シュトラウス《エレクトラ》全曲 ベーム指揮/ドレスデン国立歌劇場管弦楽団
ハンブルク州立歌劇が2021/2022シーズンに上演したリヒャルト・シュトラウスのバレエ『エレクトラ』をみました。
原作ではギリシャ神話を舞台として、アガメムノンが妻クリテムネストラとその不倫相手エギストによって殺され、主役のエレクトラは半発狂状態のような精神状態に追い詰められるも復讐を果たし、踊り狂って死ぬという壮絶な話なのですが、今回鬼才ドミトリー・チャルニャコフが演出し、舞台を現代の大邸宅へ変え、さらにエレクトラの弟オレストが関わるラストがまたとんでもない事態になっていました。
この殺人オペラ、個人的にはその筋と呼応しさらに超絶なものにしている歌唱の、特に精神を切り裂き斬り結ぶような高音の叫びがすっごくて。きりきりと非常に攻撃的な歌唱は音楽として普段オペラを聴かない層、特にHR/HM好きにも響くのではないかななんて思いましたね。
また舞台には登場しないのですが、アガメムノンは『イーリアス』で知っていたので愛着があって。欧州芸術は一種の神話宗教ユニヴァースですね。シュトラウスは『ばらの騎士』も好きだったし、好みの作曲家なのかもなと想いました。