この夏は京都の大学生気分を少し多重に並行宇宙を過ごせて、そう想えました。

cf


by wavesll | 2022-09-24 19:11 | 映画 | Comments(0)
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