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GRAPEVINE - Almost there 自壊からの綺羅めく恢復の氣術

GRAPEVINE - Almost there (Album Playlist on Youtube)
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Grapevineの18枚目のアルバム『Almost there』をApple Musicで聴きました。

一聴して”あ、俺前作の『新しい果実』よりこっちの方が好きかも”と想って。音の打撃力があるというか。これは田中さんがW不倫をフライデーされてから初のアルバムというのも大きいかも知れませんね。

芸能に携わる人はついつい理想化され崇拝を身に纏っていくというか、段々気が付くと「偉く」なっていって、ひょんな事から馬脚を現した時にイマまで高めていた自己イメージ他己イメージに圧し潰され自壊することもあったりもするかもしれません。特に昨今はキャンセルカルチャーや、業界とかでもコンプライアンスやらでハシゴやゲタが外されることもあるかも。「ワルそう」はもてはやされても「ワルい」とあっという間に太鼓持ちが逃げていく、そんな印象があります。

でも、そういう精神が厳しく晒される辛いときって創作に於いて悪いことばかりではないと想って。実際、先行シングルの「雀の子」なんてのは関西弁で歌われ、「おまへん」と「お前」や「ヒマな兄ちゃん」と「Human Nature」がかかってたり言葉遊びの機知の奥にある真情の曝け出しから音の綺羅めきが新しいブレイクスルーを熾していて。それは速度を増してケロ声になってるシングル「雀の子-Sped Up」でさらに奇妙な綺羅綺羅感を増して。

多くの芸能人がキャンセルされていく中で、瀧もそうですが、ミュージシャンというのは最少の"バンド"によって価値を創ることができる強みがあるなぁと想うし、逆にそんな時こそ本意気の藝がゴロリと姿を現すこともあるよなぁと。ロックミュージシャンはその思想を魅せる面もあるからこそ、ここで鳴らされる音は裸一貫の地力の素直さが非常に好い形で現れたなぁと感じ、とても好きな盤でした。

by wavesll | 2023-11-13 23:32 | Sound Gem | Comments(0)
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