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プーランク - モノオペラ『人間の声』 コクトーによる恋人との終わりの通話を描いた独りで歌う歌劇


モノオペラ『人間の声』をみました。

「モノオペラ」というのは初めて見たのですが、一人の歌い手によるオペラというものなのですね。

この歌劇ではコクトーが当時最新のコミュニケーションツールであった「電話」を駆使して、別れる恋人との最後の通話の夜をDanielle de Niese演ずる”彼女”が独り部屋で話す様を描いて。

コクトーという作家は本当に鋭い、心を裂くような繊細な魂が曝されるような台詞を書きますね。”彼女”が如何に恋人に心酔していたか、それ故に重くなったのか、あるいは糞彼氏に遊ばれたのか、別れに至っても何とか彼氏に好かれようと痛ましい様を晒して。彼氏の台詞はほとんど我々は認識できなく、”彼女”の半ば独白を聴く形で想像力で劇を補完しながらみるのですが、コクトーの知人でもあったプーランクによりオペラ化されることによってよりこの作品が際立って力を持ったなぁと感じました。

魂が鋭利なナイフのように心臓を裂いていく、精神がやられている”彼女”は、女の子は悪い男に捕まると不幸だよな…と想いつつ、そんな女を泣かせる悪い男ほど魅力的なのだろうな、余計な事を言っては逆にヒステリックにキレられるか、と想いつつも、なんともこころきりきりする歌劇でした。

by wavesll | 2023-05-14 05:58 | 舞台 | Comments(0)
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