


永遠の都ローマ展を東京都美術館で観ました。
一発目にまなこに入るのが、ローマの名の由来ともなったロムルスとレムスの双子が乳を授かる
《カピトリーノの牝狼》。これ、上野に来ているのは
ブロンズ製の複製なのですが、草や流水のような毛並みといい、口の中には歯が揃っていたり、双子のでべそまで造られていて、尻もいいし、なかなかいいレプリカでした。
このロムルスとレムスはトロイア王家のアイネイアスの子孫と言われていて、《タブラ・イリアカ》という『イリアス』の石板にはアイネイアスが脱出出航する様が彫られていて。
『イーリアス』と『オデュッセイア』は読んだけど、ウェルギリウスの『アエネイス』やあるいはダンテ『神曲』も読まなくちゃなぁ。
『イリアス』でいうとパリス、ヘクトル、アキレウスなども彫描かれた《ティベリウス・クラウディウス・ファウェンティヌスの祭壇、通称カザーリ家の祭壇(複製)》なんかもあって。文学の世界が立体的になる感じ。
この他この双子と狼の意匠は《ドラクマ銀貨:ヘラクレス(表)、双子に乳を与える牝狼(裏)》、《デナリウス銀貨:ローマ(表)、牝狼(裏)》、《アウレウス金貨:ハドリアヌス帝(表)、双子に乳を与える牝狼(裏)》、《ヌンムス銅貨:ローマ(表)、双子に乳を与える牝狼(裏)》なんてのも展示されていて。ローマのサッカーチーム「ASローマ」のシンボルもこれだし、アイコン化してますね。
『イリアス』の英雄たちだけでなく、教科書などで名を知る様々な偉人の彫刻も今回展示されていて。
《トラヤヌス帝の肖像》はちょっとピリピリ来てる感じ。《ハドリアヌス帝の肖像》は優しそう。基本的に鼻が欠けている彫刻が多いですね。トラヤヌス帝の姉の娘の《マティディアの肖像》なんてのや、あの《カラカラ帝の肖像》は熊系男、《女性の肖像(おそらく皇后アリアドネ)》は噂好きな感じの表情。
また前方がアフロみたいに編み込まれている《女性の肖像》というのも。
そしてコンスタンティヌス帝の巨像の部分が展示されて!《コンスタンティヌス帝の巨像の頭部(複製)》、《コンスタンティヌス帝の巨像の左手(複製)》、《コンスタンティヌス帝の巨像の左足(複製)》は大仏的な大きさ!ちょっと目つきが変態っぽいのもいいw
そして階を上がると飛び込んでい来るのがカピトリーノ美術館の至宝、《カピトリーノのヴィーナス》!
「恥じらいのヴィーナス」とも言われ、乳房や下腹部を手で隠しているのが魅力をさらに際立たせて。時計回りにみると美尻に、反時計回りにみると顔やリボンのような髪型に眼が視線誘導されて。
大理石のまるで融けていくキャンディーのようなツヤめく質感、これはすっごいなぁー、写真じゃわからなかった。やっぱりアートは生で観てこそだなぁ。
この階にもトスカーナの画家(16世紀)《ミケランジェロ・ブオナローティの肖像画》や、カピトリーノ美術館を一般公開したことで知られる教皇クレメンス12世の肖像画と彫像のフィリッポ・デッラ・ヴァッレ(フィレンツェ 1698 - ローマ 1768)《教皇クレメンス12世》、下絵素描:ステファノ・ポッツィ(ローマ 1699 - 1768)版画:ロッコ・ポッツィ(1712 - 48に活動)《教皇クレメンス12世の彫像》が展示してあって。クレメンスってw
またこれはテヴェレ川の化身なのかな?《河神》の大理石の彫像も。
そして燦然とそびえるトラヤヌス帝記念柱から《モエシアの艦隊(トラヤヌス帝記念はしらからの石膏複製)》と《デケバルスの自殺(トラヤヌス帝記念柱からの石膏複製)》が。ここだけ写真OKでした。
そして最後のコーナーは16世紀末に天正遣欧少年使節がローマにきた事と1873年、岩倉使節団はカピトリーノ美術館を訪問したことの日本とカピトリーノ美術館の繋がりの特集。
カピトリーノ美術館にある《デュオニソスの頭部》の美人さと、1870年代にイタリアより教材として日本に持ち込まれた「アリアス」の石膏像を模写した小栗令裕《欧州婦人アリアンヌ半身》が綺麗さを共鳴するように並べて展示されて。
やっぱり《カピトリーノのヴィーナス》は頭抜けた秘宝でしたね。サクサクみれて好かったです。またお土産コーナーにはイタリアのオリーヴオイルやペーストなどの食品も並んでいました。