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『復讐するは我にあり』誰に対しての復讐か

復讐するは我にあり 特報
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今村昌平監督『復讐するは我にあり』をみました。

専売公社の職員を2名殺し金を奪って逃走、詐欺と殺人を繰り返しながら逃亡した犯罪者榎津巌を緒形拳が、そしてその父のキリスト者を三國連太郎が演じて。

幼いころに親の愛を得られなかった子供が暴発するというテーマは先日観た『エデンの東』でもそうでしたが、映画の性質としてはまるで真逆の、こちらはピカレスクな逃亡劇を描いた映画。

まぁ、私自身日活や大映、東映のヤクザモノを結構みたもんで、寧ろその異常犯罪者からすれば、弁護士や大学教授に扮して詐欺をする榎津は凶暴性とジェントルさが入り混じるようにもみえるし、ワルい男がモテるのはこういう映画ではあるあるだし、濃厚な方言の密度も昔の日本映画ではよくあるのですが、逆に榎津の親父さんのパートで、榎津の妻である倍賞美津子が混浴で三國連太郎に言い寄り、その巨乳を揉みしだかせたくだりは”すげぇなこりゃ”と想いましたね。日本映画マルチバース的には『飢餓海峡』の三國の息子が緒形拳な感じで”この親にしてこの子あり”な血脈を感じたりw

この題名の「復讐」は誰に対してなのか?と考えたら”普通に考えれば榎津が父に復讐することになるのだろうな”と想ったら、Wikipediaをみるとタイトルの「復讐するは我にあり」は、新約聖書(ローマ人への手紙・第12章第19節)に出てくる「愛する者よ、自ら復讐すな、ただ神の怒に任せまつれ。録して『主いひ給ふ、復讐するは我にあり、我これに報いん』とあり」という言葉の一部で、悪人に報復を与えるのは神である、を意味するらしく、さらにはこの事件には元となった西口彰事件という戦後最悪の連続殺人があったと知って二度びっくり。逮捕のくだりなんかも、ある意味事実は小説より奇なりを地で行く話だったなと感じ入りました。

by wavesll | 2023-11-19 14:23 | 映画 | Comments(0)
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